1 : 縺吶>縺吶> ◆1ArVCIsRFGGo 2015/04/05(日) 20:47:37.92 ID:y3kGLRcLO
艦これSSです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428234457

引用元: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428234457/

2 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:48:42.19 ID:y3kGLRcLO
瑞鳳「第一次攻撃隊、発艦始め!」バシュッ

陽炎「みんな、瑞鳳さんの爆撃機と攻撃隊が接近中よ! 不知火と初風、雪風、野分は輪形を形成して対空防御! 舞風と私は攻撃機を引き寄せたら一気に肉薄するわよ!」

舞風「はーい!!」

陽炎「不知火、初風。二人とも後は任せたわよ」

不知火「お任せ下さい」

初風「りょーかい。陽炎姉さんもヘマしないでよね」

陽炎「私は大丈夫よ! 陽炎型ネームシップの力を見せてやるわ!!」

不知火「陽炎は司令に夢中ですからね。頑張るのも無理ないかと」

陽炎「ちょっ!!? 不知火!!」

不知火「爆撃機が射程内に入りました。対空射撃始めます。全艦撃ち方始め」ズドン!

陽炎「後で覚えてなさいよ……舞風、あと10秒粘って一気に攻めるわよ!」

陽炎「3、2、1……突撃!!」

舞風「舞風、いっきまーす!!」

比叡「陽炎ちゃんと舞風ちゃんが急速に接近!! 瑞鳳、艦載機は!?」

瑞鳳「残っている艦載機で第二次攻撃隊を出します!! 発艦!!」バシュッ

陽炎「来たわよ舞風!更にバラけるわよ!」

舞風「うん! 取り舵!!」

陽炎「面舵!!」

瑞鳳「うっ……!?」

陽炎「不知火、初風! 突撃開始して!」
3 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:50:42.43 ID:y3kGLRcLO
不知火「不知火と野分は右を」

初風「じゃ、私と雪風は左を攻めるわ」

比叡「瑞鳳、他の4人も左右から来た!」

瑞鳳「まずはみんなで陽炎ちゃんと舞風を攻撃して!」

比叡「了解! 副砲、照準合わせ! 発射!!」ズドン! ズドン!

青葉「早い!!」

熊野「照準が上手く合いませんわ!!」

摩耶「クッソ! ちょこまかと動きやがって!!」

秋月「瑞鳳さん! もう艦載機は無いのですか!?」

瑞鳳「ごめんね……足りない……」

秋月「うぅ……」

摩耶「当たれ!! このっ!!」ズドーン!

陽炎「そんなの当たらないわ!! 不知火、初風。そっちはどう?」

不知火「雷撃ポイントに到達しました」

初風「同じく到達。早くしてくれない?」

陽炎「舞風、雷撃するわよ!」

舞風「いいよ! 陽炎お姉ちゃん!!」

陽炎「全艦、最優先目標は瑞鳳さんと比叡さん! 雷撃開始!! いっけぇ!!!」バシュッ

ズドーン!!

……………………

…………

……
4 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:51:33.90 ID:y3kGLRcLO
陽炎「あっ、司令!!」タタッ

提督「陽炎か。どうした?」

陽炎「演習が終わったわ!! 司令は見ててくれた?」

提督「勿論だ。最後まで見ていたよ」

陽炎「ねえ、どうだった? 私達どうだった?」

提督「今日の演習は陽炎の艦隊が良い動きをしていたな。あえて今回は戦艦と空母と重巡が中心の艦隊と陽炎達駆逐艦のみの艦隊で分けたが、あのような結果になるとは思わなかった。あれは陽炎の指示か?」

陽炎「そうよ! 回避に最も自身のある私と舞風が敵の正面から切り込んで残りの4人に左右から挟撃、雷撃で瑞鳳さんと比叡さんを仕留めるってね!」

提督「良い作戦指揮だった。そして作戦もなのだが、陽炎と舞風は素晴らしい立ち回りをしていた。瑞鳳航空隊の空からの攻撃と比叡達の砲撃を全て掻い潜るなんて芸当をこなすのは至難の技だぞ」

陽炎「私は陽炎型のネームシップだもの。妹達の手本になれなければ『陽炎』の名が泣くわ!」

提督「陽炎は十分頑張っているよ」ナデナデ

陽炎「エヘヘ〜」

提督「だが、精進は怠らないように」

陽炎「は〜い!」

提督「とりあえず早くお風呂に入って来なさい。髪が海水で濡れている」

陽炎「そうね。髪が傷んじゃうし、お風呂入ってくるね! じゃ、また後でね司令! 書類整理手伝いに行くから!」タタッ

………………………………。
5 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:52:17.75 ID:y3kGLRcLO
コンコン コン

瑞鳳「瑞鳳です。入って良いですか?」

提督「ああ」

ガチャ パタン

提督「報告か?」

瑞鳳「はい。今日の演習の結果について報告しに来ました」

提督「珍しく瑞鳳が慌てていたな」

瑞鳳「はい……まさかあんな戦法を取ってくるとは思ってもいませんでした」

提督「あれは陽炎が成長しているからだ。あの子はこれからも伸びるだろうな」

瑞鳳「むぅ……」

提督「どうした? 突然黙り込んで」

瑞鳳「少し嫉妬しちゃうな」

提督「事実だ。それくらいで妬くな」

瑞鳳「考えておきます」
6 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:53:03.76 ID:y3kGLRcLO
提督「話を戻すぞ。瑞鳳はどうすればあの戦法に対応出来たと考えているんだ?」

瑞鳳「それは……今だから言えることで、多分結果論になりそう……」

提督「それでもいい。聞こう」

瑞鳳「一つ目は、青葉と熊野、摩耶の火力と機動力を兼ねた3人で陽炎ちゃんと舞風ちゃんを迎撃させて、私は左舷に回り込んでいた不知火ちゃん達を、比叡は右舷に回り込んでいた初風ちゃんを迎え討つべきでした」

提督「そうだな。確かに砲火力が分散するというリスクはあるものの、雷撃をさせないように立ち回る事は出来たかもしれんな」

瑞鳳「うん。だけど、3人が陽炎ちゃん達を抑えれなかったら、もっと酷い結果になったかもしれないね」

提督「こればかりは実際にやってみないと分からない」

瑞鳳「うん……」

提督「あと、私から一つある」

瑞鳳「何が?」

提督「空母がお前一人では大変だろう。艦載機の数がやはりネックとなっている」

瑞鳳「そ、そんなことないです! 私一人でも頑張れます!」

提督「瑞鳳が努力しているのはよく分かっている。実際、軽空母でありながら正規空母以上の働きをしている。それに艦隊での練度も、陽炎や電と並びトップクラスだ」

瑞鳳「ありがとう……」

提督「だが、やはり数ばかりは努力や工夫だけでは補いようがないのも事実。ランチェスターの第二法則を知っているか?」

瑞鳳「ランチェスター?」

提督「そうだ。これは、戦闘力は武器効率×兵力数の二乗、つまり圧倒的な質量に勝るものはないということを示す訳だ」

瑞鳳「でも、戦いはそれだけでは決まらないもん……」
7 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:53:56.48 ID:y3kGLRcLO
提督「それは同感だ。この法則を全て鵜呑みにするのは愚の骨頂。しかし、この法則に一理あるのも確かだ」

瑞鳳「それは……そうね」

提督「それに加え、今は鎮守府近海と南西の一部のみだが、今後は段々と戦線を拡大していく。そうなれば戦力の補充は必要になる。ならば、育成の為にも早目に迎え入れた方がいいと思わないか?」

瑞鳳「それはそうかもね」

提督「では、空母の建造をするということでいいか?」

瑞鳳「いいよ。ただ、私を艦隊から外しちゃ嫌なんだからね!」

提督「大丈夫だ。それは絶対にない」

瑞鳳「よかった!」

提督「そうだ。もし、空母が出来た場合は瑞鳳に育成を任せたい。頼んでもいいか?」

瑞鳳「任せて! 頑張るから!」

提督「心強いな。さて、工廠に行こうか」スタスタ

瑞鳳「うん!」トコトコ

…………………………。
8 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:55:11.84 ID:y3kGLRcLO
建造妖精「ア、テイトクダー」

提督「失礼するよ」

建造妖精「コンニチハー」

瑞鳳「こんにちは」

建造妖精「キョウハナンノヨウ?」

提督「空母を一人作って欲しいんだ。出来れば正規空母だと助かるのだが」

建造妖精「ヤクソクムリー」

提督「ああ、知っているよ。出来れば、空母を作れるように頑張って欲しい」

建造妖精「シゲンー」

提督「この分建造妖精が引き出せるよう倉庫番に言っておいた」ピラッ

建造妖精「ハーイー」

瑞鳳「あ、提督。あれを渡してあげたら?」

提督「そうだな。建造妖精、これを」スッ

建造妖精「ン? ナニコレ?」

提督「間宮の羊羹だ。まあ、日頃の感謝だと思ってくれ」

建造妖精「アリガトウ!! お──ガンバル!!」

提督「ああ、頼む」

瑞鳳「じゃあ、行きましょう」

提督「そうだな」

………………………………。
9 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:56:06.27 ID:y3kGLRcLO
提督「終わったか? 建造妖精」

建造妖精「オワッター」

提督「二人? 頼んだのは一人の筈だが」

建造妖精「オマケー」

提督「資源は何処から……」

建造妖精「ヘソクリー」

提督「…………聞かなかったことにする」

瑞鳳「誰が来るんだろ?」

提督「かなり時間がかかっていたからな。正規空母だといいのだがな」

建造妖精「ジャーツレテクルー」トコトコ

建造妖精「オマタセー」

瑞鶴「翔鶴型航空母艦2番艦の瑞鶴です。貴方が提督さん?」

伊58「伊58です! ゴーヤって呼んでもいいよ! 苦くなんてないよ!」

提督「そうだ。私がこの鎮守府の提督だ」

瑞鳳「ありがとね、建造妖精さん!」

建造妖精「ドーモー」

提督「これから頼むよ、瑞鶴、伊……」

伊58「ゴーヤでち」

提督「……ゴーヤ」

瑞鶴「うん! よろしくね、提督さん!」

伊58「よろしくお願いします!」

瑞鶴「で、貴女は?」

瑞鳳「瑞鳳です。今は陽炎ちゃんと一緒に提督の秘書艦もやってます」

瑞鶴「瑞鳳って……あの瑞鳳?」

瑞鳳「はい! エンガノではお世話になりました」

瑞鶴「あの時はごめんね……私にもっと力があれば……」

瑞鳳「ううん、そんなこと無いよ。あれは瑞鶴のせいじゃないもん」

瑞鶴「うん……」

提督「感動の再会は後だ。それよりも全員に紹介をせねばならないな。行くぞ」

瑞鳳「私達に付いて来てね」

瑞鶴「分かった」

伊58「は〜い!」

建造妖精「バイバイ」フリフリ
10 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:56:38.09 ID:y3kGLRcLO
提督「今日からこの鎮守府に加わる新しい仲間だ。仲良くしてやってくれ」

瑞鶴「翔鶴型航空母艦2番艦の瑞鶴です。これからよろしくお願いします」ペコリ

伊58「巡潜乙型改二、伊54型3番艦の伊58です。ゴーヤと呼んでくだち!」ペコリ

秋月「瑞鶴さん!!」

瑞鶴「えっと……貴女は……」

秋月「秋月です! マリアナやエンガノにもお伴した!」

瑞鶴「秋月!? 久し振りだね! こんなに可愛くなって」

秋月「瑞鶴さんも凄く素敵です!」

瑞鶴「そ、そうかな?」

秋月「はい!」

伊58「あの……」

比叡「どうしたの?」

伊58「他の潜水艦はいないのかなぁ?」

比叡「うん。潜水艦は貴女が初めてなんだ」

伊58「うぅ……」

比叡「心配しなくても大丈夫! みんな優しくしてくれるよ」

伊58「そうでちか?」

比叡「勿論! ね、響ちゃん?」

響「そうだね。 ゴーヤさん」

伊58「ん?」

響「折角の第二の人生なんだ。楽しまなきゃ損だよ」

伊58「うん!」
11 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 20:57:15.38 ID:y3kGLRcLO
提督「二人はこの姿についてもう聞いたか?」

瑞鶴「えっと……あの小さい……妖精さん? から一応聞きました」

伊58「ゴーヤも聞いたよ」

提督「なら大丈夫だ。時々建造妖精は説明をし忘れたりするからな」

瑞鶴「随分と大雑把なのね」

提督「そうだな」

瑞鶴「ねえ、どうやって私は建造されたの?」

提督「分からん」

瑞鶴「教えてくれたっていいじゃない!」

提督「いや、私も知らないのだよ」

瑞鶴「そうなの?」

提督「ああ。私だけではなく他の者も誰一人として知らない。建造妖精のみが知る秘密だよ」

瑞鶴「へ〜 そうなんだ」

提督「まあ、こんな事を気にしてもしょうがない。深くは考えるな」

瑞鶴「うん、そうする」

提督「では、私は執務室に戻る。何かあれば執務室に来てくれ。他の者もこの後は自由にしてくれていい」スタスタ

瑞鳳「また明日ね、瑞鶴。貴女の部屋は私と相部屋で、そこの突き当たりにあるから」

伊58「ゴーヤの部屋は?」

瑞鳳「その通路を真っ直ぐ行って奥から2番目の部屋だけど、今は一人かな。もしも一人が嫌だったら他の人と相部屋にするから、遠慮なく言ってね」

伊58「分かったでち!」

瑞鳳「私も執務室にいるから、何かあったら来てね。おやすみ」スタスタ

陽炎「司令! 私も行く!!」トコトコ

瑞鶴「とりあえず部屋に行きましょうか」

伊58「そうでちね」

………………………………。

12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/05(日) 21:00:10.72 ID:y3kGLRcLO
提督「今日は部屋に戻って寝ても良かったんだぞ」サラサラ ペラッ

瑞鳳「そうしたら、提督が寝られないでしょ?」サラサラ

陽炎「そうよ! こんな報告書の山を一人でやってたら陽が出るわ!」ペラッ サラサラ

提督「それが私の仕事だ。それに、お前達にまで苦労をかけたくは……」サラサラ

瑞鳳「これは私達がやりたくてやってるの」ペラッ ペラッ

陽炎「そうそう! 司令と一緒にいる時間も増えるしね!」ペラッ

提督「一体私なんかの何処がいいのか……」

陽炎「全部言った方がいい?」

提督「頼むからやめてくれ……」

瑞鳳「ほら、提督も手が止まってるよ」サラサラ

提督「おっと、すまないな」ペラッ

……………………

…………

……


13 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/05(日) 21:05:56.66 ID:y3kGLRcLO
今日はこれで終わりです


>>1酉が化けましたが、正しくは『ずいずい』のこちらですので、よろしくお願いします

別スレと並行してますので、こちらは向こうがおわるまでは、比較的はゆっくり更新するつもりです

またいつか来ますね!




救いのある世界観は書いていて癒されます
17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/06(月) 03:21:39.18 ID:kpyooSuqo

もう一個ってどのスレ?
18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/06(月) 07:19:04.74 ID:gcN6FsrqO
>>17
これ

雪風「また廻り逢う時まで沈まない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426590765/
20 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/06(月) 21:40:48.30 ID:9/CcLPgvO
瑞鳳「瑞鶴、起きて。瑞鶴ったら」ユッサユッサ

瑞鶴「らめぇ……もう少し…………」

瑞鳳「わっ!!」

瑞鶴「ひゃあ!!?」ビクッ

瑞鳳「よし、起きたね?」

瑞鶴「そりゃ、驚いて跳ね起きるに決まっているじゃない!」

瑞鳳「だって起こすんだもん。おかしくないでしょ?」

瑞鶴「確かに……」

瑞鳳「ほら、起きるよ。提督が呼んでるよ」

瑞鶴「提督さんが?」

瑞鳳「うん。着替えて準備出来たら執務室に来てね?」

瑞鶴「分かった〜」

瑞鳳「じゃ、待ってるよ」

瑞鶴「すぐ行くね」

…………………………。
21 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/06(月) 21:42:37.22 ID:9/CcLPgvO
コンコン コン

提督「誰だ?」

瑞鶴「瑞鶴です」

提督「入れ」

ガチャ パタン

瑞鶴「瑞鳳に提督さんが呼んでるって聞いたんだけど?」

提督「ああ。確かに頼んだが、予想以上に早かったな」

瑞鶴「すごく急いだんだから!」

提督「それは分かる」

瑞鶴「どうして?」

提督「寝癖だ」

瑞鶴「へっ!?」バッ

瑞鶴「 あぁ!!」

提督「すまないな、急がせて」

瑞鶴「こういうらことは見ないフリをしててよ〜! ああもう! 直らない!」

提督「瑞鳳、フォローしてやれ」

瑞鳳「ちょっと難しいかも」

瑞鶴「うわ〜ん!!」
23 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/06(月) 21:44:41.47 ID:9/CcLPgvO
提督「まあいい。瑞鶴、今日はお前にやって貰いたいことがある」

瑞鶴「やって貰いたいこと?」

提督「そうだ。昨日建造されたばっかりだが、早速演習をして貰いたい」

瑞鶴「演習?」

提督「本当なら瑞鳳と組ませた方が、空母の艦娘としての動きを早く覚える事が出来るかもしれんが、あえて今回は瑞鳳の相手になって貰いたい」

瑞鶴「それはいいけど、どんなチーム分けになるの?」

提督「基本的には6対6の戦いなのだが、今回はそれぞれに水雷戦隊を6隻ずつ所属させる」

瑞鶴「水雷戦隊は普通付けないの?」

提督「ああ。演習だと付けることはまずあり得ない」

瑞鶴「ふーん。じゃあ、どうして今回は付けるの?」

提督「それはだな、今後やってみたい事があるからだ。今回の演習はそのテストという側面もある」

瑞鶴「分かった。とにかく私は瑞鳳と制空権争いをすればいいんだよね?」

提督「そこはノーコメントだ。自分で考えてやってみてくれ」

瑞鳳「演習が終わったら色々教えるから、今回はね?」

瑞鶴「分かった」

提督「一時間後の朝礼で今日の演習の編成分けを発表する。それまでの間に瑞鶴は瑞鳳に装備の更新についてレクチャーして貰いなさい」

瑞鶴「うん。よろしくね、瑞鳳」

瑞鳳「簡単だからすぐ終わっちゃうけどね。提督、行ってくるね?」

提督「ああ。頼んだぞ」

ガチャ パタン

………………………………。
24 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/06(月) 21:56:38.01 ID:9/CcLPgvO
瑞鳳「これが紫電改の艦載機版の紫電改二。で、これが幻の艦上戦闘機の烈風ね」

