- 1 : 2013/09/03(火) 23:21:54.66
-
男「いや、ボクら生徒会の集まりで文化祭の打ち合わせしてるんですよ?」
女「そんなことは百も承知だよ。
けれど、今日は夏休み返上して学校に来てるのに会長である私と書記のキミしかいないんだよ?」
男「まあそれはそうですけど。
だからこそ少しでも打ち合わせをきっちりやっておいて次の議会で話がスムーズに進行するようにするべきなんじゃ」
女「家族旅行だの、塾だの、まあそりゃみんな忙しいのはわかるんだけどさ」
男「先輩だって今年、大学受験でしょ?
生徒会にウツツをぬかしてていいんですか?」
女「まあ高校生活最後の思い出作りなんだし、ハリキってもバチは当たらないと思うよ」
男「だったらその思い出作りのために話し合いをがんばりましょうよ」
女「それとこれとはべつなの」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378218114
引用元: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378218114/
- 2 : 2013/09/03(火) 23:30:25.74
-
男「えー」
女「いいじゃん。なんせまだ午前中だよー?
私とふたりっきりでコワイ話しできるなんて嬉しくないの?」
男「いやその、なんていうかですね......」
男(オレとしては先輩とふたりっきりなのはかなり嬉しいことだ。
だけど、どうせならまだ十時過ぎなんだし昼までに会議を終わらせてメシ食いに行くなりなんなりしたいんだけどなあ)
女「もしかしてコイバナのほうがしたいとか?」
男「なんでいきなりそういう話になるんですかね。
顧問の......なんか名前忘れちゃいましたけど、先生がこの状況を見たらボクら怒られますよ?」
女「それなら大丈夫だよ。今日は先生も生徒会のほうじゃなくて部活のほうに行ってるらしいから。
私たちのジャマをする人はいないよ?」
男「......」
女「ね? いいでしょ? コワイ話させてよー」
- 4 : 2013/09/03(火) 23:39:18.48
-
男(イヤだと言っても、意地でも先輩は話そうとしてきそうだなあ)
女「もしかしてホラー苦手なの?」
男「んー、たぶんそんなことはないと思うんですけどね。
ホンコワぐらいじゃビビりませんよ、たぶん」
女「ふーん。まあ安心してよ。私の話は幽霊が出てくる話ばっかじゃないからさ」
男(なんだろ。今の言い方、まるで話がひとつじゃ終わらなさそうな感じなんだけど)
女「ほんとに大丈夫? 夜中に『うぇーん先輩コワくてねれませーん』とかならない?」
男「なりませんって。ていうか話早くしてくれないと帰りますよ?」
女「あーごめんごめん。おねがいだから帰らないでね」
男「じょーだんですよ。それで? どんな話を聞かせてくれるんですか?」
女「最初の話はね。ある女子大生が素敵なバイトをする話なの」 - 5 : 2013/09/03(火) 23:42:19.18
-
※
1
こみ上げてくる吐き気にみっともないと思いつつも道路にしゃがみこんだ。
襲いかかってくる嘔吐感をおさえるために深呼吸するも、都会のよどんだ空気はワタシの気分をより鬱蒼とさせるだけだった。
いっそのことここで全部もどしてしまおうか。そうすれば少しはらくになるだろう。
「サイアクっ......」
吐き出すようにそうつぶやいてふと、夜空を見あげる。
よどんだ夜空に取り残されたように雲がひとつだけ浮いていて、なぜかそれに奇妙な親近感を覚えた。
しばらくしゃがみこんでいたせいか、少しだけ気分がよくなった。
いつまでも道路にしゃがみこんでるのはみっともない、そう思ってワタシは腰をくあげた。
もちろん誰も自分のことを見ていないことなんてわかっていた。
少し歩くと電車が線路の上を走る音が聞こえてきた。
若者の街。
今ワタシがいる場所は一般的にそう呼ばれてる。
その名にふさわしい数の若い人間が夜中にもかかわらずあちらこちらにいた。
いったいコイツらはなんの目的があってこんなとこにいるのだろうか。自分のことを棚にあげてそんなことを思った。
ムダにでかい声でダベってる集団。
スマホをいじって壁によりかかってるヤツ。
うつむいたまま足早に駅に向かう人。
まあ、ワタシもはたから見れば同じように見えるのだろう。
実際ワタシはサークルの飲み会の帰りでこの街にいる目的なんてこれっぽちもなかった。
というか、サークルの飲み会になんて行きたくなかったのだからそういう意味では最初から目的なんてなかったのだろう。 - 6 : 2013/09/03(火) 23:48:53.04
-
そもそも大学生の飲み会なんていったいなんの意味があるのだろうか。
本来ならトピック過多なキャンパスライフを送るワタシたちはそこそこに話すことはあるはずなのだ。
ましてサークルのメンツはある程度の馴染みがあるというのに。
やることと言ったら居酒屋の一角を陣取って時間と肝臓をすり減らすだけのアルコール摂取合戦。
満足な会話もせず、会話の代わりにジョッキをかわして煽られるまま酒を飲む。
あげくのはてに酔いつぶれて戻すもん戻してなんの意味があるというのか。
そしてそんなムダだとわかっていることを流されるまましているワタシはいったいなんなんだろうか。
いまだに足どりはおぼつかなかったけど、だいぶは気はまぎれてきた。
駅が近づくにつれて人が増えてくる。 - 8 : 2013/09/03(火) 23:58:44.90
-
「んん?」
道路をはさんだ駅の向かい側の道にはたくさんの店が一列に行儀よく並んでいる。
その店のひとつであるパスタ屋はワタシのお気に入りのところだった。
その店を食い入るように見ている女の子がいた。
遠目からだしワタシはそんなに目がよくないので断言できないけどたぶん、歳は同じくらいだと思う。
もちろんこんな時間だ。
すでに店は閉店しているし、そうじゃなくてもなんだかその女の子はヘンだった。
ただし、ヘンというのは女の子の外見が奇抜だとかそういう意味ではない。
むしろどちらかと言えばその女の子は地味でこれといって目をひくようなところはなかった。
女の子は店を正面を見ているのではなく、側面を見ていた。
より正確に言えば店の側面側の壁を見ているのだろう。
なにをそんなに真剣に見てるんだろ。
- 78 : 2013/09/07(土) 23:45:56.14
-
「それもそーなんですけど、その前にもう一つ知っておきたいことがあります」
「なにかな?」
「イトウさんはどうやってワタシのことを知ったんですか?
