引用元: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1326264108/
- 2 : 2012/02/03(金) 23:51:40
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佐藤「ほら、覚えてませんか? ちょうど二年前くらいに……」
田中「ああ……とある科学の超電磁砲、だっけ。 もう二年前になるのか、改めて時の過ぎる早さを実感させられたよ」
佐藤「そうですね、年々早くなっている気がします」
田中「……それで?」
佐藤「ああ、そうでした。 その超電磁砲、とある魔術の禁書目録というライトノベルが大元なんですけど」
田中「それは知っている」
佐藤「ご存知でしたか、すいません」
田中「別に謝る必要は無いが……本題は?」
佐藤「あ、そっか。 本題、学園都市ってすごいと思いません?」
田中「まあ、そうだな」
佐藤「ですよね!」
田中「???」
- 3 : 2012/02/03(金) 23:52:15
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井口「おなかへった」
阿澄「…………」ジトー
井口「いやん、そんな蔑むように見つめられたら興奮しちゃう」
阿澄「……なんで井口がベランダに引っ掛かているの?」
井口「それがさあ、玄関から入ろうとしたら開かなくて」
阿澄「井口みたいなのが入ってこれないように、鍵をかけているんです」
井口「ひどいよ! この人で無し! 今すぐ結婚しよう!」
阿澄「…………」ガラガラッ
井口「あ、ちょっと待って! 窓閉めないで! 阿澄さーん!!」
- 4 : 2012/02/03(金) 23:53:09
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井口「入れてくれてありがと、もこたん」スリスリ
阿澄「うざい」
井口「ナイスツンデレ!」グッ
阿澄「そういうのじゃないから」
井口「ツンデレはみんなそう言うんだよっ」デコピン
阿澄「…………」イラッ
井口「分をわきまえずに調子こいてしまって、誠に申し訳ございませんでした!」ドゲザ
阿澄「それで、何しに来たの?」
井口「もこたんと愛を育みに」キリッ
阿澄「何しに来たの?」
井口「……はい、実はですね」
- 6 : 2012/02/03(金) 23:54:06
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阿澄「適当なこと言ってっと殴るよ?」
井口「いや、それなんてご褒ぐはっ!」チーン
阿澄「やれやれ、やっと静かになった」
ピンポーン
阿澄「……と思ったらこれか、居留守居留守」
ピンポーン
ピンポピンポピンピンピンピン
阿澄「うるせぇ!!」ガチャッ
伊藤「あ、ごめんなさい……」ションボリ
阿澄「かな恵……ちゃん?」
- 7 : 2012/02/03(金) 23:54:27
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阿澄「ど、どうちたの? 何か御用でちゅか?」
伊藤「ええ、実は……」
井口「んでっんでっんでっ」
伊藤「んでっんでっんでっ」
阿澄(最近の若い娘はようわからん……)
伊藤「井口さんに呼ばれまして」
井口「私が呼びました!」
阿澄「偉い、褒めてつかわす」ナデナデ
井口「えへへー」
- 10 : 2012/02/03(金) 23:55:06
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阿澄「……蹴り飛ばすから、動くなよ」
井口「いや、ちょっと話を聞いぃぃん!!」
伊藤「だ、大丈夫ですか!?」
井口「わ……我々の業界では、ご褒美です」
伊藤(少なくとも私は違う……)
阿澄「井口、君はついさっき主人公は男女一対だと言ったはずだが」
井口「ええ、確かにその通りでございます」
阿澄「…………」ゲシッゲシッ
井口「ま、待って! これには深い事情が……ひぁんっ!!」
- 11 : 2012/02/03(金) 23:55:26
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一年前
井口『ふっふーん! 今日のお仕事終っわっりー!』
井口『ん? 何だこれ』
井口『実写版禁書目録? へぇ、こんなのやるんだ』
井口『……ちょっと悪戯しちゃお』ニヤリ
————
井口「という風に、キャストの阿部さんと阿澄さんを入れ替ぐふぉ!!」