瑞鶴「凄い!! こんな機体見たことないよ!!」

瑞鳳「気になって色々調べたんだけど、試作機が6機しか造られなかったみたい」

瑞鶴「へ〜! 性能はどうなの?」

瑞鳳「零戦の性能を殆ど上回るの! 苦しめられた高度10000m以上の敵も迎撃可能だし、最高速度、運動性、武装も最高なの!!」

瑞鶴「これが戦時中に量産されてれば……」

瑞鳳「それはしょうがないよ……だけど、今私達が使えるんだから、これでみんなを護らないとね!」

瑞鶴「そうだね!」

瑞鳳「それでね! これが九十九艦爆!! 」

瑞鶴「あ、懐かしいね!! 彗星が出てきてからもずっとこれも残ってたし、馴染み深いな」

瑞鳳「そうだよね! それにこの子は脚が可愛いのよ! 脚が!!」

瑞鶴「それは……分からないかも……」

瑞鳳「あっ! これが流星で、これが彩雲!! 流星はこっちの流星改もあって、エンジンのトラブルもかなり少なくなっていたの!!」

瑞鶴「へ〜」

瑞鳳「それで〜」

……………………

…………

……
25 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/06(月) 21:57:24.85 ID:9/CcLPgvO
提督「全員集まったな。今日の朝礼を始める」

提督「今日は午前の遠征を無くし、大々的な演習を行う」

夕張「大々的ですか?」

提督「そうだ。いつもならば6対6の編成で実戦形式の演習をしていたが、今回は今後のテストサンプルとしての意味も加え、6対6にそれぞれ6隻の水雷戦隊を遊撃部隊として加えたいと思う」

摩耶「なかなか面白そうじゃねえか」

提督「私も色々な意味で面白い戦闘になるだろうと予想している。両軍共、旗艦の指示が最も大切になる。それがこの戦いの勝敗を分ける事になるだろう」

提督「では、編成を発表する」

提督「甲軍機動部隊。瑞鳳、熊野、摩耶、秋月、天津風、時津風。甲軍遊撃部隊。川内、電、雷、響、夕立、春雨」

提督「乙軍機動部隊。瑞鶴、比叡、青葉、夕張、伊58、浦風。乙軍遊撃部隊。陽炎、不知火、初風、雪風、野分、舞風」

提督「以上が今回の演習参加艦になる。呼ばれなかった卯月と文月、時雨、浦風、磯風、長波は鎮守府近海の哨戒任務に当たってくれ」

長波「ちぇっ、戦闘したかったな」

卯月「しょうがないぴょん! う〜ちゃん達は深海棲艦を倒して憂さ晴らしするぴょん」

提督「今回は外れて貰ったが、次の演習では参加して貰う。安心してくれ」

文月「うん! あたしたちは〜しょうかいがんばろ〜!!」

提督「頼んだぞ。哨戒も大切な任務だ。それは忘れるなよ」

時雨「うん。頑張るよ」

提督「哨戒組は出撃してくれ。演習組は各軍に分かれて打ち合わせをして、演習用の海域に移動してくれ。演習の開始は一時間後だ。解散!」

全員「はい!!」

………………………………。
30 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/12(日) 22:03:25.25 ID:csHOljUUO
提督「これより、演習を始める。曇っている為、普段よりも見通しが悪い。事故にだけは気をつけろ」

提督「では、これより大規模演習を行う。演習開始!」

比叡「瑞鶴、瑞鳳に空母艦娘としてのセオリーって聞いたの?」

瑞鶴「ううん、今回は聞いてない。提督さんが、とりあえずは私の思うようにやってみろって言ってたから」

比叡「分かった。じゃあ任せるからね」

瑞鶴「うん! じゃあ、偵察機を飛ばすから」スッ

瑞鶴「彗星発艦!!」バシュッ

瑞鶴「これで敵艦隊を見つけたら一気に攻めるから!」

比叡「私達は零式通常弾と九十一式徹甲弾のどちらを装備しておいたほうがいい?」

瑞鶴「徹甲弾! 艦載機の数なら私の方が圧倒的に有利だから制空権は取られないわ!だから比叡と青葉、夕張は私の前に出て! ゴーヤは相手の懐に潜り込んで瑞鳳を狙って!」

比叡「分かった。青葉! 徹甲弾を装備!」

青葉「了解ですぅ! まっかせて下さい!」

ゴーヤ「瑞鳳さんはゴーヤに任せるでち!」

夕張「いくわよ!」

瑞鶴「陽炎ちゃん達は大きく迂回して側面から敵の主力を叩いて! 浦風ちゃんはトンボ拾いをお願い!」

浦風「任せとき!」

陽炎「りょーかい! さて、艦隊型駆逐艦完成系の恐ろしさを見せつけるわよ!」

雪風「はい! 頑張ります!!」

舞風「今日もいっぱい踊るよ〜!! 野分も踊ろ? おっどろうよ〜!」クルクル

野分「舞風、少し落ち着いて」

舞風「ど〜して?」

野分「いつも舞風は転ぶから」

舞風「そんなこと無い……のわっ!!?」バッシャーン

野分「ほら、言ったでしょ」

舞風「う〜」
31 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/12(日) 22:04:13.53 ID:csHOljUUO
瑞鶴「2番機より入電!! 我、敵艦隊ヲ発見ス!」

青葉「やりましたね! 瑞鶴、指示をお願いします!!」

瑞鶴「座標は今みんなに送った! さっき打ち合わせた通りに動いて! 私は第一次攻撃隊を送るから!」

比叡「空は任せたよ! 青葉!夕張!突撃開始!」

瑞鶴「浦風、後ろについてきて!」

浦風「大丈夫じゃけぇ、うちを気にせんでええよ」

瑞鶴「うん! 艦首風上! 両舷全速! 速度良し! ……烈風隊発艦始め! 続いて彗星隊、流星隊発艦!!」バシュッ

瑞鶴「頼んだわよ!! 艦載機のみんな!!」

浦風「凄い眺めじゃのぉ」

瑞鶴「翔鶴型の名は伊達じゃないわ!」

瑞鶴「まだ瑞鳳の航空隊が発艦する気配は無い! この勝負瑞鶴達が貰った!!」
32 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/12(日) 22:04:46.14 ID:csHOljUUO
瑞鶴「雲の上だと見通しが悪いからみんな雲の下を飛んで!」

烈風妖精「テキノカンサイキハイナイ!」

瑞鶴「偵察機からの連絡だと、まだ瑞鳳の航空隊は射出されていないわ!」

彗星妖精「ミツケタ! テキノホンタイヲハッケン!」

流星妖精「デストローイ!!」

瑞鶴「みんな攻撃体勢に入って! 目標は敵旗艦の瑞鳳! 彗星隊はニ隊に分かれて水平爆撃組と急降下爆撃組に! 流星隊と連携を取って同時に攻撃をして!」

彗星妖精「マカセロ!」

流星妖精「デストローイ!!」

瑞鶴「散開して!」

ズダダダダ!

烈風妖精「ナンダト!?」

彗星妖精「ナッ!?」

流星妖精「ヒダンハンテイ!? ……リダツスル」

瑞鶴「な、何なの!? 一体どこから!?」

烈風妖精「テキシュウ!! クモノウエカラクルゾ!!」

瑞鶴「雲の上!? 待ち伏せされてたの!?」
33 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/12(日) 22:05:19.69 ID:csHOljUUO
瑞鳳「かかった!」

熊野「では、手筈通りに致しますわ」

瑞鳳「うん! 烈風隊はヒットアンドアウェイで対空射撃圏内から離脱! 雲の中に潜って!」

烈風妖精「リョウカイ!!」

瑞鳳「烈風隊は奇襲を開始! 秋月ちゃんと摩耶は私の号令といっしょに照準済みの94式高射装置と13号を使って対空射撃開始!撃墜後は私を中心にした輪形陣を形成! 天津風ちゃんと時津風ちゃんは申し訳ないけど、私の護衛とトンボ拾いをお願いね!」

熊野「川内達水雷戦隊は私と共に比叡や青葉を撃破した後に陽炎達遊撃部隊の捜索ですわ」

川内「夜戦は〜!?」

熊野「無いです。我慢なさい」

川内「あ〜ぁ……」

瑞鳳「摩耶、秋月ちゃん。対空射撃始め!!」

摩耶「任せな!!」ズダダダダ

秋月「艦隊をお護りします!!」ズダダダダ

熊野「突撃致しますわ! 」

川内「駆逐艦の子達、私に続け!」

夕立「やっと戦えるっぽい!」

春雨「夕立姉さん、春雨がお伴します!」

電「雷ちゃんも響ちゃんも頑張るのです!」

雷「ぜーんぶ私に任せていいのよ!」

響「当面は比叡さんが脅威だね」

夕立「そんなの、倒しちゃえば問題ないっぽい!」

響「……ハラショー」


34 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/12(日) 22:05:54.79 ID:csHOljUUO
摩耶「瑞鳳! 敵の攻撃機と爆撃機は殆ど潰した! そっちに行った分はキチッと回避しろよ!」

瑞鳳「このくらいなら回避できそう! えいっ!」サッ

摩耶「ああ。 あたしと秋月は、天津風と時津風に合流して輪形陣を作る」

瑞鳳「お願いね!」

摩耶「んじゃ、お前はさっさと攻撃隊出しちまえ」

瑞鳳「うん! 第一次攻撃隊発艦!!」バシュッ

瑞鳳「艦載機のみんな! 瑞鶴を叩くことを念頭に、臨機応変に対応してね!」

彗星妖精「マカセロ!」

瑞鳳「空中待機中の緑小隊と赤小隊の烈風隊は彗星と流星と合流、援護をよろしくね!」

烈風妖精「オウ!」

瑞鳳「頑張ってね!!」
43 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:01:05.07 ID:TJG/efXX0
比叡「瑞鳳の航空隊が接近中!!」

青葉「11時の方向から敵艦隊も来てますね〜」

比叡「対空か……対艦か……」

青葉「青葉も比叡も徹甲弾を積んでますが? そうですよね?」

比叡「換装している暇は無い、か」

夕張「比叡さん、あまり迷っている時間はないですよ」

比叡「瑞鶴、直掩機の展開状態は?」

瑞鶴「今やってるけど、まだ時間がかかる!」バシュッ

比叡「分かった。出来る限り急いで」

青葉「比叡、どうしますか?」

比叡「対空は機銃のみ、主砲で向こうの艦隊を迎撃する!」

青葉「了解ですぅ!!」

夕張「ま、数では不利だけど、何とかなる数かな?」

比叡「まずはあの子達の射程外から撃って数を減らす!! 主砲砲撃準備!!」

青葉「方位角合わせ! 仰角45度──良し!」

比叡「青葉と夕張は射程に捉えたら砲撃開始ね」

青葉「青葉にお任せ!」

夕張「はい!」

比叡「第一射、ってえ!!」ズドーン!!

バシャーン

比叡「遠! 第二射、ってえ!!」ズドーン!!

春雨「えっ!?」

ベチャッ

春雨「痛い!!? やめて〜!!」

比叡「良し! 当たった!」

提督「春雨、轟沈判定だ。 離脱せよ」

春雨「はい……夕立姉さん、すみません……」

夕立「大丈夫よ!」

春雨「はい……では、皆さん頑張ってください……」

夕立「夕立、春雨の分まで頑張るっぽい!!」
44 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:02:06.71 ID:Yw8ED4KmO
瑞鶴「浦風! 敵第1波来るわよ!」

浦風「瑞鶴さん、どうする? ウチ一人じゃあの数は対空射撃じゃぁ落とせんよ?」

瑞鶴「浦風は雷撃機だけを狙って! 爆撃機は……」

浦風「爆撃機は?」

瑞鶴「私の速力でかわしきる!!」

浦風「うふふふふふ……瑞鶴さんはおもろいのぉ。その考え方、ウチは好きで」

瑞鶴「それ、褒めてるの?」

浦風「褒めとるんよ」

瑞鶴「そうは思えないんだけど」

浦風「ほんまで」

瑞鶴「まあいいわ。じゃ、後はお願いね」

浦風「任せとき! ……対空射撃始めじゃ!!」ズダダダダ

瑞鶴「第一戦速!! さて、久し振りに踊るわよ!!」

…………。
45 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:02:40.48 ID:Yw8ED4KmO
比叡「第八斉射! 砲撃開始!!」ズドーン!!

熊野「撃ちましたわ! 全艦取り舵!!」

バッシャーン!!

比叡「また避けられた!!」

青葉「スキありです!」ズドーン!

ベチャッ

熊野「ひゃあ!? 第一砲塔に被弾……やりますわね!」

夕張「このぉ! 川内邪魔!!」ズドン!

バッシャーン

川内「当たらないよ!」

夕張「ばかー!!」

響「川内さん、そろそろじゃないかな?」

川内「そうね。全艦雷撃準備!! このまま敵の横っ腹を狙うよ!!」

夕立「分かったっぽい!!」

川内「第三戦速より最大戦速へ増速! 一気に懐に」

ズドン! ズドン! ベシャッ

雷「えぇっ!?」

川内「どうしたの!?」

夕立「後方から敵艦隊接近っぽい!!」

46 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:03:22.55 ID:Yw8ED4KmO
川内「なんですって!!?」

響「あれは不知火に初風、舞風の3人だね」

川内「なら、後方の熊野は一体何を! 熊野! 熊野聞こえる!?」

川内「…………くそっ! 通信機器をやられたのか!?」

響「川内さん、どうする?」

川内「夕張や青葉は私が引きつけるから三人は後方の三人を対処して! 雷は大破判定だから退避」

夕立「夕立、分かったっぽい!」

響「御武運を」

電「わ、分かったのです!」

雷「ごめんね、みんな……」

47 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:03:54.82 ID:Yw8ED4KmO
不知火「ふむ……あの三人が向かって来ますか」

初風「で、どうするの?」

不知火「もちろん迎撃します。しかし、その前に……」

初風「何?」

不知火「夕張さん、青葉さん聞こえますか?」

夕張「聞こえるわよ! 不知火ちゃんありがとう、助かったわ!」

不知火「いえ、大したことはしていません」

夕張「そんな事無いわよ。で、何か用があったんでしょ?」

不知火「はい。敵艦隊が間にいるうちに魚雷をこちらとそちらから一斉射しておきましょう」

夕張「当たれば御の字、当たらなくても敵の艦隊運動を乱す事が出来るからってところかしら?」

不知火「はい。その通りです」

夕張「りょ〜かい! 青葉、魚雷撃つわよ」

青葉「いっきますよぉ〜!」

夕張「発射!」バシュッ

不知火「初風と雪風も雷撃をして下さい。発射」バシュッ


48 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:04:30.35 ID:Yw8ED4KmO
川内「魚雷か! 面舵」

比叡「今!! 第九斉射!!」ズドーン!!

川内「えっ!?」

ベチャッ

川内「くっそ……大破判定……」

夕張「流石比叡さんね!」

比叡「えへへ〜」

夕張「さ、敵の駆逐艦も仕留めるわよ!! 砲撃開始!」

響「……夕立、電。後ろから追撃が来るよ」

夕立「なら、後ろは夕立に任せるっぽい!!」

電「危ないのです!」

響「いや、その方が良い。こちらは少しでも背後からの攻撃は避けたい」

夕立「さ〜あ、素敵なパーティーしましょ!!」クルッ ズドン! ズドン!

響「さて、始めますか……電、前方後方両方からくる魚雷には気をつけて」

電「分かったのです!」
49 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:05:27.78 ID:Yw8ED4KmO
夕張「夕立ちゃんが艦隊から落伍、反転して突撃して来ます!」

比叡「今度はあの子が私達を食い止めるつもりなのね」

青葉「夕立ちゃんは何をするか分からないので気をつけて下さいね」

比叡「それは私が一番知ってる」

青葉「あはは、デスヨネー」

比叡「あの子の接近を許しては駄目! 出来る限り弾幕を張って!」ズドーン!!

夕立「そんな弾幕なんて無駄っぽ〜い!!」

夕張「すばしっこすぎるのよ!」

夕立「ぽいっ!!」ズドン!

ベチャッ

青葉「うわぁぁぁぁ!! 目が!! 目がぁ〜!!」

夕張「青葉!! 馬鹿やってる暇は無いのに何を!」

夕立「もう一発行くっぽい!!」ズドン!

ベチャッ

夕張「きゃぁぁぁぁ!! 目が!! 目がぁ〜!!」

夕立「魚雷発射ぁ!!」バシュッ

ズドーン! ズドーン!

提督「夕張、青葉大破判定。戦闘海域より撤退せよ」

夕張「えぇっ!?」

青葉「うぅ……」

比叡「夕立ちゃん! それは卑怯だって!」

夕立「躱せない方が悪いっぽい! それに演習は何でもして良いっぽい!!」
50 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:06:07.48 ID:Yw8ED4KmO
響「電、こちらも何とか食い止めないと」

電「なのです!」

響「電、まずは不知火を狙って」

電「雪風ちゃんと初風ちゃんはどうするのです?」

響「今は手に負えない。とりあえずは2:2の状況を作り出そう」

電「分かったのですよ!」ズドン!

ベチャッ

不知火「…………」

初風「不知火……」

不知火「不知火に何か落ち度でも?」

初風「その発言が落ち度ね」

不知火「……まだ小破ですが、ここは不知火が囮役に回りましょう」

初風「了解。手筈通りに」

不知火「はい」

初風「雪風、あんたは私の後ろ……敵の死角に入って。あとはこの前訓練した通りやるわよ」

雪風「はい!!」
51 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:06:39.52 ID:Yw8ED4KmO
響「ウラー!」ズドン!

バシャーン!

電「なのです!」ズドン!

ベチャッ

不知火「くっ……」ズドン!

バシャーン!

響「危なかった……」

電「初風ちゃんもこちらを狙っているのです!」

響「不知火の砲火力はもう殆ど残っていない。初風の砲撃に備えるよ」

電「響ちゃんも気をつけて下さいね」

響「ああ。スパシーパ」

初風「雪風、いくわよ」

雪風「はい!」

初風「撃ち方始め!」ズドン!

響「雪風が初風で死角に……一体何を……」

初風「ふっ」サッ

ズドン! ベチャッ

響「なっ!!?」

電「響ちゃん!?」

響「やられた……死角から現れると同時に撃たれるなんて……」

電「ど……どうしよう……」

シュー

電「あっ!!?」

ズドーン!

電「はにゃ〜!!」

響「魚雷!? 一体いつ撃っていたんだ!」

初風「ナイス雪風。よく私の動きに合わせれたね」

雪風「いえ、初風が動くタイミングが良かったんです!」

初風「ま、そういことにしといたげる」

響「……完敗だね」

…………。
52 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/20(月) 22:07:11.51 ID:Yw8ED4KmO
瑞鶴「浦風! 第三波襲来!!」ズダダダダ

浦風「そろそろしつこいのぉ! まだ終わらんのん?」ズダダダダ

瑞鶴「多分これで最後!」

浦風「なら、頑張らんとね!」

瑞鶴「そうね! もう殆ど残っていないけど、直掩機は高高度にいる爆撃機に向かわせる! 浦風は引き続き敵の攻撃機を狙って!」

浦風「了解!」

瑞鶴「直掩機のみんなは高高度の爆撃機を狙って! 倒しきれなかったやつらの攻撃は避けるから!」

浦風「瑞鶴さん!!」

瑞鶴「どうしたの!?」

浦風「ちぃとマズイかもしれん! 異常な速度で突っ込んで来る彗星群がいるよ!」

瑞鶴「まさか!!? 浦風、最大戦速!! 逃げて!!」

浦風「もう間に合わん!!」

瑞鶴「やってくれたわね瑞鳳……反跳爆撃なんて……くそっ!!」

ズドーン!! ズドーン!!

