1 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:41:48 ID:SWNODUPM
立ったら書く

引用元: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1326264108/

2 : 乗っ取り 2012/02/03(金) 23:51:40 ID:BlDPEwHM
佐藤「ほら、覚えてませんか? ちょうど二年前くらいに……」

田中「ああ……とある科学の超電磁砲、だっけ。 もう二年前になるのか、改めて時の過ぎる早さを実感させられたよ」

佐藤「そうですね、年々早くなっている気がします」

田中「……それで?」

佐藤「ああ、そうでした。 その超電磁砲、とある魔術の禁書目録というライトノベルが大元なんですけど」

田中「それは知っている」

佐藤「ご存知でしたか、すいません」

田中「別に謝る必要は無いが……本題は?」

佐藤「あ、そっか。 本題、学園都市ってすごいと思いません?」

田中「まあ、そうだな」

佐藤「ですよね!」

田中「???」

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:52:15 ID:BlDPEwHM
井口「おなかへった」

阿澄「…………」ジトー

井口「いやん、そんな蔑むように見つめられたら興奮しちゃう」

阿澄「……なんで井口がベランダに引っ掛かているの?」

井口「それがさあ、玄関から入ろうとしたら開かなくて」

阿澄「井口みたいなのが入ってこれないように、鍵をかけているんです」

井口「ひどいよ! この人で無し! 今すぐ結婚しよう!」

阿澄「…………」ガラガラッ

井口「あ、ちょっと待って! 窓閉めないで! 阿澄さーん!!」

4 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:53:09 ID:BlDPEwHM
井口「入れてくれてありがと、もこたん」スリスリ

阿澄「うざい」

井口「ナイスツンデレ!」グッ

阿澄「そういうのじゃないから」

井口「ツンデレはみんなそう言うんだよっ」デコピン

阿澄「…………」イラッ

井口「分をわきまえずに調子こいてしまって、誠に申し訳ございませんでした!」ドゲザ

阿澄「それで、何しに来たの?」

井口「もこたんと愛を育みに」キリッ

阿澄「何しに来たの?」

井口「……はい、実はですね」

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:54:06 ID:BlDPEwHM
阿澄「適当なこと言ってっと殴るよ?」

井口「いや、それなんてご褒ぐはっ!」チーン

阿澄「やれやれ、やっと静かになった」

ピンポーン

阿澄「……と思ったらこれか、居留守居留守」

ピンポーン
ピンポピンポピンピンピンピン

阿澄「うるせぇ!!」ガチャッ

伊藤「あ、ごめんなさい……」ションボリ

阿澄「かな恵……ちゃん?」

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:54:27 ID:BlDPEwHM
阿澄「ど、どうちたの? 何か御用でちゅか?」

伊藤「ええ、実は……」

井口「んでっんでっんでっ」

伊藤「んでっんでっんでっ」

阿澄(最近の若い娘はようわからん……)

伊藤「井口さんに呼ばれまして」

井口「私が呼びました!」

阿澄「偉い、褒めてつかわす」ナデナデ

井口「えへへー」

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:55:06 ID:BlDPEwHM
阿澄「……蹴り飛ばすから、動くなよ」

井口「いや、ちょっと話を聞いぃぃん!!」

伊藤「だ、大丈夫ですか!?」

井口「わ……我々の業界では、ご褒美です」

伊藤(少なくとも私は違う……)

阿澄「井口、君はついさっき主人公は男女一対だと言ったはずだが」

井口「ええ、確かにその通りでございます」

阿澄「…………」ゲシッゲシッ

井口「ま、待って! これには深い事情が……ひぁんっ!!」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:55:26 ID:BlDPEwHM
————