あのおじさん......名前なんだったけ?」
「カワグチさんのことかな?」
「そう、その人からワタシのことを聞いたんですか?
ていうかそれ以外にワタシのことを知る方法はないと思いますけど」
イトウさんはメガネの縁を持ち上げると得意げに言った。
「いーや。キミのことはカワグチさんから聞く前から知っていたよ。
まあ知っていたというよりは、見たと言ったほうがいいのか。
ていうかカオルコちゃん。
キミも本当ならボクのことを知っているはずだし、てっきりボクはキミがボクの顔を見たら「あっ!!」って叫ぶと思ってたよ」
- 132 : 2013/09/10(火) 00:48:31.27
-
女「......って、こんな感じの話なんだけどどうだった?」
男「長いですね」
女「......」
男「あ、いや、その、ええ......面白かったですよ?」
女「あのねえ。普通は先にそっちを言うものでしょ?
まあ、そりゃちょっとは長いかなあとは思ってたけどさ」
男「いやでもまあ、そこそこ聞き応えはあったと思いますよ。
オレはけっこう怖いと思ったし......
ただ、ふたつ気になるっていうか明かされていないことがあると思うんですけど」
女「へえ、ところどころボカしたけどそのボカしに気づくぐらいには話を聞いてくれてたんだね。
いいよ、特別に質問タイムを設けてあげましょう。ズバリ、なんなのかな?」 - 133 : 2013/09/10(火) 00:53:45.11
-
男「この話では人形に誓いをしてそれを破った人が死ぬんですよね?」
女「まあ、うんそんな感じ」
男「そんな感じって、えらいあやふやな物言いですね......まあいいや。
でも、だとするとカオルコちゃんが死んだのはわかるんですけど......これ、イトウさんも死んでるんですよね?」
女「うん、カオルコが死ぬ直前にね。
それがどうかしたの?」
男「それで二人がそれぞれした誓いを改めて考えるとこれ、ほぼ間違いなく両方死にますよね?
なんか救いがないなあって思ったんですけど.....
」
女「ううん、そんなことないよ。両方とも助かる方法はいちおうあったよ」
男「え? でもどうやって?
だってイトウさんが生き残るにはカオルコと付き合う必要があった。
この時点で無理じゃないですか? あ、でもイトウさんが別の女性と付き合えばよかったのか...... ?」
女「ちがう!」
男「ちがうんですか?」
女「いや、間違ってはいないよ。
でもそれだとストーリー的におもしろくないでしょ?」
- 134 : 2013/09/10(火) 01:01:55.74
-
男「ストーリー的には、ねえ。
それで答えはなんですか? どう考えたって無理なような気がしますけど」
女「誓いの内容を思い出せば簡単でしょう。
カオルコがした誓いは『恋をしない』なんだよ?
だったらさ、文字通り恋をしなければいいんだよ、恋をしなきゃなにしたってよかったんだよ』
男「......えーと、いまいちピンと来ないんですけどつまりどういうことですか?
それだと結局イトウさんが......」
女「だからカオルコの場合つきあうのはアウトじゃないんだよ。
誰かのことを好きになるのがアウトなんであって、好きにならずにイトウさんとつきあえばそれで問題は解決したんだよ」
男「......?」
女「あーもう、このナゾはやめ!
次の話にしよう、次に気になってたことを教えて!」
男(本気でよくわからんけど、まあいいや)
- 135 : 2013/09/10(火) 01:08:45.13
-
男「ていうか、カオルコの誓いって『仕事において』恋をしないって内容でしたけど誓いを破ったことになるんですね?」
女「あー、それあんまり深く考えてなかったけど。
サクラとしての仕事をしていて、サクラとはいえ男性会員と知り合ってそこから恋をしたんだからまあいいんじゃない?」
男「てきとーですね。
えっとじゃあもう一個の質問です。
結局あの、カオルコをストーキングしてた犯人って誰だったんですか?」
女「あれ? 答言ってないっけ?」
男「いや、なんかそれっぽいことは言ってましたけど。
はっきりとは言ってないですよね、犯人のこと」
女「犯人はイトウさん」
- 136 : 2013/09/10(火) 01:13:42.40
-
男「え? やっぱりイトウさんが犯人なんですか?」
女「うん、そんなに意外かな?