阿澄「お前のせいか!!」
伊藤「阿澄さん落ち着いて!」ガシッ
- 12 : 2012/02/03(金) 23:55:46
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阿澄「……そもそも、実写化なんて話聞かされてないんだけど」
井口「ドッキリみたいなもんだからね、二人には知らせてないんじゃないかな」
伊藤「それで、何時から撮影なんですか?」
井口「それがね、実はm」
ピンポーン
阿澄「はいはーい、今開けますよっと」ガチャッ
伊藤「おはようございます」
阿澄「うわっ……伊藤が二人」
伊藤「はい?」ヒョコッ
- 13 : 2012/02/03(金) 23:56:16
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阿澄「一体何の御用ですかね?」
伊藤「本日は、そこにいる井口裕香を……渡してもらいに来ました」
井口「!」
阿澄「は、はあ?」
伊藤「大人しく差し出してくれるのであれば、何もする気はありません」チャキッ
伊藤「ど……どうしましょう?」
阿澄「どうするも何も……」チラッ
井口「…………」ブルブル
阿澄「……井口は私が守る!!」
伊藤「ほう……」
- 14 : 2012/02/03(金) 23:56:37
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伊藤「ならば、実力を行使させていただきます」ジャキン
伊藤「か、刀!?」
伊藤「お覚悟!」
阿澄「かな恵ちゃん!」ダキッ
伊藤「ふぇ!?」
阿澄「キャラチェンジ!」
伊藤「!?」
- 15 : 2012/02/03(金) 23:56:59
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伊藤「きゃ……キャラなりっ! アミュレットハート!!」
阿澄「スパイラルハート!」
伊藤「なっ!?」ゴツン
伊藤「今のうちに逃げましょう!」
井口「う、うん!」
タッタッタッ
伊藤「ここまでくれば、大丈夫ですかね」
井口「うん、そだね」
阿澄「……井口は何で追われているの?」
井口「あ、そのことなんだけど……怒らないで聞いてね?」
- 17 : 2012/02/03(金) 23:57:44
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井口「実は私がベランダに落ちた辺りから始まってたんですけど、中々言い出すタイミングが無くて」
井口「伊藤さん来ちゃったから言うに言えないし……ってあれ、パンチが飛んで来ない」
伊藤「阿澄さん、放心状態です」
井口「も、もこたーん!!」
- 18 : 2012/02/03(金) 23:58:02
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井口「落ち着いた?」
阿澄「あー……うん」
井口「あの、その……ごめんなさい」
阿澄「いや、私が井口の話をちゃんと聞かなかったのが悪い……ごめん」
阿澄「うう……それにしても恥ずかしい、穴があったら入りたい」カアッ
伊藤「で、でも! かっこよかったですよ!」
伊藤「『井口は私が守る!』って、正に漫画の主人公みたいでした!」
阿澄「」プシュー
井口「あ、とどめ刺した」
- 19 : 2012/02/03(金) 23:58:20
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能登「もし、そこのお三方」
井口「の、能登麻美子さん」
伊藤「どうしたんですか?」
能登「ええ、お金を貸していただきたいのだけれど」
井口「貸します貸します! もう何万円でも!」
能登「いえ、百円玉を一つ……うっかり財布を忘れてしまって」
井口「百円くらいならもう、普通にあげますよ」
能登「ありがとう、でも必ず返すわ。 じゃあ、またね」
伊藤「さようならー」
- 20 : 2012/02/03(金) 23:58:38
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井口「うはー、やっぱ能登さん良い声だなあ!」
伊藤「お財布忘れるなんて、意外とうっかりやさんなんですね」
井口「必ず返すってことは、また会えるってことだよね!」
阿澄「知らないよ、そんなこと」プイッ
井口「あれ、阿澄さん嫉妬ですか? 心配しなくても、私の嫁はもこた痛い!」
阿澄「違います!」
- 21 : 2012/02/03(金) 23:59:01