…………。
58 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:55:17.72 ID:NGMHl9yZ0
瑞鳳「瑞鶴大破! やったぁ〜!!」

摩耶「んじゃ。もう演習は終わりか」

瑞鳳「そしたら提督から演習終了の指示があるはずなんだけど……」

摩耶「そういや、そうだよな」

時津風「あ〜!!」

瑞鳳「どうしたの!? 時津風ちゃん!」

時津風「陽炎達が来たよ〜!」

天津風「何処に!?」

時津風「え〜っと〜、九時の方向だよ〜」

摩耶「マジかよ。一番面倒臭い奴達が来たな。因みに瑞鳳の航空隊は何をしていたんだよ?」

瑞鳳「一部を除いて大半は雲の上にやってたから見逃しちゃったのかも……」

摩耶「まあ、奇襲をさせる為にやっていた事だから、こればかりはしゃあないか」

瑞鳳「ごめん……」

摩耶「なよなよしてたって何も変わらないさ。ほら、近くの上空に待機させていた艦載機かき集めてあいつら叩くぞ」

瑞鳳「うん! みんな空中集合! 編隊を組んで陽炎ちゃん達を攻撃して!」

摩耶「陣形の指示はあたしが執るからな」

瑞鳳「お願い!」

摩耶「輪形陣を解除! あたしと時津風、天津風で単縦陣を形成! 陽炎達に対してあたしらが壁になるようにする! 秋月は引き続き瑞鳳の護衛だ!」

天津風「はい!」

時津風「はいは〜い! ちゃっちゃとたっおそ! たっおそ!」

秋月「秋月、了解です!」

摩耶「よし! んじゃ、あたしについて来な!」
59 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:56:20.18 ID:uFvpFHMVO
舞風「あ〜あ、見つかったちゃった〜」

陽炎「そうみたいね。出来れば奇襲出来れば良かったんだけどね」

野分「残念です」

陽炎「ま、贅沢はあまり言わない方がいいかもね」

野分「そうですね」

舞風「陽炎お姉ちゃんも野分も難しく考え過ぎだよ〜」

陽炎「あんたは考えなさすぎなの。とは言っても、私もあまり考えないけどさ」

舞風「だって〜身体動かしてる方が楽しいもん」

陽炎「ま、舞風はそれでいいかもね。難しく考えている舞風なんて舞風っぽくないし」

舞風「でしょー?」

野分「陽炎姉さん、そろそろ敵の射程に入ります」

陽炎「そうね。瑞鳳さんの艦載機も向かって来たし、派手に暴れるとしようか」

舞風「は〜い!!」

野分「分かりました」

陽炎「戦闘準備! チャンスがあれば瑞鳳さんを叩く。ダメでも出来る限りこの場を掻き乱す! 突撃開始!!」
60 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:57:02.95 ID:uFvpFHMVO
陽炎「舞風、摩耶さんにあんたの回避パターンが読まれ始めてるわ!!」

バッシャーン

舞風「うわっと!! あっぶな〜い」

野分「舞風! 大丈夫!?」

舞風「うん! 少し近かったからびっくりしちゃったの」

野分「怪我は?」

舞風「無いよ〜! ありがと野分」

野分「え、えぇ」

陽炎「ほら、私を差し置いてイチャイチャしない! するなら私も入れなさい」

野分「えっと……陽炎姉さん?」

舞風「陽炎お姉ちゃんも混ざるの? いいよ!!」

野分「舞風!」

陽炎「冗談よ。それより、そろそろ天津風と時津風の射程にも入る。もちろん私達の射程にもね」

野分「はい」

陽炎「まずは天津風を集中的に撃破する。舞風は天津風の予想針路に対して左側に、野分は右側、私が正面を狙う。いい?」

野分「勿論です!」

舞風「分かった〜!!」

野分「天津風と時津風が砲撃を開始しました!」

陽炎「もっと接近する。その代わり、二人とも一射目から当てるつもりで行きなさい」
61 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:57:34.33 ID:uFvpFHMVO
時津風「あたれ〜!!」ズドン!

天津風「当たって!!」ズドン!

時津風「また外れた!! あの三人なんなのさ!!」

天津風「あと少しで瑞鳳さんの艦載機が来るわ。そうしたらもう少しやり易くなるわよ」

時津風「そうだね〜」

天津風「でも、陽炎姉さん達はどうして私達に攻撃して来ないのかしら?」

時津風「さあ〜 ん? 構えたよ」

天津風「時津風、回避運動! 取り舵!!」

ズドン!! ベチャッ

天津風「嘘っ!? 私の動きが読まれたの!? いや、まさかそんな……」

時津風「天津風の前と左と右に着弾してたね」

天津風「なんて射撃精度をしてるの……」

時津風「流石だね〜 因みに判定はどうなのさ?」

天津風「ギリギリ中破ね。あと一撃貰ったら大破で間違いないわ。砲塔は二基使用不可になっちゃったけど」

時津風「ヤバいね」

摩耶「そんなの気にするな! あたしがついてるだろ! 自信を持つんだよ!」

天津風「は、はい!」

時津風「はいは〜い」
62 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:58:01.59 ID:uFvpFHMVO
ズドーン! ベチャッ

野分「あっ!?」

陽炎「大破ね、野分は離脱して」

野分「はい……すみません……」

陽炎「ううん、よく頑張ったわ。後は私と舞風に任せて」

野分「よろしくお願いします」

舞風「野分はゆっくり休んでて」

野分「ごめん」

舞風「お互い様だよ!」

陽炎「舞風、一点突破を狙うわ! 私の後ろについて来なさい! ついでに魚雷もばら撒くから雷撃も準備しといて」

舞風「うん!!」

陽炎「最大戦速!! 突撃ぃ!」
63 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/04/21(火) 22:58:53.82 ID:uFvpFHMVO
秋月「天津風と時津風が撃破されました!」

瑞鳳「私の航空隊も全弾回避された!」

秋月「わ、私が瑞鳳さんのことを護ります!」

瑞鳳「私の事は構わないで攻撃に専念して」

秋月「しかし……」

瑞鳳「私、回避に自信があるから大丈夫だよ」

秋月「分かり……危ないっ!!」サッ

瑞鳳「秋月ちゃん!?」

ズドーン!!

秋月「大破……判定…………すみません、至らなくて……」

瑞鳳「一体どこから……あっ! 潜水艦!!」

瑞鳳「もう味方の援護は望めないわね……」

陽炎「貰ったわ!!」バシュッ

ズドーン!!

提督「瑞鳳大破。これにて演習は終了だ。全艦帰投せよ」
68 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:19:24.00 ID:c/Aqa3DyO
提督「全員お疲れ様だ。慣れない形式の演習だったにも関わらず良い動きをしていた。では、それぞれのチームに私なりの意見を伝えようと思う。まずは甲軍からだ」

瑞鳳「はい!」

提督「瑞鳳は艦載機の運用は流石だった。瑞鶴との艦載機量の差を戦術で完全にカバーしていた。しかし、相手に接近されると弱いな。当面の課題はそこだな」

瑞鳳「はい……」

提督「そして、恐らく真っ先に狙われるであろう瑞鳳を護衛する為に対空の要として摩耶と秋月を護衛につけたのは良かったな。摩耶と秋月はその役割を十二分に全うしていた。二人とも良い仕事をしていた」

摩耶「ああ、サンキューなっ、提督!」

秋月「司令、ありがとうございます!」

提督「うむ。次に水雷戦隊だが、水雷戦隊に関してはもう少し上手く動かせなかったか? 例えばだが、熊野達水上打撃部隊と水雷戦隊で比叡達を挟撃する。個々の能力は高いが、その能力を活かす動きが出来ていなかった」

川内「確かにね〜」

提督「陽炎達についてはまた後ほど話すが、彼女達のように敵艦隊を引っ掻き回せるようになるといいな。出来れば、陽炎達とは異なる動きを出来るようになると私としては嬉しいが」

川内「分かった。ちょっと考えてみる」

提督「そうしてくれ。電達も川内と一緒に考えてみてくれ」

電「はい、なのです!」

提督「最後に、潜水艦には細心の注意を払え。潜水艦は何時でも自分達を狙っていると考えるんだ。今日は演習だったから実際にダメージを受けることは無かった。が、もしもこれが実戦だったらどうだった? 確実に秋月と瑞鳳は沈んでいたぞ」

瑞鳳「はい……すみません……」

秋月「ごめんなさい……」

提督「今回の失敗を絶対に忘れるな。瑞鳳に限らず全員もだ。絶対に潜水艦には気を付けろ」

全員「はい!!」



69 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:19:53.18 ID:c/Aqa3DyO
提督「次に乙軍だ。瑞鶴、お前は自分の艦載機運用は何が悪かったか分かるか?」

瑞鶴「…………艦載機を雲の上を飛ばさなかったから」

提督「違う、それは結果論だ。確かにあの時雲の上を飛ばしていたらまた結果は変わっただろう。しかし、私が言いたいのはそんな事ではない」

瑞鶴「……ごめんなさい……分かりません……」

提督「驕りだ」

瑞鶴「驕り?」

提督「お前は正規空母で軽空母と比べて圧倒的な搭載量を誇る。言うまでも無くそれは大きなアドバンテージだ。しかし、お前はそのアドバンテージを過信し、格下の瑞鳳を甘く見ていた。それが今回のお前の最大の失敗だ」

瑞鶴「くっ……」

提督「違うか? 違うのなら反論をしなさい。どうだ?」

瑞鶴「……その、通り、です……」

提督「もう二度と自分の力を過信をするな。どんな相手でも細心の注意を払え。分かったか?」

瑞鶴「……分かりました」

提督「では、次に伊5……」

伊58「ゴーヤでち」

提督「……ゴーヤだが、初めての実戦にも関わらず良い連携を取っていた」

伊58「ほんと!?」

提督「ああ。ただ、一点気になる事がある」

伊58「気になる点?」

提督「今回は瑞鳳達もあまり警戒していなかったからあの距離まで近付く事が出来た。しかし、余りにも不用意に接近し過ぎると危険だ。間違いなく発見される」

伊58「あ……」

提督「演習だからといって普通なら近付かない距離に入り込んではならない。深海棲艦に対して同じ事をしたら……沈められるぞ」

伊58「う……あ……」

提督「それだけは気を付けて欲しい」

伊58「分かりました」
70 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:20:25.45 ID:c/Aqa3DyO
提督「ああ。そして、比叡と夕張、青葉」

夕張「はい!?」

青葉「はい!?」

比叡「はい!」

提督「比叡は十二分に仕事をこなしていた。艦載機の接近時もそちらのみに気を取られずにしっかりと目の前の敵に対処出来ていた。さらにお前個人の技能だが、砲撃の精度もピカイチだ。この調子で精進しなさい」

比叡「はい! ありがとうございます!!」

提督「問題は夕張と青葉だ。お前達ギャグでもやるつもりか?」

青葉「い、いえ、そんなこ、ことは、ないですよ!」

夕張「私も……」

提督「被弾した時の醜態を忘れたとは言わせん。演習だから顔は無しなんて甘ったれた事を考えるなど論外だ。あれは完全に夕立の勝ちだ」

夕立「夕立、褒められたっぽい!?」

響「まあ、そうなるね」

夕立「やったぁ!!」

提督「夕張と青葉は、明日の近接戦闘の訓練は俺が直接指導する」

青葉「あぁぁぁぁぁぁ!!?」

夕張「ごめんなさい〜!!」

提督「……明日楽しみにしておけ」

青葉「あ……あぁぁぁぁぁ」

夕張「死んだ……」
71 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:21:12.18 ID:c/Aqa3DyO
提督「最後に陽炎達水雷戦隊だ」

陽炎「は〜い!」

舞風「わくわく」

提督「まずは不知火達分隊だが、初風と雪風のコンビネーションには驚かされた」

雪風「雪風と初風、頑張りました!!」

提督「ああ。まさか初風の陰から雷撃と砲撃をし、魚雷が初風に命中する直前で躱すなんて芸当を出来るとは思ってもいなかった」

初風「ま、私達が本気を出せばこんなもんよ」

提督「次は実戦でも出来るとはいいな」

初風「うっ……バレてる」

提督「実戦を意識しての練習ならば怒りはせん。むしろ、ぶっつけ本番でやられる方が困る」

初風「まあ、ね」

提督「いつか完璧にこなせる様になる時を楽しみにしてるぞ」

雪風「はい!!」

提督「で、陽炎達だ」

舞風「提督ぅ、舞風達どうだった?」

提督「動きに関しては何も申し分ない。ゴーヤとの連携も完璧で見事に敵の旗艦も落とした。これは戦術と陽炎達の技量があったからこそ成し遂げられた。だが、だからこそ見えた課題がある」

陽炎「課題?」

提督「本来なら天津風達もお前達の艦隊に編入するのだが、そうすると練度にバラツキが出る」

陽炎「あぁ、そゆことね!」

提督「察しが良くて助かるよ。とりあえずは天津風や時津風、野分など、比較的最近入った子達を中心に練度を上げてバラツキを出来る限り抑えてくれ。勿論全員の練度を上げるのは今までと何ら変わりは無い」

陽炎「分かったわ! 私に任せてね!」

提督「頼むよ」

陽炎「うん!!」

提督「批評はこれまでにしておく。何かあれば執務室に来てくれ。答えられる範囲で答えよう」

全員「はい!」

提督「今日は慣れない形式の演習で疲れただろう、今日はもう自由にして良いぞ。しかし、食堂の営業時間は変わらないから、寝過して食べ損ねるなどという事は無いようにな。では全員解散してくれ」

全員「はい!!」

……………………。
72 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:22:20.73 ID:babPTm/UO
深夜

瑞鶴(私、今日はダメダメだった……提督さんが言ってた通り軽空母の瑞鳳の事を舐めてたし……)トボトボ

瑞鶴(それに、提督さんは私にだけは褒めてくれなかったし……もしかして嫌われちゃったのかな……?)

瑞鶴(嫌だなぁ……明日から提督さんの顔見れ無いよ……)

瑞鶴(私、提督さんに嫌われちゃってたらどうなるんだろう……捨てられちゃうの? それとも標的艦とかにされちゃうのかな……)

瑞鶴(…………でも、私が悪いんだもんね……しょうがないか……)チラッ

瑞鶴「あれ?」

瑞鶴(執務室、まだ灯りが……提督さんまだ起きてるのかな? それなら音を立てないように……)コソコソ

瑞鳳「瑞鶴のことなんだけど……」

瑞鶴「っ!?」ビクッ

瑞鶴(えっ!? ばれた!?)

提督「瑞鶴がどうした?」

瑞鶴(私の話題?)

瑞鳳「どうして提督は瑞鶴にだけあんなに厳しくしたの?」

提督「夕張や青葉にも厳しくしたつもりだが」

瑞鳳「あの二人は別。瑞鶴に厳しく当たった理由教えてくれない? 提督も、ゴーヤちゃんや陽炎ちゃん達の動きを支持したのは瑞鶴だってこと知ってるんでしょ?」

提督「ああ、知ってる」

瑞鶴(えっ!?)

瑞鳳「じゃあ、どうして褒めてあげなかったの?」
73 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/03(日) 23:23:17.42 ID:babPTm/UO
提督「それはだな。瑞鶴をより成長させる為だ」

瑞鳳「それは分かってる。提督は理由も無く人を嫌いにならないし、どんな相手でも仕事では平等に接してくれるのもね」

提督「それはそれで私の事を買い被り過ぎな気もするが、まあ良いだろう……」

提督「確かに他の子達に対する支持はかなり良かった。だが、あの時の瑞鶴にその事を言ってしまったら、また油断や過信に繋がる可能性があった。油断や過信は死に直結する。私はその危険性を何としても取り除きたい。だからあの様に叱ったのだよ」

瑞鳳「私の予想通りね。だけど、瑞鶴、今頃泣いてるかもよ? それに心が折れちゃうかも」

提督「確かに瑞鶴は、私にこっ酷く言われて今頃凹んでいるかもしれんが、あの子なら乗り越えてくれると信じてる」

瑞鳳「それは提督の勘?」

提督「いいや、そんな事は無いさ。あそこまで気の強い子だ、そんな簡単に挫折はしない。むしろその悔しさをバネに乗り越えて来ると私は読んでるよ」

瑞鳳「でも、提督の事嫌いになっちゃうかもよ?」

提督「その時はその時だ。結果的に瑞鶴の命を救う事に繋がるのならば甘んじてそれを受け入れよう」

瑞鳳「もう……提督ったら」

提督「私の大切な子達の為だ。その為になら私は修羅にでも何でもなろう」

瑞鳳「私と陽炎ちゃんは提督の事を絶対に見捨てないけどね」

提督「有難いな」

瑞鳳「でも、こんな話は瑞鶴や他の人に聞かせられないね」

提督「そうだな」

コトッ

提督「ん?」

瑞鳳「どうしたの?」

提督「何か物音が聞こえた気がするが、気の所為の様だ」

瑞鳳「そう?」

提督「さて、あと少しで今日の書類整理が終わる。さっさと終わらせよう」

瑞鳳「うん!」

…………。
78 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 01:31:10.98 ID:5TT5yYqJO
翌日

提督「ん?」

瑞鶴「あ、提督さん! おはようございます!!」

提督「こんな朝早くからどうしたんだ?」

瑞鶴「昨日の反省を活かす為に戦術書をちょっとね」

提督「良い心掛けだな」

瑞鶴「うん! 私、絶対にこの鎮守府で一番になるって決めたから!」

提督「一番?」

瑞鶴「一番提督さんの役に立てるようにね」

提督「どうしてまた……いや、そうなって貰えると私も嬉しいのだが……」

瑞鶴「分かってる。瑞鳳も陽炎ちゃんも私より優秀だし、並大抵の努力じゃあの二人に敵わない分かってる。だけど、私、やるって決めたから」

提督「そうか……期待してるぞ」

瑞鶴「私、頑張るから!」

提督「ああ」

瑞鶴「でも瑞鶴、ちょっとお腹空いちゃったかも……ねぇ提督さん。一緒にご飯食べに行かない? 確かもう食堂開いてるよね?」

提督「今からか?」

瑞鶴「もしかして忙しかった?」

提督「いや、そうでは無いのだが……」

瑞鶴「それとも何か用事があるの?」

提督「分かった。食堂に行こう」

瑞鶴「やった!!」

提督「ほら、行くぞ」スタスタ

瑞鶴「うん!」

………………。
79 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 01:32:06.53 ID:5TT5yYqJO
提督「……ふぅ」コトッ