べつにホラーな話ではあってもミステリー話でもないかはあの犯人は全然重視してなかったけど」
男「いや、でもイトウさんが犯人だとしたらなんでそんなことを?
カオルコとつきあうのが目的だったんですよね?
だとしたらそんなことをする必要なんてないんじゃ......」
女「今キミはキミのナゾに対する解答を言ったよ」
男「......どういうことかよくわかんないです」
- 137 : 2013/09/10(火) 01:21:16.23
-
女「イトウさんはもはやなりふり構ってられなかったんだよ。
期間内.....って、まあこれワタシも厳密に決めてないから曖昧なんだけど。
期間内に誰かとつきあう必要があったけど、そんな簡単につきあえたら苦労ないよね?」
男「まあそりゃそうですね。
イトウさんがすげープレイボーイでもないと厳しいかもしれないですね」
女「だとしたらカオルコが最後のチャンスだと考えるじゃん?
でもつきあう以前にまずコミュニケーションがとれる場がなかったらそれどころじゃないでしょ?」
男「.....もしかしてあのストーキングをしてカオルコを追いつめたのは.....」
女「そう、自分を頼らせて少しでも多くの時間を過ごさせようとしたの。
それにあのとき電話をかけたのはイトウさんだったでしょ?」
男「よくよく考えたらタイミングよすぎだろとか思ったけどそういうことだったんですね」
女「まあほかにもアレにはもうひとつねらいがあって、怖がらせることで自分を頼らせて惚れさせるっめねらいもあったんだよ」
男「なんかイトウさんの株がダダさがりなんですけど」
- 138 : 2013/09/10(火) 01:31:58.57
-
女「たしかにね。まあフタをあけたら......なんて話は珍しくないでしょ?
ていうか本人の語りでも自分はクズだって言ってたしね」
男「ふーむ、なるほど」
女「まあこんなところかな?
なんだかんだ長くなっちゃったね。お昼の時間だ」
男「うーん、でもほかにもレミがお兄ちゃんであるイトウさんを恨んでる理由とか色々ナゾが残ってますよ?」
女「うーん、それよりお腹すかない?」
男「まあ空きましたけど」
女「じゃあ、話を聞いてくれたお礼になにかおごってあげる」
男「本当ですか!? あ、でも生徒会活動は......」
女「あとでいいじゃん、お昼食べてからにしよう」
男「まあ会長がそれでいいって言うならいいですよ。
あ、本当に奢ってくれるんですか? 店についたとたん却下とかなしですよ」
女「そんなことするわけないでしょ? それに......」
男「?」
女「守れない約束なんてはじめからしないよ?」
第一話 おわり
- 139 : 2013/09/10(火) 01:33:50.83
-
これで一個目の話「恋とバイト少女と人形」はおわりです
また明日 - 145 : 2013/09/10(火) 20:09:17.69
-
男(夏休み、補習に生徒会活動と意外と学校に来る機会があるなあ。
まあこの前のクラスの連中との大阪旅行で、オレの夏休み前半のイベントは終わってヒマだからべつにいいんだけど。
とりあえず生徒会室で明日の補習プリントやって帰るか)
男「……あ、先輩」
女「あれ? 今日は生徒会活動ないのになんで学校にいるの?」
男「今日は夏季補習だったんですよ。
そういう先輩こそなんで学校なんて来てんですか?