一年前

井口『ふっふーん! 今日のお仕事終っわっりー!』

井口『ん? 何だこれ』

井口『実写版禁書目録? へぇ、こんなのやるんだ』

井口『……ちょっと悪戯しちゃお』ニヤリ

————

井口「という風に、キャストの阿部さんと阿澄さんを入れ替ぐふぉ!!」

阿澄「お前のせいか!!」

伊藤「阿澄さん落ち着いて!」ガシッ

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:55:46 ID:BlDPEwHM
阿澄「……そもそも、実写化なんて話聞かされてないんだけど」

井口「ドッキリみたいなもんだからね、二人には知らせてないんじゃないかな」

伊藤「それで、何時から撮影なんですか?」

井口「それがね、実はm」

ピンポーン

阿澄「はいはーい、今開けますよっと」ガチャッ

伊藤「おはようございます」

阿澄「うわっ……伊藤が二人」

伊藤「はい?」ヒョコッ

13 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:56:16 ID:BlDPEwHM
阿澄「一体何の御用ですかね?」

伊藤「本日は、そこにいる井口裕香を……渡してもらいに来ました」

井口「!」

阿澄「は、はあ?」

伊藤「大人しく差し出してくれるのであれば、何もする気はありません」チャキッ

伊藤「ど……どうしましょう?」

阿澄「どうするも何も……」チラッ

井口「…………」ブルブル

阿澄「……井口は私が守る!!」

伊藤「ほう……」

14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:56:37 ID:BlDPEwHM
伊藤「ならば、実力を行使させていただきます」ジャキン

伊藤「か、刀!?」

伊藤「お覚悟!」

阿澄「かな恵ちゃん!」ダキッ

伊藤「ふぇ!?」

阿澄「キャラチェンジ!」

伊藤「!?」

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:56:59 ID:BlDPEwHM
伊藤「きゃ……キャラなりっ! アミュレットハート!!」

阿澄「スパイラルハート!」

伊藤「なっ!?」ゴツン

伊藤「今のうちに逃げましょう!」

井口「う、うん!」

タッタッタッ


伊藤「ここまでくれば、大丈夫ですかね」

井口「うん、そだね」

阿澄「……井口は何で追われているの?」

井口「あ、そのことなんだけど……怒らないで聞いてね?」

17 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:57:44 ID:BlDPEwHM
井口「実は私がベランダに落ちた辺りから始まってたんですけど、中々言い出すタイミングが無くて」

井口「伊藤さん来ちゃったから言うに言えないし……ってあれ、パンチが飛んで来ない」

伊藤「阿澄さん、放心状態です」

井口「も、もこたーん!!」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:58:02 ID:BlDPEwHM
井口「落ち着いた?」

阿澄「あー……うん」

井口「あの、その……ごめんなさい」

阿澄「いや、私が井口の話をちゃんと聞かなかったのが悪い……ごめん」

阿澄「うう……それにしても恥ずかしい、穴があったら入りたい」カアッ

伊藤「で、でも! かっこよかったですよ!」

伊藤「『井口は私が守る!』って、正に漫画の主人公みたいでした!」

阿澄「」プシュー

井口「あ、とどめ刺した」

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:58:20 ID:BlDPEwHM
能登「もし、そこのお三方」

井口「の、能登麻美子さん」

伊藤「どうしたんですか?」

能登「ええ、お金を貸していただきたいのだけれど」

井口「貸します貸します! もう何万円でも!」

能登「いえ、百円玉を一つ……うっかり財布を忘れてしまって」

井口「百円くらいならもう、普通にあげますよ」

能登「ありがとう、でも必ず返すわ。 じゃあ、またね」

伊藤「さようならー」

20 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:58:38 ID:BlDPEwHM
井口「うはー、やっぱ能登さん良い声だなあ!」

伊藤「お財布忘れるなんて、意外とうっかりやさんなんですね」

井口「必ず返すってことは、また会えるってことだよね!」

阿澄「知らないよ、そんなこと」プイッ

井口「あれ、阿澄さん嫉妬ですか? 心配しなくても、私の嫁はもこた痛い!」

阿澄「違います!」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:59:01 ID:BlDPEwHM
井口「えっと、それでですね。 これからお話を進めなければならないのですが」