瑞鶴「提督さん、お待たせ」

提督「味噌汁に干物、ご飯。思ったよりも普通の物を食べるんだな」

瑞鶴「何か変だった?」

提督「てっきり瑞鶴はパンやオムライスのような洋食を食べると思っていた」

瑞鶴「そういうのもいいんだけれどね。だけど朝からオムライスは流石に重いし、何より私は和食が好きなんだもん」

提督「ほう。そうだったのか」

瑞鶴「うん。それより……提督さんはそれだけでいいの? 流石にそれは食べたとは言えないんじゃない?」

提督「生卵を一つ飲むだけで十分だ。そもそも私は朝食はあまり食べないんだ」

瑞鶴「駄目だよ、そんなことしちゃ。朝食は大事なんだよ?」

提督「分かってはいるのだが、いかんせん身体が受け付けなくてな」

瑞鶴「あんまり無理しないでよね?」

提督「善処しよう」

瑞鶴「もう……絶対に改善するつもり無いでしょ?」

提督「ノーコメントだ」
80 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 01:32:47.29 ID:5TT5yYqJO
瑞鶴「いただきます」スッ パクッ

瑞鶴「あ、美味しい」

提督「その魚は……ホッケか?」

瑞鶴「うん、そうみたい。このホッケ、すごく身が柔らかい」パクッ

瑞鶴「ん〜!!」ニコニコ

提督「良かったな」

瑞鶴「幸せ〜」パクパク

提督「ホッケをゆっくり味わうのも良いが、味噌汁が冷めるぞ」

瑞鶴「あ、そうだね!」ズズッ

瑞鶴「味噌汁も美味しい!! 魚……鱈が入ってるみたい」

提督「出汁が効いていて良いだろう?」

瑞鶴「うん!」パクパク

提督「ふっ……瑞鶴は幸せそうに食べるな」

瑞鶴「えっ!? 何か変だった!?」

提督「そうでは無いよ。ただ純粋にそう思っただけだ」

瑞鶴「だって自分の気持ちを押し[ピーーー]なんてあまり良いこと無いじゃない?」

提督「まあな」

瑞鶴「なら、全力で楽しんだ者勝ちじゃない?」

提督「ポジティブシンキングだな」

瑞鶴「そうかな?」

提督「ああ。だが、明るい事は良い事だぞ」

瑞鶴「うん!」

…………。
81 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 01:34:21.50 ID:5TT5yYqJO
瑞鶴「ご馳走様でした」

提督「満足か?」

瑞鶴「もうお腹いっぱい」

提督「ならばそろそろ行こうか。あと少しすると他の子達で混雑する」

瑞鶴「そうだね。提督さんはこの後どうするの?」

提督「業務に戻る。瑞鶴は朝礼の時間まで好きにしていなさい」

瑞鶴「そうする。そうだ提督さん、ありがとね」

提督「ああ。そうだ、あまり他の者に言いふらすなよ? 特に瑞鳳や陽炎にはな」

瑞鶴「は〜い!」

提督「では、後ほどな」スタスタ

提督(思ったよりも凹んでいなかった。むしろ元気になっていた……一体どうしたのだろうか……)

提督(ただ単に引き摺らない性格なのか、それとも何か昨夜の内にあったのだろうか……)

提督(まあ、元気になる分には問題ないか)

………………。
82 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 01:34:54.89 ID:5TT5yYqJO
陽炎「司令、こっちの書類は終わったわよ!」

提督「ふむ……」ペラペラ

提督「特に記入漏れも無さそうだな。ありがとう」

陽炎「どういたしまして! 司令の方はそろそろ終わりそう?」

提督「そうだな。あと少しで私の方も……」ペラッ サラサラ

提督「ん?」ペラッ

陽炎「どうしたの?」

提督「いや、他の鎮守府の話だった。一瞬この鎮守府への命令だと思っだんだ」

陽炎「そう? もしかしたら司令疲れてるんじゃない? 普段はあんまりそんな見間違えなんてしないし」

提督「そうかもしれんな」

陽炎「じゃ、キリの良いところで一回お休みしましょ? ね? ね!?」

提督「そうだな……そうしようか」

陽炎「それじゃあ間宮さんのところに行こ? 新作のパフェがあるんだって!」

提督「流石に私は食べないぞ」

陽炎「え〜」

提督「いつも言ってるが、あまり甘い物は好きでは無いんだ」

陽炎「美味しいのに」

提督「もしも気が向いたら食べるとするよ」

陽炎「その時は一緒に食べようね」

提督「わかったよ」

陽炎「約束よ! じゃ、早速行こ?」パタパタ

提督「焦るな焦るな」スタスタ

提督(西方の海上打通連絡作戦……一体大本営は何を考えているんだ。日本の領海ですら満足に制圧出来ていないにも関わらずこのような作戦などもっての他だ)

提督(せめて、この鎮守府が実行部隊として選ばれない事を願うしか無いか……)

陽炎「司令! 早く早く!!」ピョンピョン

提督「分かったからそう急かすな」スタスタ

………………………………。
84 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/05(火) 02:07:42.74 ID:5TT5yYqJO
>>80
訂正

瑞鶴「だって自分の気持ちを押し殺すなんてあまり良いこと無いじゃない?」



おやすみなさい
90 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:08:57.60 ID:+m8IdrIrO
間宮「はい、どうぞ。期間限定の桜パフェよ」

陽炎「ありがとうございます!」パタパタ

陽炎「お待たせ、司令!」

提督「デカイな……ちゃんと食べれるのか? 夕飯までまだ時間あるとはいえ、流石にその量は無理だろう?」

陽炎「大丈夫よ! 甘い物は別腹だからね!」

提督「それにしたって多過ぎる……見ているだけで胸焼けする」

陽炎「司令ったら、本当に甘い物は駄目なんだよね」

提督「全部が全部無理な訳ではないのだがな」

陽炎「なら、これは大丈夫? ほら、あーん」スッ

提督「遠慮する」

陽炎「食べてくれないとストライキしちゃうわよ?」

提督「軍属の身でそれが許されると思うか?」

陽炎「司令がこれを食べてくれれば済む話よ」

提督「……一口だけだぞ」

陽炎「うん! はい!」

提督「…………甘い……」

陽炎「だってパフェだもん、当たり前よ」パクパク

陽炎「うん、美味し!」

………………。
91 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:09:42.07 ID:+m8IdrIrO
陽炎「美味しかった〜!」

提督「私が支払っておくから陽炎は瑞鳳と一緒に執務室まで来てくれ」

陽炎「え、いいの?」

提督「書類整理を手伝ってくれた御褒美だと思ってくれ」

陽炎「ありがと、司令! 大好きよ!」

提督「ああ」

陽炎「じゃあ、瑞鳳さん探してくるね!」パタパタ

間宮「ふふっ、陽炎ちゃんってば元気ですね」

提督「全くだ」

間宮「それにしても、まさしく恋する乙女って雰囲気を醸し出してます。そう思いませんか?」

提督「……それを私に聞くか?」

間宮「提督に、とは言ってませんよ?」

提督「…………負けたよ」

間宮「みんな大切にするのもいいのですが、あんまり何股もかけるのは良くないですからね〜」

提督「なんの事だ」

間宮「陽炎ちゃんに〜瑞鳳さん。そして今朝は瑞鶴さんも……」

提督「肝には命じておくが、お前は減給をご所望か?」

間宮「いえいえ、そんなことありませんよ」

提督「まあいい……陽炎も満足していた。ご馳走」スッ

間宮「それは良かったです。はい、お釣りです」

提督「それで好きな物でも買うがいい」

間宮「いえ、大丈夫です。十分過ぎるほどお給料は頂いておりますから」

提督「了解だ。世話になった」

間宮「また来てくださいね〜」

…………。
92 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:10:12.88 ID:+m8IdrIrO
コンコン コンコン

陽炎「司令、入ってもいい?」

提督「ああ。入ってくれ」

ガチャッ パタン

陽炎「お待たせっ、司令!」

瑞鳳「どうしたの?」

提督「何点か共有しておきたい事があったのと、出撃の件で少し話し会いたくてな」

瑞鳳「出撃? どこか制圧するの?」

提督「そうだ。だが、とりあえずは情報の共有から話そう」

瑞鳳「うん」

提督「単刀直入に言えば、大本営から西進の司令が出た」

瑞鳳「西進? 印度とか?」

提督「それも含まれるが、もっと先だ」

陽炎「まさか……欧州?」

提督「そうだ」

瑞鳳「嘘……だよね……そんな範囲の補給線の維持なんて無理よ!」

提督「同感だ。日本の領海ですら時々敵が現れるというのに、遙か彼方まで補給線を確保し維持し続けるするのは不可能だ。流石に大本営もそこまで無能だった訳では無かったようで、維持せよとは言っていない」

陽炎「どうして? 折角攻略するのにその海域を手放すの?」

提督「どうやら、同盟を組んでいたドイツからの連絡が最近途絶えた様だ。そのため、上層部はドイツと直接コンタクトを取ることにしたらしい」
93 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:10:43.84 ID:+m8IdrIrO
瑞鳳「そういうことなんだ……でも」

提督「でも?」

瑞鳳「えっと……英国とかに援護を頼むのはダメだったのかなって?」

提督「不可能だ。我々日本は連合国側との戦争は敗戦という形で終結したものの、対立関係は未だに継続中だ。それに加え、日本は直接的な影響は受けなかったが、核戦争の勃発によってその対立関係もより複雑になってしまった」

瑞鳳「でも、深海棲艦が跋扈してる今くらいは協力してもいいんじゃない?」

提督「そう出来たら良いのだが、もう一つ無理な理由があるんだ」

瑞鳳「どういうこと?」

提督「かつてドイツがイギリスやフランスなどといった敵対国に対し、深海棲艦の脅威を排除する為に一時の同盟を呼びかけたらしい。しかし、それぞれの国に艦娘を派遣したところ、それらの国は深海棲艦に乗っ取られていたのだよ」

瑞鳳「えっ!?」

陽炎「嘘っ!?」

提督「向こうでで生き残っている海軍……つまり艦娘はイタリア、フィンランド、ブルガリア、ルーマニアなど、かつての戦争で我々の味方だった国しか生き残っていなかったようだ。だが、その後になって深海棲艦に滅ぼされた国も多いと聞く」

瑞鳳「ということは……」

提督「人類は滅亡寸前という事だ。日本の周りも知っての通り、深海棲艦が住み着く大陸となってしまった。核戦争で人類の人口が急激に減り、そこに深海棲艦が乗り込んで来た。海の防衛力が弱い国とその国民が滅ぶのは必然だろうな」

陽炎「じゃあ、独逸はもう……」

瑞鳳「滅ぼされた……の?」

提督「その可能性が高い」

94 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:11:45.10 ID:+m8IdrIrO
提督「しかし、今回の作戦は我々が出ると決まった訳ではない。あくまでも、何処かの鎮守府が、又は合同で作戦に参加する事になるという告知だ」

瑞鳳「じゃあ、この鎮守府が作戦参加しない可能性も?」

提督「ある。だから私は先手を打っておこうと考えている」

陽炎「先手?」

提督「出撃をする」

瑞鳳「出撃して大なり小なり損傷すれば選ばれない可能性が高くなるから?」

提督「そういう事だ。だが、仮にその作戦に参加する事になっても、この出撃がメリットに変わる様にする」

陽炎「どうするの?」

提督「南西海域の資源地を取りに行く。東部オリョールを奪還し、海上輸送ラインを形成、資源の搬入を行う」

陽炎「つまり、もしも大規模作戦に参加する事になっても資源の枯渇を防ぐ事になるってこと?」

提督「そうだ。他にも敵の輸送ラインの断絶、そして、瑞鶴とゴーヤに実戦経験をさせるという側面も持っている」

瑞鳳「うん、いいと思います」

提督「陽炎は?」

陽炎「私も良いと思うわ!」

提督「では、編成や攻略方法について考えたいと思う。二人ともいつも通り自由に意見してくれ」

陽炎「は〜い!」

………………………………

………………

……
95 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:12:20.20 ID:+m8IdrIrO
コンコン コンコン

瑞鶴「瑞鶴とゴーヤ、参上しました」

提督「入ってくれ」

瑞鶴「失礼します」ガチャ

瑞鶴「あれ? 瑞鳳と陽炎ちゃん?」

瑞鳳「待ってたよ」

陽炎「ほら、ここに座って」

瑞鶴「えっと……」

提督「座って良いぞ」

瑞鶴「うん、じゃあ」スッ

伊58「ゴーヤ、座りまーす!」ポスン

瑞鶴「突然呼び出してどうしたの? もしかして何かやらかしちゃってた?」

提督「そういう訳では無い。だが、お前達だからこそ伝えねばならない事だな」

瑞鶴「私達だから?……新人だからって事でいいの?」

提督「ああ。その認識で間違っていない」

瑞鶴「ふぅん」

瑞鳳「はい、二人とも。お茶とお茶菓子よ」

瑞鶴「ありがと……って、これ、卵焼きじゃない!?」

瑞鳳「うん! そうだよ!」

瑞鶴「貰う側から言うのもあれだけど、これはお茶菓子とは言わないと思う……」

瑞鳳「甘い卵焼きならお菓子みたいなものだもん」

瑞鶴「いや……でも……」

提督「瑞鶴。そこは触れてやるな……それに味は保証するからとりあえずは安心してくれ」

瑞鶴「うん……」パクッ

瑞鳳「どう?」

瑞鶴「ん、美味しい」

瑞鳳「良かった!」
96 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/06(水) 22:13:04.44 ID:+m8IdrIrO
提督「まあ、二人ともそれを食べながらで良いから聞いてくれ」

伊58「はーい!」

提督「明日、二人には実戦に出て貰う」

瑞鶴「っ!? げほっ!! お、お茶が気管に、げほっげほっ!!」

瑞鳳「大丈夫?」

瑞鶴「うん……何とか」

伊58「どうしてゴーヤ達にそれを教えてくれたの? 普通はギリギリまで教えないよね?」

提督「ああ。確かに普通なら秘書艦じゃ無い限りは知らされる事は殆どない。だが、あえて今回は二人に作戦内容や、編成を教えておく」

瑞鶴「教えてくれる理由はあるの?」

提督「お前達が戦死する可能性を少しでも減らす為だ。1日の違いとはいえ、二人は心構えと覚悟を決める事が出来る。そして、自分の所属する部隊の旗艦に、その艦隊の大まかな方針や戦術などを教えて貰う時間も出来る。この1日の差は小さいようで、大きかったりするのだよ」

瑞鶴「納得出来たわ」

提督「ゴーヤは?」

伊58「大丈夫でち!」

提督「ならいい。では、細かいところも含めて説明する」

瑞鶴「お願いします」

伊58「よろしくお願いします!」

提督「まずは……」

………………………………。
102 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/22(金) 23:22:28.03 ID:EufrWPApO
オリョール

提督「作戦海域近辺に到達した。朝霧の周辺を護衛していた者は帰艦してくれ。ソナー、敵潜水艦の存在は?」

乗組員「反応なし!」

提督「了解」

瑞鳳「提督、攻略隊の出撃準備完了しました!」

提督「分かった。では、朝霧は瑞鳳や瑞鶴の隊に続く。瑞鶴とゴーヤ以外分かっているとは思うが確認するぞ。私はお前達の死など望んでいない。作戦遂行は二の次、生きて帰る事だけは忘れるな。いいな?」

全員「はい!」

提督「全艦出撃!」

瑞鳳「先ずは私達から出るね! 第一艦隊出撃!」

………………………………

………………

……
103 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/22(金) 23:23:23.86 ID:EufrWPApO
瑞鶴「ねえ、瑞鳳」

瑞鳳「どうしたの? 何かあった?」

瑞鶴「あ、ううん。そういう訳では無いの」

瑞鳳「そうなの?」

瑞鶴「えっと……提督さんっていつもあんなこと言ってるの?」

瑞鳳「あんなこと?」

瑞鶴「えっと、生きて帰って来いってやつ」

瑞鳳「あれはいつも言ってるよ」

瑞鶴「こんな事言うのは悪いんだけど、これっておかしくない?」

瑞鳳「やっぱり最初はそう思うんだね」

瑞鶴「最初は?」

瑞鳳「うん。でも瑞鶴がおかしいと思うことを話してくれない?」

瑞鶴「だって私達は兵器な訳で、任務を遂行して完遂させるのが使命な訳でしょ? なのに遂行するなってのはおかしいよね? 普通は命に替えてもって言われるものだし」

瑞鳳「遂行するなとは言ってないけど……まあいいか。他にはある?」

瑞鶴「それに、提督さん自ら敵が跋扈する海域に出撃するなんて変だよ」

瑞鳳「これで終わり?」

瑞鶴「パッと思い付く限りでは」
104 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/22(金) 23:23:57.29 ID:EufrWPApO
瑞鳳「じゃあ、提督の言ってた事から話すね。どうしようかな……そうね。例え話をしようかな」

瑞鶴「うん?」

瑞鳳「今この海域を制圧する代償として私が沈んだとするよ? 鎮守府はオリョールという資源の宝庫を手に入れました。これだけだと犠牲以上の対価を得られる様に思えない?」

瑞鶴「うん。絶対にこっちのが良いと思う」

瑞鳳「でもね、長い目で見ると評価は変わるんだよ」

瑞鶴「長い目?」

瑞鳳「そう。鎮守府は資源地を手に入れたけど、私という戦力を失いました。なら新たに私の代わりの艦娘を建造すれば良い話だよね?」

瑞鶴「そうだね」

瑞鳳「でもね、私と同等以上の練度にたどり着くまでにどれ位の期間がかかると思う? さらに言えば、私が沈まなかった場合私はもっと成長している筈だからそれも考慮に入れないといけないね」

瑞鶴「あ……」

瑞鳳「育成の期間中に何も無ければいいけど、その間に鎮守府の存亡に関わる危機が迫ったらどうする? 私ぐらいの経験を積んでいなければ対処仕切れない危機だったら?」

瑞鶴「…………負ける」

瑞鳳「そうだよね。鎮守府の危機は言い過ぎだったとしても、私ならば救えたかもしれない命がさらに犠牲になる可能性もある。誰かが死ぬってそういうことなんだよ?」

瑞鶴「……うん」

瑞鳳「実例だってあるんだよ。瑞鶴も記憶があるとは思うけど、大東亜戦争初期の日本軍の艦載機パイロットと末期のパイロットの練度の差……瑞鶴なら分かるよね?」

瑞鶴「そうだね……目先のメリットばかり追うと後で取り返しのつかないことになる……」

瑞鳳「だから提督はあんな事言ったの。そして朝霧に乗艦している事についてなんだけど……」

瑞鶴「けど?」

瑞鳳「私の感情論を言うと、私も反対したい……でも、提督の意見が正しいだけに何も言えないの」

瑞鶴「提督さんの意見って?」
105 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/22(金) 23:24:35.02 ID:EufrWPApO
瑞鳳「艦隊を指揮するならば最前線にいるべきだ。戦況は一瞬で変化するから、最前線でなければ状況の判断など出来やしない。更に、朝霧を艦娘の輸送艦にすれば戦闘海域に辿り着くまでの疲労は大幅に軽減出来るし、大破した艦娘の救助も出来るって」

瑞鶴「なら、指揮官は別の人にやって貰えば……」

瑞鳳「大切な艦娘の命を他の人には預けられないぅて言われた。それに、自分が負うべき業務や責任を部下に押し付けるのはあってはならない、最低だともね……」

瑞鶴「もしかして提督さんってああ見えて……過保護?」

瑞鳳「ちょっとね。だけど、あそこまで私達を護ろうとしてくれて、全ての責任は自分で負おうとする人だからこの鎮守府のみんなが提督の事を慕ってる。提督って、艦娘だけではなくて、朝霧の乗組員の人達に対しても気を遣ってるのよ」

瑞鶴「へぇ〜そうなんだ」

瑞鳳「提督は私達を護ろうとしてくれてるけど、私は提督が危険に晒されたたら絶対に提督を護る。ううん、多分この鎮守府の全員が提督の為に動くわ」

瑞鶴「提督さんってそんなに凄い人だったんだ。確かに優しいとは思っていたけどさ」

瑞鳳「瑞鶴も提督と一緒にいれば提督の良さがもっと分かると思うよ」

瑞鶴「うん。そうしてみる」

瑞鳳「でも……」

瑞鶴「まだ何かあった?」

瑞鳳「ううん、何でもない!」

瑞鶴「そう?」

瑞鳳「あっ、偵察機から入電!!」

瑞鳳「第一艦隊全艦のみんな聞いて!」

提督「敵を見つけたか?」

瑞鳳「はい!! 重巡2、軽巡2、駆逐2、計6隻がこちらに向かってます!」

提督「分かった。全艦戦闘態勢! 瑞鳳と瑞鶴を中心に輪形陣を形成! 瑞鳳と瑞鶴は艦載機を射出、敵への攻撃を行ってくれ」

瑞鳳「はい!」

瑞鶴「了解!」

提督「第一次攻撃隊が討ち漏らした敵は比叡と熊野が接近して仕留めてくれ。いいな?」

熊野「承りましたわ」

比叡「まっかせて下さい!!」

提督「全艦行動開始!!」

……………………。
106 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/22(金) 23:40:07.44 ID:knzpyytAO
ヒューン ズドーン!!