職員室から出てきたってことは、つまりはそういうことなんでしょうけど」
女「私は先生に論文見てもらってたの」
男「論文? 論文ってよくわかんないですけど受験にいるんですか?」
女「キミも受験は人ごとではないはずなんだけどなあ。
もちろん普通の一番受験なら論文なんていらないと思うよ。
私は推薦だから一時試験と二時試験でそれぞれで小論文やらなきゃいけないの」
男「推薦かあ、先輩は成績よさそうですもんね」
- 146 : 2013/09/10(火) 20:16:23.29
-
女「キミは受験どーするの……って考えてないよねどう考えても」
男「失礼だなあ、まあおっしゃる通りすぎて言い返せないんですけどね。
あ、でも特別悪いわけでもないんですよ?」
女「ふーん、まあもし受験のことについて聞きたかったら私に聞いてくれていいよ?」
男「いえ、先輩に聞くなら先生に聞きます」
女「せっかくこの私が教えてあげるって言ってるのに。
それはそうとこれからなにか予定ある?」
男「生徒会室で明日の補習のプリントやってこうと思ってたんですけど。
女「お昼まだだったから一緒に食べようと思ったんだけど……ダメ?」
男「いやいや! いいですよ。べつに今日ヒマだから予習しようとしていただけですしね。
むしろ先輩のほうがいいんですか、ボクとご飯なんか食べてて」
女「お昼ぐらいはゆっくり食べないと私、パンクしちゃうよ」
男「じゃ、どこかで外食しましょっか?」
女「ここらへんだと近くにあるのがデニーズかサイゼしかないけど、サイゼのほうが安いからそっちでいいよね?」
男「おまかせしますよ」
- 147 : 2013/09/10(火) 20:25:08.83
-
♪
女「さて、注文も終わったところで。
実はどうしても聞いてもらいたい話があるんだ」
男「……もしかして、いや、もしかしなくてもこの前聞かせてもらったホラー話のようなものをまた……」
女「せーかい、よくわかってくれたね。
この前話を聞いてもらったときに思ったんだけどキミって意外と聞き上手だなって思ったの」
男「褒めてもらうのは嬉しいんですけど。
いや、なんかほかの話題ないんですか……ないみたいですね」
女「物分かりのいい後輩をもてて私は嬉しいなあ。
まあこの前よりは絶対話の長さは短いから安心して」
男「まあそこまで言うなら。
ちなみに今回はどんな話なんですか?」
女「今回の話はもし大学に受かって東京に行くことになったら一人暮らしとかするのかな、とか考えてたら浮かんだ話なんだ」
男「はあ……」
女「新しいお家にはご用心、って感じのお話だよ」
- 148 : 2013/09/10(火) 20:32:20.32 ID:tATD4N/wO
-
※
1
晴れて大学一年生になった私は地元を出て寮暮らしを開始した。
私は最初は一人暮らしをしようと意気込んでいたし、そのための準備も受験が終わったとほとんど同時に開始していた。
でもお父さんとお母さんは私の一人暮らしに反対した。
慣れない土地と大学生活で満足に一人暮らしができるのか。
そういう風にろくに家事もしたことがない娘を心配したらしかった。
私としてはやればなんとかできると思っていたのでけっこうその心配にはムカついた。
まあ大学費用とか生活費を出してくれるのは両親なので最終的には親の言葉に渋々従ったけど。
両親が私に薦めたのは朝と夜の食事付きで門限ありの男子禁制の学生寮。
ひとりっ子の私は箱入りとまでは行かないけどそこそこ大事に育てられた。
そのことにはけっこう感謝している、これは本音だ。
- 168 : 2013/09/11(水) 23:42:44.97
-
サトコにからかわれたくないという理由で、こっそりとレミちゃんに相談した私だったが結果的には私がサトコをからかっていた。
私も内心で「素敵でオシャレな部屋を作るぞ!」と心の中でグッと決意の拳を握った。
「私も学校はじまるまではあんまり用事がないからよかったら手伝わせてね」
相変わらずおっとりとした口調のレミちゃんだったけどなんだかすごく頼もしく見えた。
「じゃあさっそくあたしの部屋の片付けを手伝って!」
「自分でやれ!」
私たちのくだらないやりとりにレミちゃんが楽しそうに笑った。
- 185 : 2013/09/12(木) 22:55:16.56
-
「リュウトウダビ……その単語は知らないけど、ていうかそういう問題じゃない。
とにかく、今後私の部屋でお菓子とか食べたらきちんと食べ終わったあと、ゴミは持ち帰ってよ」
「へいへい」
いかにもめんどくさげな言動がさらにさらに腹立つ。
とりあえず私はご飯と一緒に苛立つ気持ちを飲みこむことにした。
サトコより先に食事を終えて私はさっさと部屋に戻って寝ることにした。
まだご飯を食べていたサトコが「先に行くなよ、まってよー」と引き止めたが私は無視した。
意味もわからずイライラしていた私だったが綺麗な部屋に戻ると幾分か気分もよくなった。
自分だけの城に帰ってきた、そんな気分だった。
「……?」
しかし、ふと視界の片隅がぼやけているようなそんなあやふやな違和感を覚えて私は首を傾げた。
しばらく部屋を見回してその違和感の正体に気づいた。
ベッドの位置がだいぶズレていたのだ。
どうやら昨日の祝賀会でサトコが暴れたりしているうちに動いてしまったのだろう。
- 201 : 2013/09/13(金) 00:49:22.19
-
※
女「……って感じのお話だったんだなあ。
あれれ? どうしたの、なんだかコロコロコミックを買ったら別冊コロコロコミックを買っちゃったみたいな顔してるけど」
男「たしかにそんな気分かもしれないですね。
ホラー話を聞いていたのにすごい変な話を聞かされた……そんな気分です」
女「それそのまま今のことを言ってんじゃん。
まあ確かにホラーなのかって聞かれたら頷けないタイプの話かな?」
男「ていうかホラーではないでしょ。
まあ最終的に女の子がボウズになってるだけの話ですわ」
女「ひっどーい、もう少しイイ言い方があるでしょ!