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井口「えっと、それでですね。 これからお話を進めなければならないのですが」
伊藤「次はどういう展開なんですか?」
井口「概略だけ述べると、今から杉田さんを倒しにいきます」
阿澄「えー、めんどくさい」
井口「まあまあ、そう言わずに」
- 22 : 2012/02/03(金) 23:59:24
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伊藤「その杉田さんは、どこにいるんですか?」
井口「あのおっきな建物」
阿澄「遠い、ダルい」
井口「いやいや! もうちょっと頑張って!」
- 23 : 2012/02/04(土) 00:00:07
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阿澄「まあいいや、ちょっと待ってて」
井口「あの……阿澄さん? 電話取り出して何をする気ですか?」
阿澄「もしもし、後藤さん? 阿澄です」
伊藤「普通に電話してますね……撮影中なのに」
阿澄「それがですね、ちょっと一人アレして欲しい人がいるんですよ」
伊藤「アレってなんでしょうね?」ヒソヒソ
井口「知らない方がいいよ……」ヒソヒソ
阿澄「ええ、では、また」ガチャッ
- 24 : 2012/02/04(土) 00:00:37
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阿澄「というわけで、なんとかなりそうです」
井口「無茶苦茶やん……」
阿澄「次は?」
井口「えっと、次は岡本さんを倒しに……ってもう電話してる!?」
阿澄「もしもし、阿澄です。 ええ、ちょっとけーじ君に頼みたいことがありまして」
伊藤「今度は藤原さんみたいですね」
阿澄「本当? ありがとうございます、それでは」ガチャッ
阿澄「次は?」
井口「あ、はい。 次は……」
以下略
- 25 : 2012/02/04(土) 00:00:56
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阿澄「さて、残すところ後一つとなりましたが」
井口「まだ始まってから二十分くらいなんですけど……」
伊藤「最後くらいは自分の力で何とかしてくださいね」
阿澄「はーい」
伊藤「それで、何をすればいいんですか?」
井口「んとね……そのね、あそこにいるお方を守りきればいいそうです」
阿部「」
阿澄「……いい年したお兄さんが女子高生の格好をしている」
- 27 : 2012/02/04(土) 00:01:16
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阿部「はぁ……帰りたい」ゲンナリ
阿澄「心中お察しします」
井口「ま、まあまあ……元気出してくださいよ!」
阿澄「張本人がそれを言うか」
阿部「もう俺なんて……ああ」
阿澄「あーあ、誰かさんのせいで」
井口「う……ごめんなさい」
阿部「不幸だ……」
伊藤「うじうじすんなーっ!!」クワッ
阿部「!?」
- 28 : 2012/02/04(土) 00:01:37
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伊藤「ちょっと女装したくらいでなんだよ! そんなんで一々落ち込んだりすんな!」
伊藤「例えどんな姿でも……どんな状況でも、役を演じきるのが声優ってもんじゃん!!」
阿部「…………そうだな。 俺、どうかしてた」
阿部「上っ面を偽れても、心にだけは嘘つけねえな」フフフ
阿澄(なんだこれ)
生天目「ふんふふーんふふーん」テクテク
伊藤「今、己の力を解き放つ時!!」
阿部「あつしのココロ、アンロック!!」
井口(ええー……)
- 29 : 2012/02/04(土) 00:01:58
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生天目「ばたんきゅー……」バタリ
井口「えー……実写版とある魔術の禁書目録、全てのプログラムが終了しました」
阿澄「お疲れ様でしたー」
伊藤「でしたー」
阿澄「かな恵ちゃん、今日は家で打ち上げしよっか」
伊藤「あ、いいですねー」
井口「ちょ、私も混ぜてよー!!」
新井「俗用多端な月を終え、いつの間にやらもう二月。 辰年と言えども、竜頭蛇尾にはならぬよう……お気をつけあそばせ」
-fin-
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