リ級「」

瑞鶴「やったぁ!! 敵重巡隊は炎上! 轟沈も時間の問題よ!」

提督「よくやった! 比叡。対空、水上電探共に反応はあるか?」

比叡「いえ、こちらの艦載機群以外の反応は無さそうです」

提督「秋月、ソナーに感は?」

秋月「ありません!」

提督「了解。しかし全員このまま戦闘態勢を継続してくれ。今のは敵の前衛部隊だろう。本命はまだ別にいる筈だ」

瑞鳳「はい! 引き続き偵察機による索敵を続けます!」

提督「頼むぞ。しかし、流石に空母が2隻いると破壊力が段違いだ。まさか艦載機のみで敵艦隊を仕留めるとはな」

瑞鳳「最初の奇襲で敵の旗艦と軽巡2隻を撃沈出来たからです! おかげで対空射撃も殆どありませんでした!」

提督「その結果、熊野と比叡を使わないで敵の主力艦隊との戦いに温存する事が出来た。助かったよ」

瑞鳳「うん!」

提督「瑞鳳もだが、瑞鶴。よく頑張ったな」

瑞鶴「え? あ、はい!! ありがとうございます!」

提督「ただ、気は抜くなよ? 油断したらそこで足元を掬われる」

瑞鶴「はい!!」

提督「ああ。艦隊複縦陣に移行。引き続き警戒を行ってくれ」

全員「了解!!」

………………。
110 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:19:58.38 ID:pQvgKQgvO
瑞鶴「ん? あれ?」

瑞鳳「どうしたの?」

瑞鶴「3番機からの連絡が途切れた……」

瑞鳳「3番機がいた方位は分かる?」

瑞鶴「東北東……もしかして」

瑞鳳「撃墜された……かも」

提督「後続の偵察機に伝えてくれ。敵機、又は敵の対空砲火が待ち構えている可能性が高いと」

瑞鳳「はい!」

瑞鶴「了解!」

提督「そして瑞鳳と瑞鶴は直掩機を上げろ。偵察機がやられたという事は、今現在東北東の目が無いという事だ。敵空母はこちらを捕捉している可能性もある。その場合、向こうは今、あるいは既に攻撃隊を発艦させているということだ。後手に回ったら戦況は敵に握られる。少しでも先に動くんだ」

瑞鶴「うん! 航行スピード上げるわよ! 増速、最大戦速! 風向良し! 速度良し! 直掩機発艦しちゃって!!」バシュッ

提督「秋月と響は対空射撃の準備を行え。艦隊防空の任務を遂行するんだ」

響「司令官、陣形は?」

提督「艦隊の前方で二人は対空射撃の準備を行え。比叡熊野は敵艦隊の場所を確認出来るまでは対空射撃の準備」

響「了解」

瑞鶴「後続の偵察機より入電! 敵の攻撃隊が接近中!!」

提督「瑞鶴と瑞鳳は引き続き直掩機の射出を急いでくれ。秋月は高射装置を使用して敵機を迎撃せよ」

秋月「了解です!」

提督「さあ、来るぞ!」

…………………………。
111 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:20:37.40 ID:pQvgKQgvO
瑞鳳「緑小隊は青小隊を援護! 赤小隊が敵機の頭を抑えて! 」

瑞鶴「瑞鳳! 南東からも敵機群接近中!」

瑞鳳「北東の敵で手一杯! 瑞鶴の艦戦隊は回せる?」

瑞鶴「私、実戦経験が……」

瑞鳳「大丈夫! 瑞鶴なら出来るから! あの時までずっと一緒に戦って来たじゃない!」

瑞鶴「でも……」

提督「私が瑞鶴のフォローをする。瑞鶴、安心してやるがいい」

瑞鶴「…………」

提督「大丈夫だ。この前はお前に足りなかった部分は私が補う」

瑞鶴「……分かった。私やってみる!」

提督「その意気だ。では、烈風隊を二つに分けて南東に向かわせろ。片方は雲の上へ、もう片方は敵の艦攻などを迎撃させろ」

瑞鶴「でも、そんなことしたら下の方がやられちゃうって」

提督「敵の戦闘機が襲ってきたら上空からの奇襲をかける。下の隊は敵機迎撃と囮として動いてもらう」

瑞鶴「分かった。じゃあ、やるね」

瑞鶴「烈風隊は二隊に分かれて南東の敵機を対処して! 偶数番機は雲の中に潜って敵編隊に接近。奇数番機は艦攻や艦爆の対処! 絶対に深追いだけはしないで!」

……。
112 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:21:07.88 ID:pQvgKQgvO
瑞鳳「提督! 何機か艦爆に抜かれました!!」

提督「分かった! 瑞鳳の艦戦隊はこのまま迎撃を維持! 秋月! 響!」

秋月「はい!!」

響「なんだい?」

提督「烈風が撃ち漏らした敵艦爆がそちらへ向かっている。必ずそこで迎撃してくれ」

秋月「はい! お任せ下さい! 防空駆逐艦の力、お見せします!」

提督「ああ。頼むぞ」

秋月「高射装置自動追尾良し! 長10cm砲ちゃん装弾完了! 撃ち方始め!!」ズドン! ズドン!

響「私も遅れを取るわけにはいかないね……ウラー!!」ズダダダダ

秋月「敵機撃墜!! やりました!!」

響「まだ来るよ。気をつけて」

秋月「はい!!」

……………………。


113 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:21:57.62 ID:pQvgKQgvO
瑞鶴「敵攻撃隊が退却を始めたわ!」

瑞鳳「偵察機より入電! 敵艦隊発見だって! 正規空母2、戦艦1、重巡2、駆逐1!」

提督「よくやった!!」

瑞鳳「方角は東北東! 座標データはすぐに送られて来ます!」

提督「了解。瑞鳳と瑞鶴は攻撃隊を射出。そして今まで戦闘していた直掩隊は一度補給に戻して予備機を直掩隊として配備!」

瑞鳳「了解! 紫電改発艦! 彗星隊発艦! 続いて天山攻撃隊も発艦!」バシュッ

瑞鶴「艦載機のみんな、行っちゃって!!」バシュッ

提督「比叡と熊野は敵艦隊へ接近して砲撃を行ってくれ。くれぐれも味方艦載機は落とすなよ」

比叡「わっかりました!!」

熊野「熊野にお任せ下さいな」

提督「出来る限り敵の注意を引いてこい。比叡、熊野、突撃開始!」

比叡「高速戦艦比叡、行きます!」

…………。
114 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:22:35.51 ID:pQvgKQgvO
比叡「重巡を一隻落とした! 残りは!?」

熊野「戦艦1、空母2、重巡1ですわ」

比叡「まだまだか熊野、敵戦艦に照準合わせ! ……第三斉射、撃ち方始めー!!」ズドーン! ズドーン!

熊野「とおぉぉおぉおお!!」ズドーン!

ル級「……」ズドーン!

ドッカーン!

比叡「きゃあ!!?」

熊野「お身体の調子は宜しくって?」

比叡「副砲が1門仕様不可になっちゃったけど、まだまだいける!」

熊野「引火には気をつけて下さいな」

比叡「大丈夫だって!!」

熊野「しかし、少々辛いですわね。第二次攻撃隊が来るまでまだ時間があるというですのに……」

比叡「2人でもここは守り抜くよ!!」

熊野「それは分かっていますわ。通す気などさらさらございませんわ」

比叡「第四斉射、撃ち方始め!!」ズドーン!! ズドーン!!
115 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/05/25(月) 23:29:13.62 ID:pQvgKQgvO
提督「やはり敵も重要地点の防衛とあって主力を引き連れて来ているのか。手強いな」

瑞鳳「第二次攻撃隊、準備出来ました!」

提督「了解。第二次攻撃隊発艦してくれ!」

瑞鳳「了解! 第二次攻撃隊発艦!!」バシュッ

乗組員「艦長、第二次艦隊より入電が入りました!」

提督「よし! なんと書いてある?」

乗組員「オリョール海北方の敵艦隊をを撃破、そのまま南進して敵主力艦隊を攻撃するとのことです」

提督「了解、下がれ」

乗組員「はっ!」ビシッ スタスタ

提督(やっと来たか……頼むぞ…………)

提督「陽炎!」

…………。
122 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:19:26.44 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「司令、みんな、お待たせ!!」

提督「待っていたぞ」

陽炎「北方の敵艦隊を撃破するまでに時間がかかっちゃったから、ね」

提督「損害は無かったんだな?」

陽炎「浦風が至近弾で損傷しちゃったけど、戦闘には影響ないわ」

提督「そうか。では敵主力艦隊へ突撃してくれ。制空権は瑞鳳と瑞鶴で死守している。今ならば上空にそれ程気を取られずに接近出来る」

陽炎「うん! 私達だけで終わらせれるように頑張るから!」

提督「ああ。頼んだぞ」

陽炎「みんな、突撃するわよ!!」

不知火「隊列はどうしますか? 複縦陣にしますか?」

陽炎「単縦陣!」

不知火「分かりました。では、参りましょう」

陽炎「みんなあと一斉射分は魚雷が残っているわよね? 発射準備は整えておいて」

初風「了解。それまでは?」

陽炎「主砲を撃って撃って撃ちまくるわよ!」

初風「予想通りの返答をありがとう」

陽炎「何、皮肉?」

初風「皮肉じゃ無くて嘲笑」

陽炎「ふーん、初風も言うようになったわね」

初風「私はどっかのお馬鹿な姉の妹だからね」

陽炎「不知火、あんた酷い事言われてるわよ?」

不知火「言われているのは陽炎です」

陽炎「不知火も酷いわね」

不知火「事実ですから」

陽炎「もう少し姉を敬ってくれてもいいと思うんだけどね〜っと、そろそろ敵戦艦の射程に入るわね……敵に気付かれるまではこのまま直線的に行くわよ。みんな絶対に気を抜かないでね!」

全員「はい!!」

…………。
123 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:20:14.47 ID:6Ei6P9RuO
ル級「!?」ズドーン!!

陽炎「敵に気付かれた! 回避! 回避!!」

バシャーン

陽炎「みんな無事?」

舞風「みんな無事だよ! 陽炎お姉ちゃん!」

陽炎「ん! 敵に気付かれたから回避運動始めるわよ!」

磯風「陽炎、一つ聞きたいのだが」

陽炎「何?」

磯風「敵の重巡がこちらに向かってきてるぞ」

陽炎「分かってるわよ。でも、これで良いのよ」

磯風「そうなのか?」

陽炎「そうよ。出来れば私達だけで敵主力艦隊を撃破したいんだけど、しょうがないわね」

磯風「ん? 何かあるのか?」

陽炎「まあね。だけど私達はいつも通り全力を尽くすのみよ。敵重巡が射程に入り次第集中砲火で落とすわよ」

雪風「はい! 頑張ります!!」

陽炎「そうね。期待してるわよ」

雪風「はい!!」

陽炎「比叡さん、聞こえますか?」

比叡「聞こえるよ! 何か敵の戦艦と重巡が陽炎ちゃんの方に砲撃を始めたけど、大丈夫?」

陽炎「今は大丈夫です。出来れば、敵の攻撃が私達の方に集中している内に敵の戦艦を倒して貰えると助かります」

比叡「分かった! じゃあ、こっちは被弾覚悟で敵の戦艦を落とす!」

陽炎「お願いします! こっちは重巡と空母を狙います!」

比叡「こっちが終わったら援護射撃するから!」

陽炎「はい! 通信切ります!」
124 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:20:44.93 ID:6Ei6P9RuO
比叡「熊野、その場に止まって!」

熊野「何を言っているんですの!? 止まったら格好の的ですわ!!」

比叡「攻撃は今陽炎ちゃん達に集中してる。目下の脅威は陽炎ちゃん達の魚雷だから」

熊野「それでもリスクはありますわ」

比叡「このまま撃ち合って弾切れを起こすよりはマシ。それに、陽炎ちゃん達が作ってくれたチャンスだもん。活かさない手はないよ」

熊野「……分かりましたわ。従います」

比叡「ありがと」

熊野「行きますわよ……第一主砲発射!!」ズドーン!

比叡「第一主砲撃てぇ〜!!」ズドーン!

バッシャーン

比叡「近!! 仰角微調整! 続いて第二主砲撃てぇ〜!!」ズドーン!

バッシャーン

比叡「近!! 仰角再調整!! 第三主砲発射!!」ズドーン!

ズドーン!!

ル級「!!?」

比叡「敵戦艦に命中!!」

熊野「とぉぉおぉおおおお!!」ズドーン!

ズドーン!

ル級「!!?」

熊野「私の主砲も命中しましたわ」

比叡「このまま押し潰す!! 第四主砲発射!!」ズドーン!
125 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:21:24.14 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「比叡さんが敵の戦艦を落とした!!」

不知火「敵重巡がそろそろ射程に入ります」

陽炎「みんな、砲撃戦に入るわよ!! 準備はいい?」

磯風「この磯風に任せろ」

谷風「谷風さん、磯風には負けらんねえなぁ」

天津風「時津風、行くわよ」

時津風「雪風〜撃って撃って〜!!」

雪風「はい!!」

初風「あんた達はもう少し緊張感を持ちなさいよ」

舞風「野分、一緒に頑張ろ〜!!」

野分「そうね」

陽炎「お喋りはそこまで! 目標敵重巡! 全艦砲撃開始!! 全門斉射!! ってぇ〜!!」ズドン! ズドン!

リ級「!!?」

陽炎「弾幕を絶やさないで!! 撃て! 撃て!!」

リ級「!!?」

不知火「流石に駆逐艦の方では重巡の装甲は中々破れませんね」

ズドーン!!

リ級「!!?」

舞風「重巡が爆発した!!?」

陽炎「比叡さんと熊野さんの援護射撃ね!!」

不知火「陽炎、敵の主砲が全て使用不可になってます」
126 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:21:50.34 ID:6Ei6P9RuO
陽炎「主砲は敵の重巡に固定。だけどこのまま敵の空母を落としにかかるわよ!! 全艦最大戦速!!」

全員「了解!!」

陽炎「沈め!!」ズドン!

リ級「」

陽炎「やった!! 沈んだ!!」

不知火「あとは敵空母のみですね」

陽炎「雷撃準備!! 取り舵!!」

陽炎「…………全艦魚雷一斉射!!」バシュッ

ヲ級「!!?」

ヲ級「!!」

野分「一隻が回避中!! もう魚雷が!!」

陽炎「ゴーヤ、今よ!!」

伊58「魚雷発射!!」

ズドーン!!