あ、でもそのキャッチコピーがついた小説だったら私なら買っちゃうかも」
男「ボクは買いませんね」
女「なんだか気が合わないなあ。
今回の話で質問は……ないね、その顔は疑問をこれっぽっちも感じてないね」
男「いや、実は前回から通して気にしていることがありましたけどまあそれはまた今度で」
女「せっかくだから答えてあげようと思ったのになあ、質問」
- 202 : 2013/09/13(金) 01:01:31.86
-
男「しいてあげるならば、なんでこんな話を書いたかですけど」
女「とっさに思いついただけだからね。
悪いけどその質問には答えられないかな。
あ、ちなみに今回の主人公のマコは死んではいないよー」
男「それはよかったです。
まあとりあえずご飯も食べ終わりましたし、お店出ます?」
女「あ!」
男「どうしました、未来少年コナンと名探偵コナンのDVDを間違えてレンタルしてきたみたいな声出して」
女「未来少年……なにそれ?
ていうかそうじゃなくて!
明後日の生徒会の集まりで新聞紙と雑巾もってきてもらうこと、言うの忘れてた」
男「雑巾と新聞紙……?
なにかするんですか?」
女「え? 生徒会室の掃除だよ?」
男「……」
第二話「新しい部屋にご用心」おわり
- 208 : 2013/09/14(土) 23:06:34.95
-
女「もーすぐ妹の誕生日なんだけどなにをあげたらいいのかな?」
男「……いや、なんで僕に聞くんですか。
僕よりもあいつに詳しいのは先輩でしょう?
なにせ姉妹なんだし、二人ともすごい仲良しじゃないですか」
女「それはそのとおりだけど、こういうのって毎年やってるとだんだんよくわからなくなるもんなの。
それに二人って仲がいいんでしょ?」
男「あの……ソフトクリーム溶けちゃうんで先に食べる方に集中したいんですけど」
女「あー、露骨に誤魔化した。
なんで、誤魔化さなくてもいいじゃん?
べつに女の子と仲がいいことは悪いことじゃないんだし、むしろ男子的には嬉しいでしょ?」
男「……まあそうですけど。
でもだからと言ってあいつの誕生日になにを渡すのが正解なのかはわかんないです」
- 209 : 2013/09/14(土) 23:16:03.07
-
女「まあ、それもそーだね。
じゃあとりあえずさ」
男「はいはいなんですか?
せっかくの休日二人っきりでいるわけでして、さらにまあむあ都会の街にいるんだから楽しみましょうよ」
男(昨日、先輩からオレに電話が来て、せっかくの休日で勉強の息抜きがしたいからどこかに行こうとメールが来た。
ホイホイ誘いに乗って今日、集合場所に行ったらまさかの二人っきりだということが判明しテンション高めだったんだが……。
なんかどこか先輩は浮かない顔してるんだよなあ)
女「まあそーだね。せっかくなんだし……」
男「そーですよ、僕、先輩の行きたいとこならどこでもついていきますよ?
火の中、水の中どこでもこいですよ!」
女「じゃあとりあえずカフェ行こっか」
男「OKですよ、これからどーするかを話し合うんですね」
女「ううん、今回新たに完成した私のコワイ話を聞いてもらいたいの」
男「……はい?」
女「今回は高校のある同好会で起こる事件の話だよ」
男(……またかよお!)
- 210 : 2013/09/14(土) 23:22:14.85 ID:Kb239e5hO
-
1
僕は生まれてこの方恋というものがよくわからなかった。
漠然と人のことを好きになった経験ならあると思う。
ふとした瞬間にその女の子ことを考えてしまっていたりとか、その女の子が自分のことを好きだったらとかそんな馬鹿げた妄想をした経験ならある。
けれどそれがいわゆる恋なのかというと少し自信がない。
思春期にありがちな勘違いという可能性だってあるし、そんなことを考えてしまう程度にはその恋かもしれないものはあまりにも不確かだった。
しかし !
しかし、僕はついに真実の恋を知った!
身体中の血管が沸騰するような圧倒的な衝撃!
恋を恋として脳が認識したときに感じる、ある種の恐怖にも似た感覚に僕は本気で病院に行こうと思ったぐらいだ。
恋の病というやつだ!
しかし、これについて検診してくれる病院なんかはもちろんあるわけがない!