伊藤「次はどういう展開なんですか?」

井口「概略だけ述べると、今から杉田さんを倒しにいきます」

阿澄「えー、めんどくさい」

井口「まあまあ、そう言わずに」

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/03(金) 23:59:24 ID:BlDPEwHM
伊藤「その杉田さんは、どこにいるんですか?」

井口「あのおっきな建物」

阿澄「遠い、ダルい」

井口「いやいや! もうちょっと頑張って!」

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:00:07 ID:/HycsTJI
阿澄「まあいいや、ちょっと待ってて」

井口「あの……阿澄さん? 電話取り出して何をする気ですか?」

阿澄「もしもし、後藤さん? 阿澄です」

伊藤「普通に電話してますね……撮影中なのに」

阿澄「それがですね、ちょっと一人アレして欲しい人がいるんですよ」

伊藤「アレってなんでしょうね?」ヒソヒソ

井口「知らない方がいいよ……」ヒソヒソ

阿澄「ええ、では、また」ガチャッ

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:00:37 ID:/HycsTJI
阿澄「というわけで、なんとかなりそうです」

井口「無茶苦茶やん……」


阿澄「次は?」

井口「えっと、次は岡本さんを倒しに……ってもう電話してる!?」

阿澄「もしもし、阿澄です。 ええ、ちょっとけーじ君に頼みたいことがありまして」

伊藤「今度は藤原さんみたいですね」

阿澄「本当? ありがとうございます、それでは」ガチャッ

阿澄「次は?」

井口「あ、はい。 次は……」

以下略

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:00:56 ID:/HycsTJI
阿澄「さて、残すところ後一つとなりましたが」

井口「まだ始まってから二十分くらいなんですけど……」

伊藤「最後くらいは自分の力で何とかしてくださいね」

阿澄「はーい」

伊藤「それで、何をすればいいんですか?」

井口「んとね……そのね、あそこにいるお方を守りきればいいそうです」

阿部「」

阿澄「……いい年したお兄さんが女子高生の格好をしている」

27 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:01:16 ID:/HycsTJI
阿部「はぁ……帰りたい」ゲンナリ

阿澄「心中お察しします」

井口「ま、まあまあ……元気出してくださいよ!」

阿澄「張本人がそれを言うか」

阿部「もう俺なんて……ああ」

阿澄「あーあ、誰かさんのせいで」

井口「う……ごめんなさい」

阿部「不幸だ……」

伊藤「うじうじすんなーっ!!」クワッ

阿部「!?」

28 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:01:37 ID:/HycsTJI
伊藤「ちょっと女装したくらいでなんだよ! そんなんで一々落ち込んだりすんな!」

伊藤「例えどんな姿でも……どんな状況でも、役を演じきるのが声優ってもんじゃん!!」

阿部「…………そうだな。 俺、どうかしてた」

阿部「上っ面を偽れても、心にだけは嘘つけねえな」フフフ

阿澄(なんだこれ)

生天目「ふんふふーんふふーん」テクテク

伊藤「今、己の力を解き放つ時!!」

阿部「あつしのココロ、アンロック!!」

井口(ええー……)

29 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/04(土) 00:01:58 ID:/HycsTJI
生天目「ばたんきゅー……」バタリ

井口「えー……実写版とある魔術の禁書目録、全てのプログラムが終了しました」

阿澄「お疲れ様でしたー」

伊藤「でしたー」

阿澄「かな恵ちゃん、今日は家で打ち上げしよっか」

伊藤「あ、いいですねー」

井口「ちょ、私も混ぜてよー!!」



新井「俗用多端な月を終え、いつの間にやらもう二月。 辰年と言えども、竜頭蛇尾にはならぬよう……お気をつけあそばせ」

-fin-

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