………………………………

………………

……
127 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/19(金) 23:24:39.94 ID:6Ei6P9RuO
訂正

>>25
提督「以上が今回の演習参加艦になる。呼ばれなかった卯月と文月、時雨、浦風、磯風、長波は鎮守府近海の哨戒任務に当たってくれ」

訂正後

提督「以上が今回の演習参加艦になる。呼ばれなかった卯月と文月、時雨、谷風、磯風、長波は鎮守府近海の哨戒任務に当たってくれ」
134 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/25(木) 22:50:15.26 ID:pdwIrXluO
提督「もうこの海域に敵の反応はないな」

乗組員「はい! 各レーダー共に反応ありません!」

提督「了解した。御苦労だったな」

乗組員「いえ、もったいなきお言葉……っと艦長、第三艦隊より連絡が入ってます」

提督「繋いでくれ」

乗組員「はい」

夕張「提督聞こえます?」

提督「ああ」

夕張「こちら第三艦隊は、東部オリョール海南方の敵輸送艦隊を2つ殲滅しました。提督の予想通り、敵の輸送艦が出張ってました」

提督「私からは何もフォローが出来なかったが、良くやってくれた。お前達に損害は出ているか?」

夕張「最初に遭遇した敵艦隊の戦艦の砲撃で摩耶が、軽空母の艦載機による至近弾で青葉と川内が小破してますが、それ以外は特には無いです」

提督「その後の敵艦隊は無傷で済んだんだな?」

夕張「はい。島影に沿って敵艦隊に接近して、敵の軽空母に奇襲をかけて撃沈するのに成功したので、敵艦隊は混乱に落ち入り統率が全く取れなくなってましたから」

提督「本当によくやってくれたな夕張」

夕張「はい! どういたしましてです!」

提督「では、お前達も朝霧に帰投してくれ。周囲の索敵、警戒は済んでいるか?」

夕張「バッチリです!」

提督「流石だ。打ち合わせた合流地点まで来てくれ。そこで合流だ」

夕張「了解です!」

……………………。
135 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/25(木) 22:50:44.49 ID:pdwIrXluO
響「司令官、第一艦隊戻って来たよ」

提督「お疲れ様。よくやってくれた」ナデナデ

響「これは……中々いいな」

秋月「ぁ……」

響「司令官、彼女にも私と同じ事をしてあげてくれないか?」

提督「秋月、来なさい」

秋月「あ、いや、私は……」

提督「来るんだ」

秋月「はい……」

提督「素晴らしい活躍だった。対空射撃は誰よりも正確で、艦隊防空の要を任せるに足るものだった。ありがとう」ナデナデ

秋月「あ、ありがとうございます……!!」

提督「二人は奥で休んでなさい。じきに他の艦隊の子も帰ってくる。ゆっくり出来るのは今だけだ」

響「そうだね。秋月、行こう」

秋月「はい!」

提督「お前達も奥でゆっくり休むと良い。特に比叡と熊野は他の誰よりも集中力が必要なポジションでの戦闘だった。かなり疲れているだろう?」

熊野「そうですわね……少し疲れてしまいましたわ。では、お言葉に甘えてお休みさせて頂きます」

提督「目が覚めたら私の所に来てくれ。今日気付いた事はその時に話そう。お前達もその方がいいだろう?」

比叡「そうですね……流石に今から話し合いは辛いかも……」

提督「だろうな。ゆっくりして来なさい」

比叡「はい! では、また後で!」
136 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/06/25(木) 22:51:14.16 ID:pdwIrXluO
瑞鶴「提督さん、ただいま!」

瑞鳳「ただいま、提督!」

提督「おかえり。瑞鳳、瑞鶴」

瑞鶴「提督さん、瑞鶴のフォローをしてくれてありがとね!」

提督「私は当たり前の事をしただけだ。それに実際に艦載機を動かしていたのは瑞鶴、お前だ。初めての実戦はどうだった?」

瑞鶴「すっごく緊張したけど、何とか大きな失敗はしないで済んだかな」

提督「初めての実戦で緊張するのは極々あまり前の事だ。それが普通だ」

瑞鶴「うん!」

提督「二人も疲れただろう。奥で」

陽炎「司令!!」バッ ギュー

提督「おっと……その声は陽炎か。おかえり」

陽炎「うん! ただいま!! 私達凄く頑張ったよ!!」

提督「お前ならやれると信じていたよ。完璧だった」ナデナデ

陽炎「えへへへへ!」

舞風「あ〜!! 陽炎お姉ちゃんが提督に撫でられてる!! いいないいな!! 舞風にもやってよ〜!!」

初風「あーあーダラシない顔しちゃって。そんなんじゃ私達妹に示しがつかないわね」

陽炎「司令にだけなんだからいいでしょ!」

初風「はいはい」

時津風「雪風〜しれ〜の頭に登ろ登ろ〜!!」

雪風「そんな事したら司令、怒っちゃいますよ!!」

時津風「大丈夫大丈夫!!」

舞風「提督! 私の頭撫でて!!」

陽炎「こら、舞風!!」

瑞鶴「後で出直そうか」

瑞鳳「……そうね」

………………………………

………………

……
144 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:16:59.90 ID:mRWGUJTzO
鎮守府

瑞鳳「じゃあ、作戦の成功を祝して……乾杯!」

全員「かんぱーい!!」

瑞鳳「提督、お疲れ様でした!」

提督「お前達の頑張りのお陰だよ。ありがとう」

瑞鳳「いえ……そんなこと……」

瑞鶴「私、提督さんのフォローが無かったら何も出来なかったと思うんだ。だから、やっぱり提督さんのお陰だよ!」

提督「実際に艦載機を操ったのは私では無い。瑞鶴が自分で動かしていたのだからな」

瑞鶴「でもやっぱり〜」

提督「お前は艦娘になってから日が浅いのにも関わらずに私の期待に応えた。十分過ぎる働きだ」

瑞鶴「う、うん」

提督「瑞鳳も良くやってくれた。言葉にはしていなかったが、瑞鶴のフォローをしていたな」

瑞鶴「そうなの!?」

瑞鳳「やっぱりバレちゃってたか」

瑞鶴「ごめん、本当にありがと」

瑞鳳「ううん。私が勝手にやってた事だから気にしないで」

瑞鶴「私って迷惑かけてばっかりだね……」
145 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:21:47.39 ID:mRWGUJTzO
瑞鳳「そんなことないよ! 私だって最初は失敗ばっかりだったんだから!」

瑞鶴「そうなの?」

提督「ああ。瑞鳳も最初は苦労したな」

瑞鳳「そうね。完全に手探りで艦載機の運用を模索したもんね」

瑞鶴「どういうこと? 手探り?」

提督「私が着任した当時……と言ってもそれ程前の話では無いのだが、空母は殆ど運用されていなかったんだ。ただ唯一呉では鳳翔が着任していたのだが、かつての戦争の様な運用が難しいという理由で放置されていた」

瑞鶴「えっ!? 鳳翔さんもいるの!?」

提督「ああ。他の空母だと、舞鶴に龍驤と赤城、呉に加賀と千歳、佐世保に蒼龍と千代田、飛鷹がいたかな?」

瑞鶴「そうなんだ!? へー、私達以外にもいっぱいいるんだね!」

提督「会う機会があるといいな。……話が逸れたな。当時唯一空母を配下に置いていた呉が何もしなかった為、情報は皆無だった。そして、そのような時期に瑞鳳が来てくれたんだ」

瑞鳳「提督ったら、最初私を見た時に驚いてたよね」

提督「まさか本当に空母が出来るとは思っていなかったからな。最初の建造で空母なんて聞いた事がない」

瑞鳳「そうだね〜」

瑞鶴「そんなに珍しいの?」

提督「ああ。当時は完全に海を封鎖されていたから資源もかなり少なかった。だから他の鎮守府ではより少ない資源で建造をし、艦娘の数を増やす事を重視していた。だが、私は航空戦力の必要性を思い知った為空母の建造を重視したんだ」

瑞鶴「じゃあ、瑞鳳って特別なんだ……」

提督「ああ、この子は特別だな」

瑞鶴「っ……」

提督「瑞鳳が着任してからも本当に大変だった。空母艦娘の特性や艦載機の特性を探り、更に運用方法を探り、戦術を探りと、試行錯誤の繰り返しだった。だが、その苦労のお陰で今の空母の運用方法が確立したのだから、あの毎日は有意義だったな」

瑞鳳「うん! 提督のお陰で私達に限らず他の鎮守府の空母も闘えるようになったんだもんね!」
146 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:22:43.97 ID:mRWGUJTzO
瑞鶴「提督さんと瑞鳳って本当に凄いね」

提督「どうした瑞鶴。顔色が悪いぞ? 体調が悪いのか?」

瑞鶴「そういう訳じゃないんだけど、ちょっと、ね……」

提督「何かあったのならば言いなさい。私の言動が原因ならば詫びよう」

瑞鶴「ううん! 本当にそんなのじゃないの! ただ、提督さんと瑞鳳って凄く強い絆があるんだなって……ね」

瑞鶴 (そう、私が入り込む隙間が無いくらい……)

瑞鳳「あっ……」

提督「……そういう事か。瑞鶴」

瑞鶴「えっ!? 何!? 分かったの!?」

提督「何となくだがな……瑞鳳は最も付き合いが長い艦娘の一人だ。だから信頼関係が厚いのは当たり前の事だ。それに比べ瑞鶴は最近着任したばかりで、まだお互いの事を知りきれていない。そうだろう?」

瑞鶴「まあ……」

提督「だが間違いなく、今後共に進むに連れて私と瑞鶴の間で信頼関係は築かれるだろう。お前にとってのスタートラインはそこからではないのか? だから今落ち込む必要は無い」

瑞鶴「うん……」

提督「だが一応警告はしておこう。私はお前の上官だ。それは分かっているな?」

瑞鶴「うん?」

提督「ならば私と特別な関係になりたいなどと考えるのは止めておいた方が良い。もしもこれが杞憂ならばそれで良いのだがな」

瑞鶴「うぇっ!?」

提督「…………お前もだぞ、瑞鳳」

瑞鳳「そんなの関係無いもん!」

提督「と、まあ言う事を聞かないのもいるんだがな」

瑞鶴「陽炎ちゃんもそうだよね?」

提督「まあ……そうだな」
147 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:23:58.37 ID:mRWGUJTzO
瑞鶴「ねえ、提督さん」

提督「なんだ?」

瑞鶴「私、頑張ってみる! 提督さんに振り向いて貰えるように!」

提督「冗談……では無いんだな」

瑞鶴「うん。まだこれが恋心なのかは分からないよ。だけど、私は提督さんに対して好意を持ってる。それは間違いないと思うんだ」

提督「…………はぁ……」

瑞鶴「もしかして……嫌?」

提督「そうではない。だが、司令官としては好ましい状況ではないな。場合によっては艦隊運用に支障が出る」

瑞鶴「でも、提督さんとしては、嫌だって思っている訳じゃないんだね?」

提督「お前を嫌がる理由はないからな」

瑞鶴「その言い方はちょっと傷つくかも……」

提督「すまない」

瑞鶴「じゃあ、頭撫でてくれたら許してあげる」

提督「何を言っているんだ」

瑞鶴「じゃないと許してあげないからね」

瑞鳳「提督?」ムッ

提督「……分かった。瑞鶴、瑞鳳。来なさい」

瑞鶴「ん」

瑞鳳「はい!」

陽炎「あ!! 司令! ずるい!! 私も撫でてよ!!」タッタッタッ

舞風「提督〜! 私も頑張ったから撫でてよ〜!」

時津風「あー司令がみんなと遊んでるー! 時津風も遊ぶ遊ぶー!! 雪風も行くよー!」

雪風「わっ!? 引っ張らないで下さい〜!!」
148 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:24:24.24 ID:mRWGUJTzO
初風「また始まったわ……」

野分「うぅ……」

初風「ん? あんたも混ざりたいの?」

野分「いえ……陽炎姉さんや司令に迷惑がかかりますから……」

初風「大丈夫よ。あんたが入ったところで何も変わらないわよ。行って来なさい」

野分「は……はい……」トコトコ

初風「ねえ、不知火姉さん」

不知火「なんですか?」

初風「野分って、ああ見えて甘えん坊よね」

不知火「そうですね。流石は陽炎の妹です」

初風「その理論だと、私や不知火姉さんまで甘えん坊になるんだけど?」

不知火「事実ですから」

初風「はっ?」

不知火「陽炎型はみんなそうですよ。全員甘えん坊です」

初風「……不知火姉さんって鋭いのか鈍いのか時々分からなくなるわ」

不知火「傷付きました。お詫びに不知火の頭を撫でて下さい」

初風「全然面白くないわよ」

不知火「そうですか」

初風「不知火姉さんの冗談って笑えない」

不知火「陽炎ならば笑うのですが」

初風「陽炎姉さんは沸点が低いだけよ。陽炎姉さんが特別なの」

不知火「ふむ」

初風「ほんと、陽炎型って変人ばっか……」

……………。
149 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:27:17.08 ID:mRWGUJTzO
提督「そろそろお開きにするぞ。残りたい者は残るが良い。明日は近海の哨戒と遠征班以外は休みにする」

比叡「さっすが司令!!」

提督「何かあれば私の部屋に来なさい。それと、このあと部屋を散らかしたらその者が責任もって片付けろ。では、後は自由にしてくれ」ガチャッ

瑞鳳「瑞鶴はこの後どうするの?」

瑞鶴「どうしよっかな〜」

川内「帰らせないよ〜!! 今日は朝まで夜戦だ〜!!」

瑞鶴「や、夜戦!?」

川内「それに今日のメインは瑞鶴とゴーヤなんだから帰っちゃやだー!!」

熊野「そうれすわ!! すぃかくが帰りゅなんてわたくひ熊野が許しましぇんわ!!」

瑞鶴「いや、熊野は部屋に戻った方がいいわよ」

熊野「そんなことにゃいれすわ!!」

瑞鶴「ごめん、私は熊野を部屋に送るついでに戻るよ」

川内「ちぇ! じゃあゴーヤは貰ってくから! ゴーヤ! 夜戦だよ!!」グイッ

伊58「や、やめるでち!!」

川内「比叡、ゴーヤを連れて来たよ〜」

比叡「朝まで一緒だからね!」

伊58「だ、だれか助けてくだち!!」

瑞鳳「私も熊野運ぶの手伝うね」

瑞鶴「うん、お願い。せーの!」

熊野「とぉぉぉぉぉおお……」スウスウ

瑞鶴「重……」

…………。
150 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/07/22(水) 23:27:48.88 ID:mRWGUJTzO
パタン

瑞鶴「重かった……」

瑞鳳「寝てるを運ぶの、大変だもんね……」

瑞鶴「まあ、無事に部屋に送る事が出来てよかったね。ありがと」

瑞鳳「どういたしまして! もう、瑞鶴は寝るの?」

瑞鶴「そのつもり。でも、その前にお風呂入ってくる。瑞鳳は?」

瑞鳳「もう先にお風呂入っておいたから大丈夫。じゃあ、私先に寝るね! おやすみ!」

瑞鶴「おやすみ〜」

瑞鶴「それじゃ、お風呂入っちゃお。誰もいなければいいな〜」スタスタ

乗組員「っ!!」タッタッタッ

瑞鶴「あれ? あの人って朝霧の乗組員だよね? どうしたんだろ?」

乗組員「中将! 入ります!!」ガチャッ バタン

瑞鶴「何であんなに慌てて……」

「……です! ………………と……は……!!」

「……と!? それは…………か!?」

「……………………です!」

「…………った…………に手…………」

「…………します!」

バタン タッタッタッ

瑞鶴「今のは一体何だったの……!?」

瑞鶴「…………なんか嫌な予感がする……」

………………………………。
153 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/06(木) 02:42:08.11 ID:COwaYRGfO
翌日

コンコン

提督「瑞鳳いるか?」

瑞鳳「提督? 入っていいよ」

提督「失礼する」ガチャッ

瑞鳳「提督何か飲み……何かあったの?」

提督「ああ」

瑞鳳「すぐ行きます。瑞鶴、ちょっと行ってくるね」

瑞鶴「うん……でも、行く前に教えて。提督さん、何があったの?」

提督「そんな大した事ではない。ちょっとしたトラブルだ」

瑞鶴「嘘。私昨日見ちゃったんだ。提督さんの部下の人が凄い慌てて提督のところに行ったの」

瑞鳳「瑞鶴! 盗み聴きしてたの!?」

瑞鶴「違うよ! ただ、あの後お風呂に向かってたら偶然見ちゃただけなの! 内容までは聴いてないよ!」

提督「分かった。それならば仕方ない……瑞鶴も一緒に来るんだ」

瑞鶴「いいの?」

提督「このまま何も言わなければ、無根拠な憶測などが鎮守府に広がる恐れがあるからな。それに、お前も気になってしょうがないだろう?」

瑞鶴「まあ……」

提督「二人とも先に行っててくれ。私は陽炎を連れてくる」

瑞鳳「はい!」

…………。
154 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/06(木) 02:42:50.76 ID:COwaYRGfO
提督「待たせたな」

瑞鳳「いえ、大丈夫です」

陽炎「一体何があったの? 私達だけを突然呼び出すってことは、何かあったんでしょ?」

提督「そうだ。実際にこれまでで一番の非常事態と言えるだろう」

瑞鳳「教えて下さい……」

提督「…………欧州へ向かった呉、佐世保、舞鶴3鎮守府の主力艦隊が壊滅した」

陽炎「嘘……でしょ……!?」

提督「本当だ。数名は何とか帰還したそうだが、ほぼ全員が轟沈したとの事だ」

瑞鶴「提督さん……まさか」

瑞鳳「私達が代わりに行かなければならないのね?」

提督「ああ。間違い無くかなり厳しい戦いになるだろう」

瑞鶴「大湊は一緒に出撃しないの?」

提督「大湊はガラ空きになる本土の防衛の為に出撃しない事になっている」

瑞鶴「なんかズルい……」

提督「今回戦力が壊滅した3鎮守府は、これから戦力の再構築をする事になる為、防衛能力は皆無に等しい。また、私達は大湊が横須賀の防衛をする為、全戦力を今回の作戦に投入出来る。関節的にだが、大湊のお陰で私達は最大戦力で作戦に赴く事が出来るのだよ」

瑞鳳「でも、私達だけでは呉、佐世保、舞鶴連合艦隊の半分程度の戦力です。連合艦隊でも勝てなかった敵に私達が勝てるとは思えません」

提督「真っ正面からならば瑞鳳の言う通り不可能だろうな」

陽炎「何か策があるのね?」

提督「一応だがな。それと、連合艦隊よりも有利な点がある」

陽炎「有利な点?」

提督「まだリランカ島はこちらの手の内にある。連合艦隊の様にリランカ島の攻略を行う必要がない。そして、策に関してだが……」

提督「奇襲を行う」

………………………………。
155 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/06(木) 02:43:28.14 ID:COwaYRGfO
リランカ島

提督「そろそろ夕方になるか」

瑞鳳「とうとう作戦開始ね……」

提督「そうだな。不安か?」

瑞鳳「うん……だけど、提督が考えた作戦だもん。私頑張るからね!」

提督「ありがとう」

陽炎「司令! そろそろよね?」

提督「そうだ。近海の様子は?」

陽炎「問題なし! 潜水艦の反応も無いわ!」

提督「敵の偵察機も確認出来ず。条件は揃ったな」

夕張「提督。一応最後に作戦内容と艦隊編成の再確認をお願いしたいかな」

提督「分かった。作戦内容から確認する。作戦内容はアンズ環礁に巣食う敵艦隊及び飛行場を壊滅させる事にある。あくまでも制圧では無く壊滅だ。この艦隊がドイツとコンタクトを取り帰投する時間さえ稼げれば良い。その為には迅速な進軍が不可欠となる。それを心がけてくれ」

全員「はい!」

提督「艦隊編成の確認だ。第一艦隊旗艦瑞鳳。随伴艦に瑞鶴、秋月、電、雷の4名。第二艦隊旗艦陽炎。随伴艦に不知火、野分、舞風の3名。第三艦隊旗艦初風。随伴艦に雪風、天津風、時津風、浦風、磯風、谷風の6名。第四艦隊旗艦川内。随伴艦に長波、響、時雨、夕立、春雨の5名。第五艦隊旗艦比叡。随伴艦に熊野、青葉、摩耶、夕張の4名。そして潜水部隊のゴーヤと囮部隊の卯月、文月だ」

夕張「で、この前言われた通りに動けばいいのよね?」

提督「そういう事だ。当たり前だが、各々臨機応変に行動してくれ」

全員「はい!」

提督「作戦を始めよう。お前達旗艦は随伴艦全員に朝霧へ乗り込む様に伝えてくれ。出撃だ」

………………。
156 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/06(木) 02:43:58.26 ID:COwaYRGfO
アンズ環礁沖

提督「瑞鳳、陽炎、初風、川内、比叡。配置に着いたな?」

川内「着いた着いた! 早く夜戦させてよ! やーせーん!!」

提督「少しお前は黙るんだ」

川内「えー」

提督「横須賀へ戻ったら私が直々に白兵訓練を行おう」

川内「いや、それだけは!」

提督「己の愚かさを呪うがいい」

川内「そんな……」

提督「第一艦隊以外は別命あるまで待機。瑞鳳と瑞鶴は艦攻隊を発艦させよ」

全員「了解!」

提督「これは詰め将棋のような物だ。一手間違えれば一気にこの作戦は瓦解する可能性がある。絶対に気だけは抜くなよ」

全員「了解!」

提督「夜襲を開始する! 艦攻隊は『車懸かり竜巻戦法』を実施せよ!」
160 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/21(金) 23:49:52.62 ID:QxUQB6JNO
闇夜の中、瑞鳳と瑞鶴の導きに従い流星が飛び行く。向かうは比叡の32号水上電探が捉えた敵艦隊であった。

「多分この近辺にいるはずなんだけど……」

「瑞鶴、お前の流星隊もまだ敵艦隊を視認出来ていないか?」

「うん……」

瑞鳳と瑞鶴は初めての戦法であるからだろう、二人の顔から緊張と戸惑いを見て取れる。

瑞鳳と瑞鶴は夜間での航空機の誘導という、不慣れな事をさせてなお周囲の警戒させるのは危険である為、艦載機を射出後は朝霧の艦橋で艦載機の指揮を執らせていた。

「焦らなくてもいい。見落としだけに気をつけろ」

「はい……」

「うん……」

返事も精彩が欠いている。やはり、夜間の飛行の指揮はかなり厳しいのだろう。

「あれ?」

瑞鳳が何かに気付いたような声をあげた。そして、緊張と焦りで蒼ざめていた顔はみるみる赤みを帯びて、終いには喜色を浮かべた。

「見つけた!!」

「よくやった! 座標は?」

「データを転送します! 瑞鶴にも送るからこっちに誘導して!」

「了解! すぐに向かわせるわ!」

瑞鶴の顔からも焦りの色が消えた。

「うん! 提督、私の航空隊はどうすればいいの?」

「爆弾を装備した流星以外は敵の上空を旋回させるんだ。瑞鶴の航空隊は私の指示があるまで近くで待機させろ」

「「了解!」」

「敵艦、対空射撃を開始しました!!」

「今だ! 敵の対空砲火の光を狙え!!」

「雷装流星、全機雷撃開始!!」

瑞鳳の掛け声から十数秒、轟音が当たり日に響き渡った
161 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/21(金) 23:50:21.61 ID:QxUQB6JNO
提督「敵の状態は!?」

瑞鳳「敵重巡大破! 機関停止!!」

提督「よくやった! 上空に残していた艦爆でそいつを狙え!」

瑞鳳「爆装流星、全機急降下!!」

ヒューン ズドーン!!