たとえ検診が可能だとしても僕の恋を誰かに教えたいと思わないし、いささか特殊なケースの恋であるとは恋愛ごとに対して疎い自分でもわかっているので知られたくもない。
- 211 : 2013/09/14(土) 23:29:12.45 ID:Kb239e5hO
-
だが、だからこそ僕は初めての恋を成就させたいと思った。
僕はもっと彼女のことを知りたいのだ。
僕だけしか知らない彼女が欲しいのだ。
……いや、すまない。
熱くなりすぎた、少し落ち着こう。
まだ話は続くのだから。
さて、少しだけ僕が彼女に惚れた理由に触れておこう。
と言っても実にシンプルなものだ。
僕は彼女のある状態を見た瞬間、どうしようもないぐらいの興奮を覚えた。
脳裏に焼きついて、瞼の裏に張り付き、大げさでなく僕はそれ以来日常的に彼女を幻視していた。
恋というものをよくわからない僕が性急に彼女を求めるのはだいぶ無謀だと思う。
できるかぎりきっちり準備してこの恋に挑みたい。
しかしそれと同時に、とりあえず僕はこの幻視をどうにかしたかった。
すでに恋の病に犯されつくした僕は十分おかしくなっているがこの病気はさらに悪化する可能性がある。
僕にはこの病に対する特効薬が必要なのだ。
もういっそうのこと、この恋心に身も心も焼かれてしまいたいぐらいだったがそれは無理なねがいというもの。
だが恋の病のタチの悪さは困ったことに僕を疑心暗鬼もしている。
当然だ、彼女は最高の女だ。
- 263 : 2013/09/17(火) 01:55:26.18
-
今回はここまで
また明日
第三話「恋と人形のミステリー」
>>210ら
- 306 : 2013/09/19(木) 23:10:51.74
-
女「まあ、こんなところだけど……面白かった?」
男「ええ、僕は今回の話が一番面白かったですよ
推理もの好きですしね」
女「じゃあ今まで聞いたどの話よりも?」
男「え? まあ、そうですね……」
男(今まで聞いたどの話よりも、とか言われてもそんなに話を聞かされたわけでもないのにな)
女「本当の本当?」
男「は、はい……それはもう」
- 307 : 2013/09/19(木) 23:18:37.79
-
女「そっかあ、今まで聞いたどの話より面白いんだねー。
ふふっ、嬉しいなあ」
男「なんでですか?」
女「いや、まあ私もじょじょに進化してるのかと思ったからだよ」
男「……」
女「まあそれじゃ長い話に付き合ってもらったし、次はキミの行きたいところに連れて行ってあげる。
どこ行きたい? カラオケ? ダーツ? あ、久々にボーリングもいいかも」
男(なんだろう、今感じだ奇妙な気持ちは。
まあ単なる勘違いっていうか思い過ごし、かな……)
男「じゃあまずはカラオケ行ってボーリング行ってダーツ行ってバッセン行きましょー!」
女「えー、私しんじゃうよー」
男「いいからいいから!
明後日からはいよいよ文化祭準備の最終日なんですし、今日はハメはずしましょー!」
女「それもそうだね、それじゃハメはずしちゃおう!」
- 308 : 2013/09/19(木) 23:22:23.27
-
第三話「恋と人形のミステリー」
>>210304
終わり
今日はここまでまた明日 - 312 : 2013/09/20(金) 22:10:09.26
-
男(いよいよ明日は文化祭なわけだが、オレたち生徒会、及び文化祭実行委員のメンバーは昨日と今日と泊まり込みで作業していた。
怒涛の二日間は忙しすぎたせいかあっという間に過ぎて残すは明日と明後日の本番のみである。
そんでもって今は作業を全て終えたあとの自由時間。
オレは先輩と二人っきりで生徒会室で最後の文化祭の打ち合わせを終えて雑談をしているところだった。
夜の校舎と二人っきりの男女……なんてステキなシチュエーション!)
女「いよいよ明日は文化祭、だね」
男「まあ文化祭準備もずいぶんと長かったですよね。
夏休み頭から今日まで……まあそれも今日までだ」
女「んー、それにしても昨日から泊まり込みだけど、ここの校舎って汚いよねー。
昨日なんか廊下を普通にゴキブリが歩いてたからビックリしちゃった」
男「まあこの学校で改装工事とか色々してるのは、先輩たちみたいな一部の進学クラスの校舎だけですからね。
毎年文化祭は広いからって理由でこのオンボロ校舎でやりますけど……こっちも改装したらいいのに」
女「ある意味趣があると言えなくもないけどね」
男「七不思議の一つや二人つあってもおかしくない、って感じですか?」
- 313 : 2013/09/20(金) 22:14:18.83
-
女「それは私のコワイ話へのフリなのかな?
頼まれたらいくらでもしちゃうよ、私」
男「なんか今夜は興奮してるんでいくらでも話聞いてもいいかなあ、って気分なんでいいですよ」
女「なに、もしかして私と二人っきりでその上夜の校舎だからってエッチなこと考えてるってこと?
うわあ、やらしいなあ。さいてー」
男「ちがいますよ!
興奮っていうのは明日が文化祭だからですよ!」
男(まあ先輩が言ってることはわりと当たってるんだけど)
女「とりあえずこっから出ようよ。
あんまり夜遅くまで生徒会室使ってると先生たちに怒られちゃうし、こんな密室だと襲われたとき逃げられないし」
男「襲いませんよ。
だいたい僕は紳士ですしね、むしろ先輩のほうが僕を襲うんじゃないですか?」
女「……そうだね。
私も今少し変なキモチかも」
男「……え?」
- 314 : 2013/09/20(金) 22:20:06.89
-
女「ほんのちょっとだけだよ、本当にちょっぴり。
とりあえず校舎周りぶらぶらしない?