瑞鳳「敵艦炎上!! やったぁ!!」

提督「瑞鶴、別の艦にも同じく雷撃、爆撃の順で攻撃を行うんだ!!」

瑞鶴「うん! 対空砲火確認! いっけぇ!!」

ズドーン!!

瑞鶴「敵戦艦、機関停止! そして炎上し始めたわ!!」

提督「完璧だ! 瑞鶴、瑞鳳は朝霧から退艦し、近くにいる秋月、雷、電と合流。合流後艦載機の着艦の為に灯火管制を行え。指示を出したらに照明灯を点灯させるんだ」

瑞鳳「了解!」

提督「第四艦隊、炎に照らし出されている敵の艦隊に向けて突撃!」

川内「待ってました!! 夜戦だぁ〜!! 第四艦隊全艦突撃よ!!」

提督「文月、卯月! 探照灯照射!! 前もって知らせた座標へ向かって最大戦速で航行!!」

文月「ふぁ〜こわいよこわいよ〜」

卯月「探照灯照射だぴょん!!」

ズドーン! ズドーン!

卯月「うびゃぁぁ!!?」

文月「うってきたよ〜!!」

提督「瑞鳳、瑞鶴。敵が探照灯に惹きつけられている間に照明灯を点灯! 着艦させるんだ!」

瑞鶴「は、はい!」
162 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/21(金) 23:51:43.03 ID:QxUQB6JNO
文月「しれいか〜ん! てきがずっとついてくるよ〜!! こわいよ〜!」

卯月「たすけてほしいぴょん!!」

提督「初風。その位置から文月と卯月は見えるな?」

初風「すぐ近くね。よく見えるわ。ついでに敵も丸見えよ」

提督「魚雷を斉射した後に敵の横から殴り込むんだ。出来るか?」

初風「当たり前よ」

提督「同士討ちにだけは気を付けるんだ。必ず可能な限り陣形を維持。それだけでも被害や指揮系統の混乱は抑える事が出来る」

初風「大丈夫よ。私達に任せなさい」

提督「頼むぞ。第三艦隊、行動開始!!」

初風「了解!!」

提督「陽炎」

陽炎「ん。なあに?」

提督「文月が照らし出している敵艦隊が見えるか?」

陽炎「初風が襲っているのと別の、戦艦や重巡がゴロゴロいるやつ?」

提督「そうだ。頼めるか?」

陽炎「うん! もちろん司令の為なら!」

提督「気を付けろよ」

陽炎「ありがと! じゃあ、また後でね!!」

陽炎「不知火! 野分! 舞風! 第二艦隊行っくわよー!!」

不知火「陽炎、また惚気てましたね」

舞風「あはは! 陽炎お姉ちゃん顔真っ赤〜」

野分「あ、舞風……そんな事言ったら……」

陽炎「何で真っ暗なのにそんなことが分かるのよ!」

舞風「陽炎お姉ちゃん可愛い〜!」

陽炎「もうっ! ほら、行くわよ!!」

不知火「了解」

陽炎「いつも通り肉薄するわよ! 二水戦の誇り、見せつけてやるのよ!!」
163 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/21(金) 23:52:09.76 ID:QxUQB6JNO
提督「比叡。各艦隊が敵の遊撃部隊や主力艦隊と交戦に入った。今なら邪魔をされない筈だ」

比叡「はい! さっすが司令ですね!」

提督「いや、これはみんながよくやってくれているからだ。私はそのキッカケを作ったに過ぎない」

比叡「それでも、私は尊敬しますよ」

提督「そうか。ありがとう」

比叡「はい!」

提督「さて、全員三式弾又は零式弾を装填しているか?」

比叡「私の第一主砲の一門以外には全て装填済みです!」

提督「うむ。では、射撃地点に移動後すぐに始めてくれ」

比叡「了解!」

提督「あと少しで瑞鳳と瑞鶴の爆撃機が発艦可能になるから、援護で回そう。それまでは第五艦隊だけで頑張ってくれ」

比叡「司令の御期待にお応え出来る様に頑張ります!!」

提督「ああ」

比叡「射撃地点に到着! 行きます!!」

比叡「照明弾発射!! 続いて全艦、砲撃開始!! 全門斉射!! 撃て〜!!」ズドーン!!

泊地水鬼「ッ!!?」

………………………………

………………

……
164 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/21(金) 23:54:00.24 ID:QxUQB6JNO
比叡「敵泊地沈黙!! 壊滅させる事に成功しました!!」

提督「終わったか……」

瑞鳳「提督、この後は独逸まで行きますか?」

提督「そうだな」

瑞鳳「分かりました。みんな、一旦朝霧に帰投しま……」

天津風「あれ?」

初風「どうしたの?」

天津風「何か水中から音が……」

提督「なんだと!? 第三艦隊対潜戦闘準備! 止まると魚雷でやられる! すぐに動くんだ!!」

初風「了解! 全員ペアを組んで攻撃と観にに役割を分けなさい! グズグズするんじゃ無いわよ!!」

天津風「浮上して来てるわ!!」

初風「え!? なんですって!?」

天津風「あと少しで完全に浮上するわよ! みんな警戒して!!」

バッシャーン!!

U511「み……つけ、た!!」

天津風「ええ!?」

初風「……艦娘!?」

U511「たすけ、て!」

初風「え?」

U511「ユーをたすけて!」

初風「提督、どうするのよ?」

提督「朝霧に連れてきてくれ」

初風「分かったわ。ちょっと一緒に来て」グイッ

U511「は、い……」

………………………………。
169 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:45:09.80 ID:dmCi+6+rO
朝霧

提督「初風、ご苦労だった」

初風「これも任務の一つよ。で、私は出て行った方がいいのかしら?」

提督「そうだな……頼む」

初風「一応部屋の外で待機してるから、何かあったら呼び出すのよ」

提督「ああ」

初風「それじゃ」ガチャッ パタン

提督「さて」

U511「ぅぅ……」

提督「改めて聞こうか。君の名前を教えてくれないか?」

U511「ユ、U-511……」

提督「U……では、君はドイツのUボートの艦娘か。そして……511と言うと……」

U511「ユー、前は、日本に来た、よ……」

提督「やはりか。そうすると日本では……」

U511「呂500って……呼ばれた……」

提督「やはりか。では、伊58の事は知っているか?」

U511「うん……知ってる」

提督「そうか。今は出撃しているが、暫くしたら戻る。その時に紹介しよう」

U511「ダンケ……」
170 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:46:50.20 ID:dmCi+6+rO
提督「で、だ。君がこの様な所にいる理由を話してくれないか。初風に助けてと言っていたと聞いたが」

U511「…………」

提督「話したく無いか?」

U511「あ、の……」

提督「ゆっくりでいいぞ」

U511「あの、ね…………ドイツが……」

提督「ドイツが?」

U511「みんな、死んじゃった……」

提督「なんだと!?」

U511「ひっ!?」

提督「すまない。だが、どういうことなんだ。もう少し詳しく説明して貰えると助かる」

U511「何から、話せばいい、の?」

提督「そうだな……では、君が生き残った理由とドイツの現状を教えて欲しい」

U511「分かった……」
171 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:47:52.97 ID:dmCi+6+rO
U511「ユーはね、イタリアに行ってた、の」

提督「イタリア? 何か理由があったのか?」

U511「イタリアと、連絡が、取れなくなった、から……」

提督「君がイタリアの様子を探れという事だったのかな?」

U511「うん」

提督「で、イタリアの様子はやはり」

U511「艦娘も、人間もいなかった……深海棲艦しか、いなかった、よ」

提督「そうか……」

U511「それでね、ドイツにね、戻ったらね……みんな死んじゃってた……」

提督「誰も艦娘が残っていなかったのか?」

U511「ビスマルク姉さんも、マックスもみんな、みんな居なかった……」

提督「人間は……?」

U511「地上もね、深海棲艦の砲撃や、爆撃を……いっぱい、いっぱい受けてた……」

提督「だが、それならば」

U511「もう、地上には草木も無かった……」

提督「何故だ……何故そこまでして……」

U511「それでね、ユー、逃げてきたの……海の上にもね、深海棲艦がいっぱいいたよ……」

提督「この艦隊で突破は出来るか?」

U511「無理……絶対に死んじゃうよ」

提督「分かった……U511、君はどうする?」

U511「ユーが?」

提督「そうだ。このまま別の国まで逃げるか、日本まで私達と共に向かうかだ」
172 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:48:39.69 ID:dmCi+6+rO
U511「ユー、日本に行く、よ……」

提督「分かった。君を助ける事が出来て良かった。ここまで来た甲斐があったよ」

U511「うん……ダンケ……」

提督「ドイツから敵の勢力下ここまで逃げてくるのに疲れただろう。休んで来るといい」

U511「いいの?」

提督「勿論だ。他の子に案内させよう……初風、いるな?」

初風「いるわよ」ガチャ

提督「この子を仮眠室まで連れて行ってあげてくれ」

初風「いいわよ。ほら、私に着いて来なさい。案内するから」

U511「うん……」

提督「では、よろしく頼むぞ」

初風「ん」パタン

提督「ふぅ……」

提督「なあ、中尉よ」

乗組員「はい」

提督「あのドイツが滅んだ。この様な事が信じられるか?」

乗組員「いえ、正直申し上げますと未だに信じる事が出来ません」

提督「私もだよ。どうやら我々はあまりにも強大すぎる存在を相手に戦争をしているようだ」

乗組員「はい」

提督「私が次に何を言うか分かるかな?」

乗組員「ええ、勿論」

提督「聞こうか」

乗組員「だが、それでも死ぬ訳にはいかない。生き抜かねば意味が無い……ですよね?」

提督「フフ……流石だな」

乗組員「伊達に何年も中将の部下をやっておりませんよ。それに、貴方の下に配属されている者ならば全員が同じ答えを言うでしょうね」

提督「大将や元帥殿に聞かれたら間違い無く島流しだろうな」

乗組員「だからこそ私達は貴方に付いて行くのですよ。そして艦娘の子達も」

提督「有り難いな。私は部下に恵まれているよ」

乗組員「私達も上官に恵まれていますのでお互い様です」

提督「そんなこと……」

コンコン コン

瑞鳳「瑞鳳と瑞鶴です」

乗組員「艦娘の子ですね。では、私は朝霧を反転させ撤退する準備と指揮に取り掛かります」

提督「ああ。頼んだ」
173 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:49:43.10 ID:dmCi+6+rO
ガチャ

瑞鳳「失礼します……って、あれ?」

乗組員「お疲れ様です。中将はお返ししますね」

瑞鳳「え、あ、ありがとうございます……」

乗組員「では中将、失礼します」パタン

瑞鶴「提督さん。あの人、何かあったの?」

提督「朝霧の事で少しな」

瑞鶴「そうなんだ〜」

瑞鳳「あ、そうだ……第一艦隊戻りました。他にも第二、第三、第四艦隊と、文月ちゃんと卯月ちゃん、ゴーヤちゃんが帰投済みです」

提督「第五艦隊は?」

瑞鳳「第五艦隊は敵の奥深くまで潜り込んでいたので、少しだけ遅れているみたいです」

提督「分かった」

瑞鳳「提督、何かあったの? 知らない子が初風ちゃんと一緒に歩いてたけど」

瑞鶴「あの白い子だよね。私も気になっていたんだ〜」

提督「後ほど他の者にも公表するが、あの子も横須賀鎮守府の一員になる」

瑞鳳「えっ!?」

瑞鶴「え、何か変なの?」

瑞鳳「う、ううん。そんな事無いよ」

瑞鶴「瑞鳳、声が上ずってるよ。何が変なの?」

瑞鳳「提督……どうしよう……」

提督「瑞鶴、すまないが一旦この部屋から出ていて欲しい。ここに陽炎を呼んで3人で話し合わねばならない」

瑞鶴「私も居ちゃ駄目なの?」

提督「悪いが、まだそれは厳しいな。信用をしているしていないという話では無く、最も鎮守府について分かっているこの2人では無いと駄目なんだ」
174 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/08/26(水) 22:50:21.85 ID:dmCi+6+rO
瑞鶴「…………うん」

提督「この話が終わったら他の誰よりも先に先に瑞鶴に話そう。だから少し我慢してくれ」

瑞鶴「約束だからね」

提督「ああ」

瑞鶴「私、陽炎ちゃん呼んでくるね。そしたら部屋で待ってるから」

提督「ありがとう」

瑞鶴「それじゃ、ね」パタン

瑞鳳「何だか、瑞鶴に悪い事しちゃった気がする……悲しそうだった」

提督「こればかりは仕方ない……とはいえ、同感だ」

瑞鳳「でも、それでも瑞鶴には聞かせる事が出来無い話なんだよね?」

提督「そうだ。こればかりはお前と陽炎以外に相談は出来無い」

瑞鳳「もしかして……独逸の事?」

提督「その通りだ」

瑞鳳「そうね……分かりました。陽炎ちゃんが来たらすぐに話しましょ」

提督「ああ」

………………………………。
180 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/09/19(土) 22:07:44.44 ID:8JlgYtFZO
コンコン コン

提督「私だ」

瑞鶴「うん、入っていいよ」

カチャッ パタン

提督「待たせたな」

瑞鶴「大丈夫……」

提督「顔が暗いぞ」

瑞鶴「まあ、ね……」

提督「仕方がなかったとはいえ、申し訳なかった」

瑞鶴「それは分かってるし、納得もしてるよ。だけどね、とても嫌になっちゃったの」

提督「私がか?」

瑞鶴「…………私、嫉妬しちゃったんだ。陽炎ちゃんに。そして瑞鳳に。そういう訳では無いのは分かっているのに、どうしても嫉妬心を抱いてしまうのそんな私自身が嫌になっちゃったの」

提督「そうか……」

瑞鶴「ごめんね、提督さん。突然こんな事を言われたって困っちゃうよね」

提督「私に関わって来る以上、反応に困る話題ではあるな」

瑞鶴「うん……」

提督「だが一つだけ言えるのは、もしも私が逆の立場でも同じ感情を覚えてしまうだろう。こればかりは理屈で割り切る事は到底出来ない」
181 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/09/19(土) 22:08:25.50 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「提督さんも?」

提督「私も一応人間だからな」

瑞鶴「ちょっと予想外だな。提督さんってあまり表情を表に出さないから」

提督「それは私が提督という立場にあるからだ。私の感情で艦隊を指揮するなどという事があってはならない。それで仲間が死に追い込まれるよりは自分の感情を抑える方がずっといい」

瑞鶴「大変だね、提督さんって」

提督「慣れたよ」

瑞鶴「でも、私には提督さんみたいにこの気持ちを抑えるのは無理だよ……」

提督「ならば、その感情を抑えなければいい」

瑞鶴「え?」

提督「勿論嫉妬心を瑞鳳や陽炎への憎しみに変えてはいけない。だが、その感情をバネに更なる自身の向上を目指せばいい」

瑞鶴「でも私自身が自分を赦せないよ」

提督「いつかお前が成長して心に余裕が出来れば、その嫌な自分も許容する事が出来るだろう」

瑞鶴「やっぱり提督さんって優しいね」

提督「そんなこと無いさ。それよりも瑞鶴、落ち着いたか?」

瑞鶴「さっきよりはね。まだ少しモヤモヤしてるけど」

提督「今から重要な話をするが大丈夫か?」

瑞鶴「うん。それは大丈夫だよ」
182 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/09/19(土) 22:09:14.74 ID:8JlgYtFZO
提督「では、約束通りお前に先程陽炎や瑞鳳と話して来た事を伝えよう……」

提督「ドイツが滅んだ」

瑞鶴「えっ!?」

提督「ドイツだけでは無い。イタリアも深海棲艦の手に落ちた。まだ生き残っている国はあるやもしれんが、ヨーロッパが完全に壊滅するのも時間の問題だ」

瑞鶴「嘘だよね……」

提督「残念ながら真実だ。これらの情報は先程私達の戦力に組み入れられたU511から伝えられた」

瑞鶴「でも……その子が嘘をついている可能性も」

提督「メリットが何一つ無い。嘘を付いているのがバレれば良くて深海棲艦が跋扈するこの海に放り出され、悪ければ発覚し次第射殺。それに今ドイツを助ける為に進軍中の艦隊を追い返せばドイツの危機は更に広がる。理由が無いんだ」