夜の学校ってコワイけどなんだかワクワクするし」
男「もしかして幽霊に会えるかもしれないですね」
女「幽霊は出てこられるとちょっと困っちゃうなあ。
私、幽霊苦手だし。
幽霊が出たら頼むよ、助けてね」
男「まあ、努力はしますよ」
男(今、この状況ならあの時の話をしてもいいかもしれない。
いや……)
女「どうしたの、えらい深刻そうな顔してるけど。
もしかして幽霊、コワイ?」
- 315 : 2013/09/20(金) 22:20:51.72
-
男「怖くないですよ、っていうかそんなこと今考えてなかったです」
女「じゃあなに考えてたの?」
男「ええっと、ですね…………そうだ、僕の怖い話を聞いてくれませんか?」
女「キミがコワイ話をしてくれるの?」
男「ええ、とっておきのヤツです。
まあそんなに長くないし、サラッと終わる話なんで聞いてもらってもいいですか?」
女「いいよ、私も話を聞いてもらったし。
それに、キミがどんな話をするのか興味あるしね」
男「ありがとうございます」
- 316 : 2013/09/20(金) 22:28:54.73 ID:4kbLa1FuO
-
※
男「これは僕の実話であり、正直今でも思い出すだけで胸が痛くなる話です。
なんで今さらこんな話をしなければならないのか、そんな気持ちすら湧きそうなんですけど。
ていうかなんでこんな話を僕がしなきゃならんのだ、と話したいと言いつつ気分的にはむしろ逆なんですよね。
ああ、すみません。
前置きが長過ぎましたね、このままでは前置きの方が長い話になりかねないのでそろそろ本題へ入ります。
まあ、しかし本当に大した話じゃないしそもそも僕にとっては怖い話であり思い出話であるんですが、はたから聞くとちがう印象を持つかもしれません。
実は僕はですね、ある人が好きになったんですよ。
イヤイヤ、冗談抜きで本当にマジもんの恋ですよ。
- 320 : 2013/09/20(金) 22:48:53.33
-
さあ、いよいよ告白の答えの日です。
僕は指定された時刻の二十分前に学校につきました。
待ち合わせ場所は体育館裏、告白した場所と同じ場所です。
僕は自分の心臓のバクバクする音をかき消すようにひたすらB'zの「恋心」を聞いてました。
しかし、彼女はいつまで経っても来ないのです。
「恋心」が終わってどんどん曲が終わってきます。
でもアルバム最後の曲、「RUN」になってもまだ彼女は結局来ませんでした。
今思えば彼女にメールか電話でもするべきでした。
あの頃の僕にはそれをする勇気がなく、結局夜になるまで学校にいました。
まあ、最後はあまりに悲しくて帰ったんです。
彼女にフられるどころか、学校にさえ来てもらえなかった。
僕はその日、本気の涙で枕を濡らしました。
あの時ほど悲しかったことはたぶん、ないんじゃないかなあ。
ご飯は喉を通らないし、眠れないしで最悪の土日を過ごしました。
もう正直学校行くのやめようかと思いましたね。
ていうか実際に学校に月曜日は行かなかったですね、月曜日はどうしても彼女と会ってしまうので。
- 322 : 2013/09/20(金) 23:03:34.10
-
※
女「えっと……もしかしておわり?」
男「ええ、ここから先はどう頑張っても続かないのでこれ以上はないです。
さあ、ぜひ感想を聞かせてください」
女「え? そんなこと言われてもちょっと困るっていうかこれ本当に実話?」
男「ええ、まことに残念ながら実話も実話、完璧な実話です。
ていうかこの話、超怖くないですか?」
女「えっと、どこらへんが?」
男「だってこんなことってありますか?
僕が告白したという事実は彼女の中であたかもなかったかのようになってるんですよ!
いや、というか本当になかったんじゃないのかとすら最近では思ってしまいます」
女「まあ確かに悲しい話ではあるかもね……。
私もキミの立場なら泣いちゃってるかも」
- 323 : 2013/09/20(金) 23:05:19.15
-
男「本当に新手の男のフる方法なのかなあとすら考えちゃいますね。
……まあ、僕の話はこんなところです」
男(…………反応はなし、か)
女「なんか文化祭前日にする話じゃないねー。
まあ、元気出しなよ」
男「あ、はい。
まあもう過去の話ですから気にしても仕方ないと割り切ってますよ。
さあ、次は気を取り直して先輩の話に行きましょ」
女「そーだね、私の話で気を取り直せるかはわからないけど。
まあでも今回の話で私のコワイ話シリーズはとりあえずは終わりかな」
男「休載しちゃうんですか?」
女「だって、私、一応受験生だよ?
こういう話って考えるの楽しいけどやっぱり受験とかに影響するからさ。
明日と明後日の文化祭が終わればいよいよイベントは卒業式だけになっちゃうし」
男「まあ、確かにそうですね……」
女「だから、これが今のところの私の最後の話。
それじゃ、聞いてね」
- 328 : 2013/09/22(日) 20:58:44.13 ID:JDXH/KWRO
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1
どうしてあんな提案を受け入れてしまったのだろう。
あんなことをしなければわたしはわたしでいられたのに。
なんとなくで、レミの提案を受け入れたせいで——
「暗い顔なんかしちゃってどうかした?」
昼休み。
高校の教室。
お昼ご飯の時間。
わたしはクラスメイトのアイとお昼を食べていた。
「暗い顔って、そんな顔してる?」
「んー? 普段が目に優しくないぐらいうるさいからさ。
今日はなんか暗く見えるんだよ」
「……そっか、じゃあもしかしたらそうなのかな。
ちょっと聞いて欲しい話があるんだけど」
「まさか最近ハマり出した怪談話……ってわけじゃなさそうだね。
仕方ないな。特別にこのアイ様が話を聞いてさしあげよう」
- 365 : 2013/09/23(月) 21:41:33.39
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「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」
「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」
「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」
「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」
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「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」
「わたしは誰?」「わたしはエミ?」「わたしはレミ?」 - 371 : 2013/09/23(月) 22:15:02.49
-
女「というわけで、私のコワイ話シリーズはこれにて一時的におわりだよ。
いやあ、意外と長かったような……あ、そうでもないのかな?」
男「まあ、どうでしょうね。
でも決して短くはないと思いますけど」
女「そうだね。
さて、今回の話はどーだった?」
男「まあ、個人的に一番怖い話だったんじゃないですかね?
なんとなく一番起こりそうという意味で」
女「あはは、まあもしかしたらあるかもね。
案外身近な似ている双子や兄弟なんかがそうだっりしてね」
男「怖いなあ」
女「それで、なにか質問はあるかな?
もう遅いからそんなに長々と答えることはできないけど」
男「そうですね……じゃあ一つだけ質問いいですか?」
女「いいよん」
男「エミ先輩、あなたはホントは誰なんですか?」
- 372 : 2013/09/23(月) 22:16:02.35
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最終話「レミ」
- 373 : 2013/09/23(月) 22:21:10.44
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今日はここまでで終わります
今までの話まとめ
第一話「恋とバイト少女と人形」>>5131
第二話「新しい部屋にご用心」>>148200
第三話「恋と人形のミステリー」>>211304
第3.99話「消えた告白」>>316321
第四話「わたしは誰?」>>328370
最終話「レミ」
すべての話が独立してるのでどれから見ても大丈夫ですのでよかったら見てください
ただし最終話のみ四話から見ないとわからない仕様になっています
次回また更新します - 380 : 2013/09/26(木) 22:13:10.08 ID:UbmWN7uEO
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オレとレミは高校に入ってから知り合ったが、一年二年と同じクラスでわりと仲がいい。
レミはべつに特に変わったヤツというわけでも特別目立つヤツというわけでもない。
本当にごく普通のおとなしい女子だ。
生徒会会長として常日頃から生徒の前に立ち続け運動を好むエミ先輩。
そんな先輩とは対象的で読書好きで目立つことをあまり好まない。
口数もそんなに多い方ではないし仲良くなるまではほとんど話したことなどなかった。
しかし打ち解けると意外と話しやすいし面白いヤツだった。
オレはレミと話すのは好きだし時々彼女からオススメの本を借りたりしてる。
まあまあ仲のいいクラスメイト。
そんなレミとこんな会話をしたことがあった。
レミは確かこんな風に切り出して来た。
「誰かになりたいってそういう風に思ったことってある?」
- 393 : 2013/09/27(金) 00:10:15.43
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今日はここまでで終わります
今までの話まとめ
第一話「恋とバイト少女と人形」>>5131
第二話「新しい部屋にご用心」>>148200
第三話「恋と人形のミステリー」>>211304
第3.99話「消えた告白」>>316321
第四話「わたしは誰?」>>328370
最終話「レミ」
すべての話が独立してるのでどれから見ても大丈夫ですのでよかったら見てください
ただし最終話のみ四話から見ないとわからない仕様になっています
次回また更新します - 418 : 2013/09/28(土) 22:46:46.05
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離れる瞬間、消え入りそうな声でレミが「ごめんね」と言ったような気がしたがどうして彼女がそんなことを言ったのかはわからなかった。
レミはそれ以上視線を合わせようとせず、背後を振りった。
オレはレミに対する解答をとぼけた。
自分でもあまりにマヌケなことを言ったと思った。
どんな情報も共有してきたであろう姉にオレの告白を伝えなかったのはもっと原子的であまりに簡単な理由だ。
なにもかもを拒絶するようにオレから背いた背中はあまりに寂しげだった。
だが、そんなレミにオレがどうこう言う資格は今のやり取りでなくなってしまった。
「レミ」
だから、オレは今の話題とはまったく関係のないことを言った。
「いつかお前が先輩のふりをしてオレに聞かせてくれた話、アレはホントに面白かったよ」
オレはそれだけ言って扉を開いた、これ以上ここにいる理由はなかった。
最後にレミをもう一度だけ振り返る。
レミもこちらを振り返っていた。
窓から差し込む夕日は鳴りを潜めつつあった。
夕焼けの残照がレミを柔らかく包んでいたせいで、彼女の表情はぼやけていた。
それでもオレは目を凝らして彼女の浮かべている表情を見ようとした。
彼女の浮かべていた表情は——
- 433 : 2013/09/29(日) 00:33:52.87
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以上で 女「せっかくだしコワイ話しない?」のすべての話はおわりですり
当初予定していたのと全く違う感じで終わってしまいました
が、無事終わってよかったです
ここまで付き合って読んでくれた方ありがとうございました
各話まとめ
第一話「恋とバイト少女と人形」>>5131
第二話「新しい部屋にご用心」>>148200
第三話「恋と人形のミステリー」>>211305
第3.99話「消えた告白」>>316321
第四話「わたしは誰?」>>328370
最終話「レミ」>>380-430
もしよろしければどの話が面白かったかなどおしえてください
もしくはわかりづらい部分などの質問なども。
ほんとにありがとうございました
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