瑞鶴「そうだよね……」

提督「私は横須賀に戻り次第大本営に向かう。今回の件は万が一にも漏洩させる訳に行かない。そして確実に伝えねばならない」

瑞鶴「じゃあ、私も付いて行く!」

提督「それは出来ない」

瑞鶴「私じゃ駄目なの?」

提督「いいや、駄目ではない。しかし、瑞鶴である必要も無い」

瑞鶴「そんな……」

提督「鎮守府の内情を把握していて、尚且つ護衛を任せることが出来るのは今の所瑞鳳のみだ。ついでに言えば瑞鳳は位の高い人間への礼節も弁えている」

瑞鶴「じゃあ、結局は絶対に無理なんだね……」

提督「そうでも無いぞ。もしも瑞鶴に瑞鳳のメリットを上回る何かがあるのならば私は瑞鶴を同行させるだろう。どうだ?」

瑞鶴「私の長所……」
183 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/09/19(土) 22:11:15.82 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「艦載機を飛ばして鎮守府に連絡が取れる」

提督「瑞鳳でも同じ事が出来る」

瑞鶴「瑞鳳よりも艦載機の搭載数が多い」

提督「確かにそれはメリットだ。だが、それだけでは瑞鳳以上の魅力を感じる事は出来ない」

瑞鶴「速さや装甲、耐久力なら……」

提督「弱いな」

瑞鶴「馬力は誰にも……」

提督「本気で言っているのか?」

瑞鶴「…………」

提督「終わりか?」

瑞鶴「駄目……私じゃ瑞鳳に勝つなんて出来ない……」

提督「そうか。残念だ」

瑞鶴「私ってやっぱり駄目だな……これじゃあ瑞鳳の劣化……あれ?」

提督「どうした?」

瑞鶴「ちょっと待って……もしかしたら……」

提督「何かに気付いた様だな」

瑞鶴「提督さん。何個か質問してもいい?」

提督「ああ。勿論だ」
184 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/09/19(土) 22:12:30.82 ID:8JlgYtFZO
瑞鶴「今まで瑞鳳以外に同行した艦娘はいるの?」

提督「いないな」

瑞鶴「もしも私を選んでくれた場合はマナーや仕事内容を教えてくれるの?」

提督「勿論だ」

瑞鶴「じゃあ、最後に……提督さんは瑞鶴を試したでしょ?」

提督「ふっ……良く気付いたな」

瑞鶴「私に少しも期待してなかったら残念なんて言葉は出ないもん」

提督「ああ、そうだな。では瑞鶴の言葉を聴こうか」

瑞鶴「私は瑞鳳に対して戦闘力、情報量、礼節のどれを取っても負けてるわ。だけど、だからこそ提督さんは瑞鶴を選ぶメリットがあるわ」

提督「ふむ」

瑞鶴「もしも瑞鳳が鎮守府や海域から動けなくなった場合、瑞鳳の代わりに提督さんと同行出来る艦娘が今いない。それが緊急時や提督さんの安全がかなり危険な状態の場合命取りになる可能性がある。だから今の内に提督さんは、他に何人か瑞鳳と同じ様に動ける艦娘を育成する事でその様な事態は回避出来る」

提督「他には?」

瑞鶴「瑞鳳よりも練度や経験は低いけど、私は瑞鳳と同じ様な運用が出来るわ。だから今まで軽空母瑞鳳として出来ていた事は私にも可能」

提督「この二つだけか?」

瑞鶴「ううん。あともう一つ。最大の練度と経験を持つ瑞鳳が鎮守府に残る事で鎮守府の防衛能力は今現在よりも大きく跳ね上がるわ。もしも私が鎮守府に残ったとしても艦載機という戦力が増えるものの、有事の際の指揮や判断は今までとさして変わらない。だけど瑞鳳が残れば適切な判断や指示を出せる艦娘が増える。だから、瑞鳳より劣っている私を同行させた方が鎮守府の安全に繋がるの」

提督「ほう」


瑞鶴「どう、提督さん? これが瑞鶴を選ぶ事のメリットだよ」

提督「所々突っ込みどころがあるが、ほぼ満点だ」

瑞鶴「じゃあ、今回は!?」

提督「瑞鶴を連れて行こう。頼んだぞ」

瑞鶴「やったぁ!!!!」

提督「そんなに嬉しいか?」

瑞鶴「うん!! 当たり前じゃない!」

提督「そうか。だが、横須賀に戻るまでの間、出来る限り仕来りやマナーを詰め込ませるから覚悟しておくがいい」

瑞鶴「それでも私、頑張るから!」

提督「ああ」

………………………………。
188 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/03(土) 22:23:29.71 ID:G0wWZCfOO
鎮守府

バタバタ

瑞鶴「わー!! わー!! 飛行甲板忘れてた!!」

陽炎「瑞鶴さん……」

瑞鳳「それは……忘れちゃだめだよ……」

瑞鶴「ふぅ……終わった……」

提督「瑞鶴、そろそろ時間だ。準備は出来たか?」

瑞鶴「うん。万全! ……とは言えないけど多分大丈夫」

提督「日用品等が足りなかったら向こうで買えばいい。鎮守府でしか準備出来ない物は確実に持ったな?」

瑞鶴「それは大丈夫だよ! ……多分」

提督「まあいい、行くぞ。瑞鳳、陽炎。後の事は任せたぞ」

陽炎「任せて! でも、司令がいないと私寂しいから、出来る限り早く帰って来てね!」

提督「善処するよ」

瑞鳳「提督」

提督「ん?」

瑞鳳「行ってらっしゃい」

提督「ああ。行ってくるよ」

ガチャ

瑞鶴「行ってきます!」

陽炎・瑞鳳「頑張ってね!」

瑞鶴「うん!」

パタン

………………………………。
189 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/03(土) 22:24:24.10 ID:G0wWZCfOO
大本営

コツ コツ コツ コツ

提督「…………」

瑞鶴「…………」

提督「…………」

瑞鶴「…………」

提督「瑞鶴」

瑞鶴「ひゃっ、ヒャイ!!?」

提督「やはりか……」

瑞鶴「だ、だってこんな所はじ、はじめ、初めてき、来たんだもん!」

提督「緊張するなとは言わん。むしろ適度な緊張感は必要だ」

瑞鶴「はい! はい!」ブンブン

提督「だが、お前は緊張し過ぎだ。その状態で部屋に入る訳には行かない」

瑞鶴「で、で、でもぉ……」ガタガタ

提督「こっちを向きなさい」

瑞鶴「うん……へっ!!?」

提督「……」スッ

瑞鶴「て、提督さん! ち、近い! 近いよぉ〜!! か、顔が!! あっ……」

提督「ふむ」グニー

瑞鶴「ひ、ひゃい!! へいほふはん! ひはひっへ!!」

提督「よし、終わりだ」パッ

瑞鶴「ひ、ひっどいよ提督さん! 頬っぺたちょっと痛かったんだけど!!」ポカポカ

提督「こらこら、やめなさい」

瑞鶴「んむー!!」
190 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/03(土) 22:25:19.14 ID:G0wWZCfOO
提督「で、どうだ? 緊張はほぐれたか?」

瑞鶴「え? 緊張? あっ!」

提督「大丈夫な様だな」

瑞鶴「本当だ……あんなに緊張してたのに……」

提督「人間予想外の事が起きると、それまでの事を忘れてしまうからな」

瑞鶴「でも……」

提督「ん?」

瑞鶴「残念だったな……」

提督「私は誰にでも簡単にはキスはせんよ」

瑞鶴「もう! 提督さんズルいよ」

提督「ああ、何とでも言うがいい」

瑞鶴「はあ……」

提督「何だ? 私に愛想が尽きたか?」

瑞鶴「ううん、その逆。提督さんってこんイタズラ好きな所もあるんだなって」

提督「まあ多少は、な。鎮守府での職務中にはは絶対に出さないが」

瑞鶴「じゃあどうして私の前では出してくれたの?」

提督「私が堅苦しい空気を纏っていたら瑞鶴はもっと緊張してしまっていただろう? だからだ」
191 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/03(土) 22:25:56.60 ID:G0wWZCfOO
瑞鶴「そこは、今は瑞鶴しか居ないからだ、とか言ってくれる所じゃないの?」

提督「ああ、勿論言わない。私は事実を述べる迄だ」

瑞鶴「意地悪!」

提督「そうか、お前はみんなの前で吊るし上げられたいのか? お前の人には言えないような弱みやクセは全て知っているぞ」

瑞鶴「な、何で!!? 何で提督さんがそんな事を!!?」

提督「瑞鳳がな」

瑞鶴「瑞鳳……って、瑞鳳が何で!!?」

提督「相部屋だろう?」

瑞鶴「それはそうだけど、出逢ってまだ一ヶ月とちょっとだよ!!? そんな短期間にどうして!!」

提督「瑞鳳の観察眼を舐めない方がいい。私でさえも嘘を見抜かれる。怖い子だよ、瑞鳳は」

瑞鶴「提督さんの嘘って?」

提督「瑞鳳や陽炎を部屋に返した後、睡眠時間を削って書類仕事を進めた日の朝に対面して数秒でバレた。いつもよりも目が細くなっているって指摘されたよ」

瑞鶴「…………」

提督「何か私に言う事は?」

瑞鶴「提督さんに向かって暴言を吐いてしまってごめんなさい……」

提督「よかろう……さて、お喋りはここまでだ」

瑞鶴「え? あ!」

提督「中では元帥殿や大将、そして私と同階級の佐世保、舞鶴、呉、大湊の提督が待っている」

瑞鶴「うん、じゃなくて………はい!」

提督「基本的には教えた通りにしていればいい。もしも瑞鶴の発言を求められたらその時は発言をするんだ。大丈夫だと思うが、粗相の無い様に気を緩めるなよ」

瑞鶴「はい!」

提督「心の準備は?」

瑞鶴「大丈夫です」

提督「ああ」

コンコン コンコン
192 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/03(土) 22:26:36.45 ID:G0wWZCfOO
コンコン コンコン

大将「誰だ?」

提督「横須賀鎮守府を預かっております提督と、秘書艦の瑞鶴です」

大将「お前か。入りなさい」

提督「はっ。失礼します」

カチャッ パタン

提督「お待たせしてしまい大変申し訳ありません」

大将「よい。お前には酷な任務を頼んでしまったからな。ご苦労だった」

提督「いえ、私には勿体無きお言葉です」

大将「謙遜ばかりしていると嫌味になってしまう。その悪い癖は直した方がいい」

提督「はっ!」

大将「まあ座るが良い」

提督「では、御言葉に甘えて……」スッ

瑞鶴「ぁ……失礼します」スッ

元帥「その娘は……確か初めてだったな」

提督「最近新たに建造した翔鶴型航空母艦二番艦の瑞鶴です」

元帥「前回迄は瑞鳳を秘書艦として同伴させていたが、何故変えた?」

提督「これ迄は瑞鳳を秘書艦として同伴させておりましたが、正直申し上げますと私と瑞鳳が鎮守府不在の間は、鎮守府の機能は大幅に低下しておりました」

元帥「そうだったな」

提督「しかし、瑞鶴を秘書艦として登用することによって瑞鳳を鎮守府に残す事が可能となりました」

提督「もしも私が不在の間に鎮守府に何かしらの危機が訪れても、鎮守府の内情を最も把握している彼女ならば私と同等の指揮が取れ、臨機応変に問題へ対処出来る様になります」

元帥「ふむ」

提督「そして瑞鶴自身に関してですが、瑞鶴には瑞鳳と同等以上の性能を発揮する事が出来ます。これが初めての任務という事もあり、礼儀作法等は些か瑞鳳には劣るものの、何度もこの様な場を経験すればそれも様になるでしょう」

元帥「彼女を同伴させる事にはメリットがある為変更したのだな?」

提督「はい」

元帥「うむ。了解した」

提督「はっ!」

元帥「では、全員揃った事だ。今回の任務に関する横須賀の中将からの報告を聞こうではないか」
197 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/27(火) 23:05:07.35 ID:YDXfldbHO
元帥「…………」

大将「…………」

呉提督「やはり欧州は深海棲艦の手に落ちていたのか」

佐世保提督「横須賀に合流したU-511が偽りの情報を提供している可能性は?」

提督「それは無いでしょう。嘘を吐いて彼女が得る事が出来るメリットはありません。又、深海棲艦の制圧下にある広い海域を単独で横断するのはリスクが余りにも高すぎます。ドイツも限られた防衛の戦力を無下に手放したりしないでしょう」

佐世保提督「確かに」

舞鶴提督「もしも西側がその様な状況なのだとしたら、もはや欧州は全滅したと考えた方がいいか」

提督「ええ、そうですね。何せ最大の戦力を有していたイタリアとドイツが陥落したのですから」

大湊提督「このままだと近い内に日本は深海棲艦に取り囲まれる事になりかねない」

提督「本来ならば攻勢に出るべきなのですが、虎の子の呉、佐世保、舞鶴が壊滅してしまった今、戦力を回復させる迄は我が横須賀と大湊が中心となって近海や海上輸送ラインを守らねばならないでしょう」

大湊提督「そうですね……」

大将「元帥」

元帥「うむ」

大将「本来ならばそうするのが筋であろう。だが、そうはいかない」

提督「どういう事でしょうか?」

大将「東部オリョールだ。横須賀の力で漸く手に入れた資源地帯だが、あそこを護る為にはもう少し先まで日本の制圧下にある海域を広げた方がいい」

提督「具体的にはどこまで戦線を拡大するつもりでしょうか?」

大将「お前はSN作戦を知っているか?」

提督「大東亜戦争初期に帝國海軍が立案し、アメリカのウォッチタワー作戦により失敗に終わってしまったあのSN作戦でしょうか?」

大将「そうだ。我らはもう一度ソロモン、ニューギニアの制海権を取り戻す……つまり、これは第二次SN作戦とでも言うべきか」
198 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/27(火) 23:05:35.93 ID:YDXfldbHO
提督「大将……それは、またあの泥沼の戦いを繰り返すという事ですか!?」

大将「いや、それは違う。作戦の詳細は横須賀で決めて欲しいと思っている。かつてと同じ過ちを繰り返さない為にも」

提督「まさかこの作戦を横須賀のみで行えと仰るのですか?」

大将「勿論他の鎮守府と連携してくれて構わない。だがお前も知っている通り大湊と横須賀以外の戦力は壊滅。故に立て直している真っ最中だ。あまり無茶な命令はしてはならぬ」

提督「……分かりました。この作戦、我等横須賀鎮守府が請け負いましょう」

大将「頼んだぞ」

提督「はっ」

大将「最も重要な案件はこれで終わりだな。では、その他の取り決めをしようではないか」

………………………………

………………

……
199 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/27(火) 23:06:36.16 ID:YDXfldbHO
大本営 客室

ガチャ パタン

提督「ふぅ……瑞鶴、もう気を抜いていいぞ」

瑞鶴「提督さん……一言言っていい……?」

提督「なんだ?」

瑞鶴「怖かったよぉぉぉぉぉぉ!! 緊張した!! 本当に緊張したよぉ〜!」

提督「よく出来ていたぞ。これなら今後瑞鶴を連れてきても大丈夫だろうな」

瑞鶴「提督さんに褒めて貰えて嬉しいんだけど震えが止まらないの! あの場所ピリピリし過ぎだよ!!」

提督「それは仕方ない。慣れてくれとしか言えん……が、今回は大将と元帥が異様に殺気を放っていたな……」

瑞鶴「私達が作戦を中止したから……?」

提督「いや、あの判断が間違っていたのならば今回の会議は私を裁く為のものになっていただろう。それに新たな作戦の作成を任せるなんてあり得ない」

瑞鶴「そうだね……引き受けちゃって大丈夫だったの?」

提督「正直に言うとあまり良くはない。が、私が作戦の詳細を立案出来るのならば、他の者に任せるよりはリスクはまだ低いだろう」

瑞鶴「でも、提督さんの負担が増えるよね? 毎日夜更かしなんかしたらダメなんだからね!」

提督「それは約束出来ない……というよりも無理だ」

瑞鶴「むー!」

提督「とりあえずは私達も戦力の補充をしないといけないな。鎮守府に戻ったら建造をしないとならないな」

瑞鶴「分かった!」

提督「うむ。まあその話は明日以降じっくり詰めていこう。それよりも明日は夜が明けたらすぐにここを出て横須賀に戻る。もう寝る支度をしなさい」

瑞鶴「そうだね。じゃあ、提督さんからお風呂入って来る?」

提督「私は後でいい。瑞鶴から入って来るがいい」

瑞鶴「でも……」

提督「上官や部下は関係ない。気にするな」

瑞鶴「うん……じゃあさ……」

提督「何だ?」

瑞鶴「あの……一緒にお風呂入、る?」
200 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/10/27(火) 23:07:34.75 ID:YDXfldbHO
提督「ほう、そんなに地獄を見たいのか? いい度胸をしている」

瑞鶴「わー嘘!! 嘘!! ごめんなさい!!」

提督「今のお前には手を出さんし、何をどうしようとは全く考えていない」

瑞鶴「それって男としてどうなの……?」

提督「瑞鶴?」

瑞鶴「何でもない! 何も言ってません!! お風呂先に入って来るね!!」バタバタ

提督「やっと行ったか」

………………。

提督「瑞鶴、電気を消すぞ」

瑞鶴「うん」

パチッ

瑞鶴「提督さん……」

提督「何だ?」

瑞鶴「私、今日ちゃんと提督さんが求める事をちゃんとこなす事が出来たのかな?」

提督「ああ。しっかり出来ていたよ」

瑞鶴「ありがと……提督さん。私、これからも頑張るからね。提督さんと並べる用になるまで頑張るから」

提督「頼むよ。期待している」

瑞鶴「うん! ……おやすみ、提督さん」

提督「おやすみ、瑞鶴」

瑞鶴「幸せ、だな……」

………………………………。
204 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 15:10:01.44 ID:+PFKyLa00
>>192
瑞鶴の答えと同じことしか言ってないから「ほぼ満点」の満点に足りない部分の答えが分かんないんだよなぁ
205 : ずいずい ◆9eWjFae4dI 2015/11/10(火) 23:57:31.30 ID:MTCNdNFbO
間が空いてしまって申し訳ないです。本当ならば瑞鶴改二実装日に更新をかけたかったのですが、仕事が忙しくて文章製作が出来ませんでした……
出来れば明日にでも更新をしたいと思います。もう暫くお待ち下さい……


>>204
物語本編の解釈に若干関わる部分ですので疑問に答えるかどうか迷ったのですが、少しだけ答えさせて頂きます。
貴方が仰る通り瑞鶴に対しては「ほぼ正解」と答えたにも関わらず、元帥達への弁解では瑞鶴の回答とほぼ同じ事しか言っていません。
では、何故その様な事が起きたのか。それは、提督が元帥達に告げるべき事柄では無い理由、つまり提督の私情だからです。

まだ完結どころか佳境にも入っていない為、私情についての明言はあえて避けますが、恐らく簡単に想像が出来るかと思います。

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